私の独立開業日誌~税理士 伊東修平


税理士を目指す目的の変化

最初はシステムエンジニアの武器としての税理士資格を目指していましたが、当時働いていたシステム会社の倒産を目の当たりにし、税理士を目指す目的が変化しました。

私は、潜在している経営の危機を未然に防ぐ仕事がしたい。税理士という職業は、財務状況を常に把握しているため、その目標をかなえやすいのではないか。そのために税理士になろう。目的が変わりました。

そして開業

2016年の試験で合格し、2017年6月に開業しました。当時は商社に勤めながらの開業でした。税理士事務所での勤務経験もなく、税務の実務経験も勤務していた商社での申告1件のみ。税理士の先輩もほとんど知らない。地元でもない。そんな中でのスタート。

自分の強みと弱みや、やりたいこととやりたくないことを分析し、業務領域を決め、営業戦略を考え、試行錯誤しながらのスタートは大変ながらとても充実した時間だったように思います。

現在の仕事

私の行動理念は「誰もがチャレンジでき、失敗してもやり直せる社会を創る」。

現在は、創業支援と事業の立て直しを柱とし、営業の戦略、人事の戦略、財務の戦略その他様々な経営のサポートを行っています。企業の経営支援だけでなく地元の大学と連携したり、行政と連携したり、様々なプロジェクトに関わっています。

従業員の働き方にもこだわっています。従業員はすべて子育て中の母親、在宅ワークです。始業も終業も休日もすべて従業員が自主的に管理する仕組みになっています。

開業1年後に、クライアントの業務改善のためのIT開発とクラウドファンディングのための会社「黒船イノベーションズ株式会社」を創りました。クラウドファンディングに詳しい税理士はまだまだ少ないため、様々なところで講演させていただいています。

税理士や他の士業と一緒に「経営課題研究会」も立ち上げました。「クライアントの売上を直接作ることができる士業を育てる」ことをテーマに、様々な取り組みを行っています。

もし興味をお持ちになられた方がいらっしゃいましたら、ぜひランチでもしながらお話ししましょう!

受験生の皆さんへ

昨今税理士業界ではAIだRPAだと騒がれていますが、私は顧客目線の無い「効率化」に、システムエンジニア時代に感じていた違和感と同様の違和感を覚えています。

税理士は将来無くなる職業、と言われています。今後の税理士は、従来の税務代行モデルでは立ち行かなくなることは目に見えています。そんな中でどのような仕事をしていくか。税理士を志す皆様は、ぜひ受験生時代からそんなことを考えてみてください。もちろん税務会計に関する知識も重要ですが、お客様の本当に求めていることに寄り添える税理士であってほしいと思っています。

税理士の社会的な信用は本当に素晴らしく、新たな分野にチャレンジする際にはとても役に立っています。資格を取得した皆さんが、様々なフィールドでご活躍されることを心から願っています。

私の事務所
BR経営コンサルティング(伊東修平税理士事務所)
所在地:〒173-0037 東京都板橋区小茂根2-3-8
HP:https://br-consult.jp
黒船イノベーションズ㈱:http://kurofune-innov.co.jp

私の略歴
1982年 栃木県佐野市生まれ
2016年 税理士試験合格
2017年 BR経営コンサルティング開業
2018年 黒船イノベーションズ㈱開業

本稿は、『会計人コース』2020年1月号に掲載したコラムです。

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