【税理士試験】合格体験記 ―仕事と子育てをしながら、完全独学で官報合格する方法


西崎恵理さん(30代、税理士法人勤務)

●合格科目
 簿記論(平成25年)
 財務諸表論(平成26年)
 法人税法(平成29年)
 消費税法(平成29年)
 相続税法(令和元年)
●学習時間
 (育休中)平日2~4時間、土日2時間
 (復帰後)平日2時間、土日2~4時間
●学習場所 主に自宅
●学習スタイル 独学(市販テキスト・問題集)
●出身高校 愛媛県立松山南高校
●出身大学 大阪大学法学部
●目標 憲法・法律に強い税理士になる

家庭と仕事と勉強と―自己紹介をかねて

はじめまして! 私は小1の娘と3歳の息子を育てながら、税理士法人で働いているワーキングママです。第69回(令和1年)税理士試験で官報合格しました。

以前、『会計人コース』2019年1月臨時増刊号で合格体験記を執筆したのですが、当時は1科目を残していました。今回、編集部からの依頼もあったので、改めて自分の勉強方法をご紹介します。

また、消費税法の受験後からブログを始め、自分の勉強方法について書いたり他の受験生の方々と交流させていただいています。ご興味がありましたら、そちらものぞいてみて下さい。

法曹界から税理士へ

私が税理士を目指すようになったのは結婚後のことでした。

大学は弁護士を目指していたので法学部に入ったものの、実家を出て多額の奨学金を借りていたこともあり、当時発足したばかりのロースクールに進学する金銭的余裕はなく、卒業後は法律事務所でパラリーガルとして勤務。その事務所では行政訴訟や税務訴訟に積極的に取り組んでおり、そこで税理士の先生に出会いました。

おカネに悩んだ過去があり、かつ、すでに弁護士資格を諦めていた私にとって、おカネの専門家であり、さらに法律家でもある税理士という職業はとても魅力的に思えました。そして、科目合格制度も、当時結婚を考えていた私には、主婦業・母業をしながらでも目指せる、女性にも優しい試験制度という印象でした。

なぜ独学を選んだのか?-結局は自分との勝負

その後、結婚を機に退職・引っ越しを経て、会計の素人である私は簿記3級から勉強を開始。このときにネットスクール出版の独学者向けテキストを使い始め、その後すべての科目においてネットスクールをはじめとする市販の教材を使い、独学で勉強をしました。

独学を選択した一番大きな理由はお金と時間がなかったことです。そもそも金銭的な理由から塾や予備校には通ったことがなく、負けず嫌いな私は「塾に行っている子には負けたくない」という気持ちをモチベーションにしていました。

そして、その結果、「教科書に書いている以外のことはテストには出ないのだから、教科書を理解できれば、塾・予備校に行かなくても、十分に闘える」という実感を得ていました。

税理士試験においても、テキストや問題集は市販で手に入ります。さらに今の時代は便利なもので、インターネットを使えば条文やその解説を簡単に読むことができます。

何より、相対評価の試験と言えど、結局は自分がどれだけ高得点を取れるかどうかの勝負だと思っていたので、他人を意識せずに1人で集中できる環境で勉強ができる独学という方法が自分には一番合っていたのです。

各予備校で実施している模試なども、「受けない」という選択をしました。というのも、子育てと仕事をしながらの勉強で圧倒的に時間が足りず、あくまでも試験当日に自分の目標とするレベルに達していることを目指して勉強を進めていたからです。

独学勉強術【計算編】-4段階で理解を深める

STEP1 基本はシンプルにテキストと問題集を消化

「どうやって独学で勉強したの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私の勉強方法は、シンプルにテキスト・問題集を消化していくことでした。

しかし、簿・財の合格後、初の税法として選択した法人税法で壁にぶつかりました。法人税法は、簿・財に比べて範囲が膨大であるばかりか計算は段違いに複雑化し、最初はテキストを読んでも全く頭に入らず眠気が襲ってくるばかりでした。

STEP2 テキストや解説を行ったり来たり

そこで、まずテキストは流し読みし、とにかく問題に着手しました。

当然解き方がわからないので計算式すら書けません。
そこで、もう解答を見てしまいます。ただし、解答を見ながら、どうしてこの計算式を用いるのか、この数字は問題文のどこの数字なのかを考えながら、解答・解説・問題・そしてテキストを行ったり来たりし、自力で解答までたどり着いて納得できるようにしました。

STEP3 時間をかけて解くと、文中のヒントが見えてくる 

解説やテキストを見ても納得できないときは、インターネットで国税庁の質疑応答や個人の解説サイトを自分が理解できるまで読み込みます。1問解くのにおそろしいほど時間がかかりますが、その分、どんな問題をどう解いたかが記憶に残るので、何度か解くうちに、覚えるべき公式や問題中のヒントとすべきキーワードが見えてくるようになります。

STEP4 図や表を作り、知識をアップデート

ある程度頭の整理ができた段階で、まとめの図や表を自作します。

その図や表をもとに、また別の問題を解き、自分の理解に誤りはないか、不足している部分はないかを考え、図や表の訂正や補足をします。これを繰り返しながら、1社に偏らないよう、各社発行の問題集をバランスよく複数回解くようにしました。

図表を自作して理解度UP

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