「合格点を取るための勉強」への切り替えと模試の活用法〜税理士試験直前期に向けて 諸角崇順先生からのメッセージ②


 諸角崇順(かえるの簿記論・財務諸表論代表)

第1回はコチラ

はじめに

直前期(ここでは、ゴールデンウィーク明けから本試験日までの期間を直前期と言うことにします)に入っています。
みなさんは毎週のように模試(答練を含む)に取り組み、その得点に一喜一憂されていると思います。

講師をしていて思うのですが、模試を正しく使えている受験生が意外と少ないです。
そこで、今回は私が考える模試の正しい活用方法を紹介したいと思います。

ただ、その前に知っておいてもらいたいことがあるので書かせていただきますね。

インプット期(ゴールデンウィークまでの)勉強方法

受験勉強を開始してから試験範囲全体の学習が終わるゴールデンウィークまで(ここでは「インプット期」とします)は、テキストや問題集の、①問題のすべてを、②制限時間内に、③満点が取れるまで復習する必要があります。

よって、すべての問題に対し、制限時間内に解けなかったり、まちがえたりした場合は、制限時間内に満点が取れるようになるまで5回でも10回でも20回でも解き直す必要があります(効率性よりも正確性重視)。

つまり、インプット期の勉強方法は「満点を取るための勉強」と言えるでしょう。

テキスト・問題集作成担当講師は、このインプット期には難問・奇問を作らないようにしています。
インプット期は受験に必要な基礎知識を、問題演習を通じて身につけてもらうことを目的としているからです。

インプット期に提供される問題は、基礎的な良問ばかりです。
だからこそ、すべての問題を完璧にしておく必要があります。

これから(直前期・ゴールデンウィーク後)の勉強方法

ゴールデンウィークが明けた直前期は、勉強方法を「満点を取るための勉強」から「合格点を取るための勉強」に変える必要があります。

合格点を取るための勉強に切り替える

「合格点を取るための勉強」とは、どういった勉強でしょうか。

それは、問題集や模試の①まちがえた問題の中で、②解答解説を見たらすぐに理解できた問題だけを復習するという勉強です。

受験指導のプロである講師が作成した解答解説を見てもすぐに理解できなかった問題というのは、今のあなたの実力から見て3つも4つも上のレベルの問題です。

果たしてそのレベルの問題が本試験に出題されたときにあなたは解きにかかるでしょうか?

おそらく「捨てる」はずですよね?

本試験で「捨てる」レベルの問題を、直前期の貴重な勉強時間を割いてまで復習する意味があるでしょうか?

今まで以上に貴重な直前期の勉強時間は、「あと少しがんばれば本試験で得点ができる問題」すなわち、今のあなたの1つ上のレベルの問題(=①まちがえた問題の中で②解答解説を見たらすぐに理解できた問題)の復習に全集中すべきです。

難問・奇問への対処を知る

ちなみに、テキスト・問題集作成担当講師は、直前期に受験生へ提供する問題集や模試の問題には、意図的に過去本試験と同傾向の難問・奇問をぶち込んでいきます。

素直でクリアな問題だけ解いていたインプット期とは異なり、直前期には実際に過去本試験で問われた難問・奇問と同傾向の問題、すなわち、「別解の余地があり指示不足もあるモヤモヤが残るような問題」にも慣れてもらう必要があるためです。

ただ、このような「別解の余地があり指示不足もあるモヤモヤが残るような問題」に慣れてもらう、という言葉の意味を取り違えないでほしいのですが、別解の余地があり指示不足もあるモヤモヤが残るような問題は、時間をかけたからといって正解にたどり着けるわけではない、ということです。

よって、問題文の資料を読んで「捨てる」もしくは「いったん後回し」の判断ができたか、その練習をしてもらうために作問者はこのような問題を模試に盛り込んできます。

決して、「次出たら確実に正解できるように死ぬ気で復習しておけよ」といった目的で作問しているわけではないことを知っておいてください(捨て問の見極めの練習です)。

直前期の勉強方法は理解できたでしょうか?

模試の活用法

それでは本題「模試をどう活用するか」に入りますね。

みなさんがこの記事を読んでくださっている今日という日は、もちろん直前期です。

ということは、みなさんが採る勉強方法は、「満点を取るための勉強」ではなく、「合格点を取るための勉強」となります。

模試を解いて採点をしてもらったら(自己採点をしたら)、まちがえていた設問の解答解説を読んでみましょう。

解答解説を読んですぐに理解できる問題をしっかり復習

解答解説を読んだ瞬間に「あ~、なんだ!こう解けばよかったんかい!!」ってすぐに理解できた問題、それこそが今のあなたの1つ上のレベルの問題ということになります。
その問題についてはしっかり完全に理解できるまで復習しましょう。

解答解説を見てもすぐに理解できなかった設問に関しては、復習する必要はありません。
本試験は100点中60点で合格です。
つまり、40点分は捨ててもいいし、まちがってもいいわけです。

解答解説を見てもすぐに理解ができなかった≒本試験で捨てることになる問題、なわけですから、直前期の貴重な時間を使ってまで復習する必要はありません。

直前期はとにかく効率的に勉強する必要があります。なので、次のことも試しましょう!

模試を解いて正解率が8割以上の場合

模試を解いて8割以上の正解率だった場合は、その模試の設問を分解して個別問題化してしまいましょう。

まちがえた2割の問題のために、初見でも解けた8割の問題を何度も繰り返し解くのは非常に効率が悪くなります。

だったら、作業に少し時間はかかりますが、まちがえた問題だけで個別問題に仕立てた方が、全体を1回解き直すのと同じ時間で3回4回とまちがえた問題を繰り返し復習することができます。

おわりに

「あなたは満点を取るために勉強しているんじゃない、合格するために勉強してるんだ。」

そのことを決して忘れないでほしい。

「満点を取るための勉強」はいったん忘れよう。

それは逃げでもなんでもない。

「合格点を取るための勉強」に気付いた人から受かっていく。

【著者プロフィール】
諸角崇順(もろずみたかのぶ)

同志社大学法学部3回生の9月から税理士試験の学習を始め、簿記論及び財務諸表論に一発合格(法人税法も一発合格)。
法人税法の受験後、大手資格学校にて講師デビュー(財務諸表論)。8年目より法人税法の講師も兼任(通算17年間在籍)。
大手資格学校退職後、佐賀県唐津市に移住し、個人運営の資格学校を立ち上げる(後に法人化 学校名「かえるの簿記論・財務諸表論」)。立ち上げ後6年が経過し、ついにお申し込みをお断りしなければならないほど受講生数となる(通算の講師歴は29年、指導させていただいた受講生は3,000人以上)
<旧ホームページ>https://peraichi.com/landing_pages/view/sakura-saku
<新ホームページ>https://www.sakurasaku-manabi.com

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