【税理士合格体験記】週末にイッキに家事! 勉強時間を作り出し、仕事&育児と両立しながら科目合格! 


アシヌス
(30代、会社員)

<受験情報>
合格科目:財務諸表論(令和4年度)、簿記論・消費税法(令和5年度)※受験回数は全5回
学習スタイル:<受験初回>簿・財:資格の大原(通学講座)、<2・3回目>消:資格の大原(通学講座)、<4回目>財:TAC(通学講座)、<5回目>簿・消:TAC(通学講座)▶トップ画像は合格祈願のお札とお守り(本人提供)

税理士を目指したきっかけ

第1子を妊娠したタイミングで、「せっかく1年の育児休業を取得するのだから、時間を有効に使って何か資格を取ろう」と思い勉強を始めました。

税理士を選んだ理由は、もともと簿記2級を取得しており、その延長上に税理士試験の簿記論と財務諸表論があったこと。また、科目合格の有無で応募できる求人数が変わってくるので、転職活動を有利に進められるかもしれないと感じたためです。

教室で授業を受けること、模試を受けることのメリット

私は予備校の教室通学を利用しました。授業料の安さにつられて通信講座を利用したこともありますが、家だとだらけてしまう私には不向きでした。

教室通学の良いところは、机に向かう時間を強制的に確保できる点です。
YouTubeもゲームもない状態なので、嫌でも授業に集中できます。
曜日と時間を固定することでリズムも整います。

また、教室が遠方であっても、模試だけは教室で受けることをオススメします。
模試は本試験の縮図です。本試験の疑似体験を繰り返すことで、時間配分の感覚が身につき、限られた時間の中で重要項目(Aランク問題)をこぼさず拾う良い訓練になりました。

私は資格の大原とTACどちらも利用したことがありますが、個人的に、資格の大原は現役の学生や社会人になって間もない方向け、TACは社会人経験をある程度積んだ方向けに感じました。

資格の大原では、専任講師のもと、マンツーマンによる学習相談を定期的に実施していて、面倒見の良い印象です。
TACでは、現役の税理士が講師として多数在籍されていて、実務に絡んだ話が授業で聞けるほか、時には進路相談にも応じていただける点が魅力です。

講師との相性は合否を大きく左右するので、体験授業を利用してミスマッチを極力減らせると良いですね。

授業の記憶があるうちに問題集を解く!

学習は、予備校のスケジュールに従って愚直にこなしました。

問題集が配布されるやいなや解答用紙を3回分コピーし、1回目は授業が終わったその日から翌日にかけて、2回目は次の授業の前日までに、3回目は授業の2週間後に、毎日ひたすら解きまくりました。

ポイントは、授業の記憶があるうちに1・2回目を解ききることです。
そうしないと、思い出し作業に時間を取られて効率が悪くなります。

私は消費税法を3回も受験したので、授業を聞かなくてもわかると判断したときは、授業中に総合問題を片付けていました。
講師にとっては嫌な受講生だったと思います。

複数回受験するなかでの合格の決め手

あきらめずに勉強を続けるのが一番の近道です。

もちろん、ただ漫然と受験し続けるだけでは何の解決にもなりません。
不合格の年はつらいですが、過去を振り返り、自身のどこがダメだったのかを冷静に分析するようにしていました。
ひとりで考えると視点の偏りや認識のズレが生じるかもしれないので、講師など第三者の意見を聞くのも有効です。

やるべきことを洗い出したら、後はカイゼンあるのみです。
合格率10%前後の試験ですから、すんなりいかなくて当たり前。
たいていの人が仕事なり、学業なり何かを抱えながら勉強をしています。
自分に足りないものを正確に見極め、やるべきことを淡々とやっていけば、おのずと道は開けてきます。

ボロボロになるまで使い込んだ『理論マスター』

仕事、家事、育児の並立

可処分時間をどれだけ勉強に充てたかで勝負が決まります。
仕事量を調整することは立場上難しいので、それ以外の時間をフル活用すべく、いくつかマイルールを設けました。

具体的には、
・会社の休憩時間と電車の移動時間はすべて理論暗記に充てる
・スマホの通知をオフにして、LINEの返事は起床時・夕食後にまとめて処理する
・SNSはアプリを削除してPCのみで閲覧する
などです。慣れれば何とかなります。

家事の時間は極力短縮したいので、料理の作り置きを習慣化しました。
あらかじめ1週間分の献立を決めておき、週末の3時間を使って一気に調理します。
買い物も週1回でほぼ済むので、余計なものを買わずに済んで節約にもなります。

育児との両立には最も頭を悩ませました。
というのも、いくら夫の協力があっても、最終的に子どもは「お母さんがいい」となりがちで、そこに多くの時間が割かれるからです。

なので、子どもが私を必要としているときは惜しみなく子どもに時間を使うと決めました。
その代わり、子どもが寝ている時間や予備校の授業で家を離れる間は、勉強に全集中。

このような時間的制約があったからこそ「未習熟の論点を見つけたら、なるべく早くその場でつぶす」という意識が人一倍強くなったのかもしれません。

モチベーションの保ち方

勉強をしている間は、たまった家事のことや、子どもに我慢を強いていることが頭に浮かび、嫌気がさすこともありました。
そんなときは、いま自分にとって何が一番重要なのかを再確認し、「すべてを完璧にすることは不可能なのだから、その時その時で一番大事なものにリソースを注ぐことに専念しよう」と割り切ることで、気持ちを落ち着かせていました。

あとはベタですが、家族の存在が大きいです。
受験を始めたばかりの頃は、夫にすら税理士試験を受けることを言わずにいました。
しかし、受験が長引くにつれ夫の協力が不可欠であることを悟り、腹を割って話すことにしました。
税理士になるまでは時間がかかること。その間、家事や育児は多少手を抜くことになること。それでも自分は税理士を目指したいことを正直に伝えたところ、拍子抜けするほどあっさりと背中を押ししてくれました。

夫は今でも、私が勉強に集中している間は2人の子どもを遊びに連れ出し、家事も引き受けてくれます。結婚から10年以上経った今、かけがえのない相棒です。
子どもは5歳と1歳。テキストに落書きしたり、理論ノートをぐしゃぐしゃにしたりと悪さが絶えませんが、2人の顔を見ていると「早く残りの科目も合格して、この子たちに楽をさせてあげたいな」という気持ちに包まれます。

私にとって家族の存在は、勉強を続ける一番の原動力です。
まだまだ道半ばですが、これからも勉強を続けて1日でも早く、税理士への道を切り開きたいです。

今は休刊になってしまった「会計人コース」。合格体験記を読んで受験に対するイメージを膨らませました。

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