【編集部より】
早いもので2022年も年の瀬。まだ正月休みのことを考える暇はあまりないかもしれませんが、でも貴重な時間なので今のうちに少しずつ準備をしておきたいところですね。
そこで、本企画では、学者・実務家など10人の読書愛好家から、会計人コースWeb読者の皆さんにオススメする「年末年始の課題図書」をご紹介いただきました(1日お一人の記事を掲載していきます・順不同)。
受験勉強はもちろん、仕事や人生において新しい気づきを与えてくれる書籍がたくさんラインナップされています。ぜひこの機会にお手にとってみてください!
今回の記事では、M&Aのプロフェッショナルである山田勝也先生(公認会計士・税理士)に課題図書をお薦めいただきました!
オススメ①『企業価値の神秘―コーポレートファイナンス理論の思考回路』宮川壽夫著、中央経済社
本書は、大学教授である著者がコーポレートファイナンス理論の基礎を軽妙な論調で説明されています。
「超名物講義が本になった! 」との謳い文句のとおり、コーポレートファイナンス理論といった難解な領域でもあるにも関わらず、あたかもライブで授業を受けているように、ワクワクする気持ちで読み進めることができます。
企業価値評価実務に携わっている方があらためて読み返してみると新たな気付きをえることができ、初学者の方が理論を理解するために最初に読む一冊としても有用です。
公認会計士試験の受験生の方は経営学の学習に直結しますし、実務において会計・ファイナンスに携わる方の基礎知識のインプットとしても一度手に取られて読まれてはいかがでしょうか。
オススメ②『これだけ!組織再編&事業承継税制(第3版)』佐藤信祐・長谷川太郎著、中央経済社
本書は、多くの組織再編税制に関する書籍を執筆されている著者による組織再編税制と事業承継税制に関する入門書です。
本書のアプローチは、入門書でありがちなそれぞれの税制の基礎的な理解を丁寧に解説するといったものではなく、難解な税制について、実務では遭遇しないようなケースの解説をあえて外し、実務を回すのに必要な部分に絞って解説している点に特徴があります。
組織再編税制等は複雑な税制であるがゆえに、その全体像を理解することが難しく敬遠されがちな分野ですが、本書では重要な内容に絞った解説をされているため組織再編税制等の実務に携わる上で最低限知るべき内容を押さえることができます。
実務において組織再編税制等に携わろうとされている方のみならず、会計税務を勉強されている方が、組織再編税制等が実務でどのように利用されているのかをイメージできるようになる有用な一冊です。
<執筆者紹介>
山田 勝也(やまだ かつや)
公認会計士・税理士
2004年に大学在学中に公認会計士試験第二次試験を合格後に、大手監査法人、準大手監査法人でのIPOやM&Aに関する実務経験を活かし、2013年に独立。その後税理士法人G&Sソリューションズ、株式会社G&Sソリューションズを設立。
独立後は「企業の成長と承継を支援する」といった理念のもと、業務分野を限定することなく、M&A支援、IPO支援、事業再生支援、決算開示支援、相続・事業承継対策等のような幅広い業務を提供している。
また、Twitterのアカウントでは、会計税務に関する様々な情報を発信している。
HP:https://www.gss-group.co.jp/
【主要著書】
『M&A財務デューデリジェンス入門 手順と報告書の書き方』(税務経理協会)
『M&Aに強い税理士になるための教科書』(税務経理協会)