この夏読みたい会計・税務関係の課題図書③―税理士・会計事務所職員の方が顧問先をサポートする際に役立つ書籍3冊『資金繰りなるほどQ&A』『会計事務所の経営支援』『税理士・会計事務所職員のための業績改善の基礎知識』


編集部

 コロナ禍により事業環境が大きく変わり、業績が低迷し続けている中小企業は多く、また、いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済がまもなくスタートする中、資金繰りをはじめ経営環境が悪化する顧問先も増えてくると思われます。
 そうした中、顧問先の中小企業を存続させていくには会計事務所による経営サポートが必要不可欠といえるでしょう。
 そこで、税理士・会計事務所の職員の方々が顧問先の経営サポートをする際に役立つ以下の3冊をご紹介します。

増山英和(著)『4つのステップで社長の悩み解消!資金繰りなるほどQ&A』

 資金繰りは経営の最重要課題の1つであり、中小企業をサポートする会計事務所にとっても資金繰りへの対応は重要な業務といえるでしょう。

 本書は「ステップ1:学ぶ」→「ステップ2:気づく」→「ステップ3:動く」→「ステップ4:続ける」の4つのステップにより、資金繰り表のしくみやつくり方にとどまらず、資金繰りを起点にさまざまな経営課題を予測・発見・解決していくかまで解説しています。

 資金繰り、ひいては「会計で会社を強くする」ことをねらいとした内容ですね。

*A5判 / 160頁、定価:1,980円(税込)、中央経済社
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澤邉紀生・吉永茂(著)『会計事務所の経営支援―経営会計専門家の仕事』

 本書は、顧問先である中小企業がよく直面する問題である経営計画策定、外部環境の変化を捉えた企業の自己変革、努力と成果の「見える化」、中小企業のブランディング、企業再生、事業承継の準備、経営者の突然の逝去等について、事例をもとに「会計事務所の担当者として、この状況でどのように経営者にアドバイスすべきか」という視点から解説している点が大きな特徴です。

 自分ならばどうするかを考えながら読むスタイルであり、知識にとどまらず中小企業・経営者の悩みに寄り添う会計人としての「心構え」まで身につく内容です。

*A5判 / 256頁、定価:2,860円(税込)、中央経済社
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田村和己(著)『税理士・会計事務所職員のための業績改善の基礎知識』

 本書は、クライアントの業績や財務体質改善に役立つ月次業績管理、予算管理、経営計画管理について、体系的かつ段階的に整備するポイントを解説しています。

 特に後半の実践編では、先人の知見や著者の豊富な実務経験に基づいた実践的なノウハウが具体的に示されており、最終章の整備状況に関するチェックリストとともに、まさにクライアントをサポートする際の大きな拠り所になるでしょう。

*A5判 / 272頁、定価:3,190円(税込)、中央経済社
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