【財務諸表論】理解度&解答力チェックに! 『税理士試験 直前予想問題集』にチャレンジしよう


渡邉 圭
(千葉商科大学基盤教育機構准教授)

【編集部から】
ゴールデンウイークも過ぎ、税理士試験まで残り3ヵ月弱!

そんな直前期にピッタリの問題集として、会計人コースBOOKS『税理士試験直前予想問題集(簿記論/財務諸表論)』令和4年度版が刊行されています。

複数の専門学校や「学者×実務家」による模擬試験問題を収録した本問題集。

今回は、例年多くの簿記論・財務諸表論合格者を輩出している千葉商科大学「瑞穂会」の渡邉圭先生に、本問題集(財務諸表論)の効果的な使い方を教えていただきました。

1.『税理士試験 直前予想問題集』とは?

毎年4月に中央経済社から刊行されている『税理士試験 直前予想問題集』(以下、「直前予想問題集」)は、複数の専門学校や学者、実務家による模擬試験が収録された問題集です。  

私が指導する千葉商科大学「瑞穂会」では毎年、過去問を解く前に「直前予想問題集」の演習時間を設けています。

令和4年度「直前予想問題集」(財務諸表論)に収録されている模擬試験4題は、初受験者も再受験者もしっかり学習できるように、それぞれ難易度が異なります。

今回は、私の視点から考える下記2点をご紹介したうえで、「直前予想問題集」の効果的な使い方をお話しします。

①各模擬試験の難易度
②2回目に解いたときの合格ライン

2.各模擬試験の難易度

実際に令和4年度「直前予想問題集」(財務諸表論)解いた結果、私が感じた難易度は下記のとおりです(表は筆者作成)。

専門学校・出題者問 題難易度総合的な難易度
第1回資格の大原第一問
第二問
第三問


第2回東京CPA会計学院第一問
第二問
第三問


第3回学者×実務家コラボ①第一問
第二問
第三問


第4回学者×実務家コラボ②第一問
第二問
第三問


※難易度の見方
S:極めて難しい
A:難しい
B:解けるけれど資料が多く、ミスを起こしやすい

私なりに各模擬試験の難易度を分析してみましたが、全体を通して応用問題の学習が完了した受験生向けの内容で構成されているのがわかると思います。そのため、初受験者の方は、第1回から順番に解くよりも難易度に沿って演習するとよいでしょう。

難易度の順番(解く順番)としては、
第4回「学者×実務家コラボ②」

第3回「学者×実務家コラボ①」

第1回「資格の大原」

第2回「東京CPA会計学院」
です。

第3問(総合問題)の論点には類似する部分もあるので、問題の演習を通じて復習も行うことができます。そういった意味でも、難易度順で解くことをオススメします。

3.2回目に解いたときの合格ライン

本問題集では、各出題者が第一問・第二問・第三問それぞれの合格ラインを示しています。

はじめて問題を解いた場合、その合格ラインを超えられたかどうかが気になると思いますが、同じ問題を解きなおす場合、1回目より高い点数をとることが理想です。

そこで、2回目に解いたときの合格ラインを私なりに考えてみたので、参考にしていただければと思います(表は筆者作成)。

※ 理論問題(第一問・第二問)の合格ラインは、受験生の採点基準(優しめに採点するか、厳しめに採点するか)が異なるため省略します。

専門学校・出題者合格ライン
第1回資格の大原40点以上
第2回東京CPA会計学院36点以上
第3回学者×実務家コラボ①40点以上
第4回学者×実務家コラボ②42点以上

4.1回目は理解度、2回目は試験時間内の解答力を確認しよう!

「直前予想問題集」は、前述のとおり難易度が比較的高い問題で構成されているので、初受験者の方は試験時間内に解答することが難しい、という場面が出てくると思います。

しかし、本試験前の「練習」ですから失敗してもかまいません。ここで、本問題集の効果的な使い方について考えてみましょう。

まず、本試験に合格するためには、知識を定着させる必要があります。

そのため、1回目に解くときは、試験時間を超過してもかまいませんので、各模擬試験での点数を明らかにしましょう。次に、点数が獲得できなかった論点を明らかにし、個別問題集などを使って復習することで知識を補填します。

なお、解説を見る際に、理解が進まないこともあると思います。それは、出題者が異なると計算方法や計算過程も異なる場合があるためです。そのため、自分で考えた解き方と出題者が求めている解き方の違いを発見して、適切に解答できるように見直しをしましょう。

1回目の見直しと復習の後に2回目を解きます。このときは、「どう解答しなければならないのか」というポイントは明確になっているため、試験時間内で解答できる点数がどれくらいなのかを明らかにします。

演習を終えたら、各問題について「取捨選択ができていたか」の分析を行い、「試験時間内」という制約条件のもとで最大限の点数を獲得するための対策を考えます。

5.財務諸表論に欠かせない「ケアレスミス対策」

財務諸表論(特に計算問題)で最大限の点数を獲得するためには「ケアレスミス対策」が有効です。

ケアレスミスは

①問題の読み取りミス

②電卓の入力ミス

③メモ用紙への記入ミス

④解答用紙のアウトプットミス

の4つに区分することができるので、本問題集を解く際には、自分のケアレスミスがどれに該当するかも確認してみましょう。

仮に、計算問題で③メモ用紙への記入ミスが多い場合は、「メモをする際に、自分の書いた数字を疑って再度計算する」など、以前よりも時間をかけて演習します。ケアレスミスを減少させることで5点以上は獲得点数が変わりますから、時間をかけることは無駄になりません。

また、理論問題でも計算問題でも①問題の読み取りミスが多い方は、採点時に「この問題は正解していると思ったけれど間違えていた」という経験があるのではないでしょうか。自分の得意な論点であればあるほど確認を怠ることがあるので、より注意して問題に挑みましょう。

残念ながら本試験で、ケアレスミスをゼロにすることは極めて困難です。「自分の弱点をなくす」ではなく「自分の弱点と上手く付き合う」という考え方で対策を考えていきましょう。

<執筆者紹介>
渡邉 圭(わたなべ・けい)
千葉商科大学基盤教育機構で准教授を務める傍ら、会計教育研究所「瑞穂会」で税理士試験講座(簿記論・財務諸表論)と日商簿記検定1級~3級講座を開講し、ともに多数の合格者を輩出している。

千葉商科大学 会計教育研究所「瑞穂会」 とは 
会計教育の実践の場として「瑞穂会」があります。「瑞穂会」は千葉商科大学の学生を対象に、日商簿記検定、税理士試験科目(簿記論・財務諸表論)の講座を開講し、受講料無料で受験指導を行っています。「瑞穂会」では、専用の教室を有し、専任教員が常駐して学生の受験指導にあたります。現在、多くの合格者を輩出しており、毎回の合格率は全国平均を大きく上回っています。また「瑞穂会」では、大学の授業と資格試験の両立に悩む学生に効率的な学習方法をアドバイスするなど、個々の学生の状況に応じた細やかな指導を行っています。
HP:https://www.cuc.ac.jp/iaer/mizuho/index.html


『税理士試験 簿記論 直前予想問題集(令和4年度)』

中央経済社編
定価:2,640円(税込)
発行日:2022/04/12
B5判 / 252頁
ISBN:978-4-502-42661-2
ご購入はこちらから

『税理士試験 財務諸表論 直前予想問題集(令和4年度)』

中央経済社編
定価:2,640円(税込)
発行日:2022/04/12
B5判 / 192頁
ISBN:978-4-502-42671-1
ご購入はこちらから


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