【税理士合格体験記】働きながら官報合格を達成! 「読みやすい理論答案」が合格のカギ


ZENTA
(税理士法人勤務、39歳)

合格科目:簿記論(2011年・1回目)、財務諸表論(2013年・2回目)、国税徴収法(2019年・1回目)、消費税法(2020年・1回目)、法人税法(2021年・1回目)
学習スタイル:簿記論…独学、財務諸表論…通信(LEC)、国税徴収法…通信(ネットスクール)、消費税法・法人税法…通信(クレアール)
学習時間:簿記論…約150時間(1級を含めると約600時間)、財務諸表論…約450時間、国税徴収法…約560時間、消費税法…約570時間、法人税法…約860時間

ほぼストレートで官報合格

最初の受験は2011年でした。6月に受験した簿記1級の延長で、会計2科目を独学で受験し、簿記論のみ合格。その後、2013年に財務諸表論に合格しました。

財務諸表論合格後は、海外赴任などで試験から遠ざかっていましたが、2019年1月に勉強を再開。その後に受けた税法科目は、すべて一発合格でした。

最初の受験から官報合格まで10年かかりましたが、受験回数は5回。(言い訳に聞こえるかもしれませんが、)最初の年に不合格だった財務諸表論は記念受験に近かったので、ストレートとは言えませんが「ほぼ」ストレートで2021年、働きながら官報合格を達成しました。

税理士を目指したきっかけ

もともと公務員として働いていましたが、仕事で会計知識の必要性を感じ、簿記1級を取得しました。

実を言うと、当時は税理士になるつもりはなかったのですが、簿記論・財務諸表論は簿記1級の学習範囲と重複する部分が多く、科目合格が一生有効ということを知り、受験しました。

その後、海外赴任先で、資格を武器として楽しそうに仕事をしている日本人とたくさん会って、「自分も、武器となる資格がほしい」と思うように。

数年前に1級FP技能士を取得した際、「タックスプランニング」の分野に興味があったこと、すでに2科目に合格していたことから、税理士資格の取得を決めました。

「理論が得意」という適性を活かした科目選択

勉強を再開したのが、日本に戻ってからの2019年1月。税理士試験からは6年近く遠ざかっていました。しかも、当時の仕事は税務・会計とはまったく無関係。

さて、どの科目を受けようか? 試験までは7ヵ月。あまり時間がないので、ボリュームの少ない「ミニ税法」が無難。そのなかでも、実務経験による差が出にくく、かつ、ケアレスミスが起こりにくい理論中心の科目として、国税徴収法にしよう。

実務に役立つかよりも早期合格を優先した科目選択でした。もともと、計算よりも理論が得意だったこともあり、2019年の本試験で無事に合格しました。

残りの2科目は、税理士実務に直結する科目として消費税法と法人税法を選択。実は勉強再開直後に、税理士登録に必要な実務経験を積むため、税理士法人に転職していました。

消費税法については、国税徴収法の合格発表直後に学習を始め、約8ヵ月の学習で合格。法人税法は、消費税法受験後の2020年9月から学習を開始。ボリュームが多いので、1年間みっちり勉強し、無事に翌年の本試験で合格しました。

ちなみに実際の本試験では、消費税法・法人税法の両科目とも、「計算はイマイチ、理論はボーダー以上」の自己採点でした。採点基準が非公開なので何とも言えないのですが、税法科目は理論で稼げたのでは?と思っています。

戦略的な科目選択と、理論が得意という自分の適性をうまく活用し、勉強再開時の計画どおり、税法科目はすべて初学一発合格で終えることができました。

スキマ時間に少しでも毎日勉強を続ける!

フルタイム勤務の社会人受験生だったので、定番の「スキマ時間」を活用していました。

具体的には、行き帰りの通勤バスの中で30分ずつ理論暗記、昼休み30分を計算演習に充て、帰宅後1~1.5時間は自宅で学習。これで平日でも2~3時間は学習時間を確保できます。

ポイントは「少しでも毎日勉強すること」。業務多忙で勉強時間が取れないときもありますが、数分でもいいので、毎日続けることが大事です。

1日でも空くと、勘を取り戻すのに時間がかかってしまい、非効率です。勉強を日々の生活の中で習慣づけること。これができれば、大きく合格に近づけます。

「覚えても忘れる」を受け入れる!

税理士試験の鬼門といえば理論暗記。理論が得意な私も、暗記には苦労しました。私が重視していたのは、「忘れて当たり前と思うこと」です。

人間は覚えても忘れる生き物です。「エビングハウスの忘却曲線」をご存知でしょうか? 人間がその日に記憶したことの65%以上は、1日経つと忘れているというものです。

いわば、これが脳の限界なのですから、忘れたことに対して落ち込む必要はありません。落ち込む暇があれば、また覚え直す。これをひたすら繰り返します。そうすれば、段々と脳に定着します。

正直、しんどい作業ですが、ここはしっかりと踏ん張ります。「絶対に税理士になる」という強い気持ちがあれば、乗り越えられるはずです。

私の場合、理論集の各トピックの左上に「何回目の暗記をいつしたか」を記録し、忘れた頃に再度暗記してその日を記録……ということを繰り返していました。

このように進み具合を可視化しておけば、効率的に暗記できますし、何より、モチベーションを保ちにくい理論暗記において「暗記が進んでいる」という達成感を得ることができます。

また、理論は手書きよりも音読で覚えることをお勧めします。理由は、単純に効率がいいからです。

私は国税徴収法の理論は手書きで覚えましたが、あまり効率がよくないなと思い、消費税法と法人税法は音読で覚えました。結果、後者のほうが短時間で暗記できました。

手書きだと、手が疲れますし、書くことに意識が集中してしまって、暗記が疎かになりがちです。手書きでのアウトプットは、答練・模試の機会を活用するので十分だと思います。

◆暗記の進み具合を可視化。これを毎日眺め、モチベーションを保ちました。

理論は「答案の読みやすさ」で差をつける!

また理論の話になってしまいますが、個人的には、税理士試験、特に税法科目は理論が勝負の分かれ目だと思っています。理論では、点を取るコツがあります。それは、「読みやすい」答案を作ることです。

本試験では緊張状態のなか、限られた時間で合格答案を作る必要があります。たまに、問題を見ていきなり答えを書き始める人がいますが、私はお勧めしません。

理論答案で大事なのは「論述構成」。まずは問題を見たら「何を、どこまで、どういう順番で書くか」を考え、計算用紙にざっと下書きします。

ここで構成ができても、まだ書き始めません。自分が試験委員の気持ちになって、その論述構成の答案を俯瞰したときに、「読みやすいか?」「一貫性があるか?」「問題に対して漏れなく解答できているか?」を自問自答します。

その後、一気に解答を書き上げるのです。しかも、できるだけ丁寧な字で。

採点者である試験委員は機械ではなく人間。同じ内容の答案でも、論述構成がしっかりしているもの、字が丁寧なもののほうが、印象がよいはずです。

合格するつもりで試験に臨んでいる受験生の暗記レベルは大差ないでしょうから、「論述構成」と「見栄え」で差をつけよう、というのが私の戦法でした。

読む人のことを考えて答案を作る。暗記量が多い税理士試験では、その量に気を取られてしまい、軽視されがちなポイントかもしれません。

答案は作ったら終わりではなく、試験委員に読まれ、合否を判定されるものであることを普段から意識してみてください。

メッセージ

他の皆さんも仰っているように「最後まで諦めないこと」はもちろん重要ですが、長丁場になりやすい試験なので、普段から「次で絶対に合格する!」という強い気持ちをもって勉強することが大事です。

よく「税理士試験合格はスタートに過ぎない」と言われますが、そんなことはありません。税理士受験生にとっては、試験合格は1つのゴールです。それぐらいの価値がある資格です。自分の自信になりますし、見える世界も変わります。

皆さんの合格を祈念しております。


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