【コロナ禍の今こそ理解したい 「資金繰り」超入門Q&A】第4回 資金繰り表を分析してみよう!


第3回「資金繰り表って何?」はこちら

つくった資金繰り表はどう読めばよいでしょうか?

作成した資金繰り表をもとに、自社の状況を把握しましょう。

そして、資金ショートが予想される場合、早めに対策を実行することが大切です。

つくった資金繰り表をどう分析すればいい?

作成した資金繰り表をもとに自社の状況を把握しましょう。

このA社の資金繰り表から、次のことが読み取れます。

通常の営業活動から得られる「経常収支」は基本的にプラスでなければなりません。

4月実績は+60万円でした。

しかし、売上減少傾向から5月は-50万円、6月は-73万円となり、単月での経常収支が「収入<支出」と厳しい状況が予測されます。

一方、長期借入金の返済月額の50万円は固定支出として待ったなし。

その結果、5月末の資金残は30万円、6月末は-93万円と予測されました。

つまり資金ショートが発生するという経営の黄色信号が灯されたのです。

解決にむけてどう対策をとればいい?

資金繰り予定表を作成していなければ、ただなんとなく手持ち資金が減少傾向にあることに気づく程度でしょう。

借入の返済をすると資金がショートすることが発覚したときに大慌てする姿が目に浮かぶようです。

資金繰り予定表により今後の問題が見つかれば、それを回避するためにどのような対策をとるか、すなわち「打ち手」を考え実行する必要があります。

A社は次の2つの打ち手を考えました。

⑴ 遊休資産の売却

もし手を打たなければ、5月の資金残高は30万円になってしまいます。

そこで、本来の事業による支出と借入金の返済を賄うために、遊休資産を売却して70万円の収入を得ることにしました。

これにより月末の資金残高は100万円になります。

⑵ 新たな借入

しかし、6月にはさらに経常収支のマイナスが予測されています。

よって資金の安定化を図るために、金融機関にこの資金繰り予定表を提示して200万円の融資を申し込みました。

金融機関への融資の申込は、回答があるまでは予断を許しません。

審査には時間がかかるので、金融機関などの相手がある対策では、いち早く手を打つ必要があります。

もちろん自助努力でできることがあれば即実践です。

→第5回「資金繰りを改善させるためには?」(6月11日掲載)に続きます。

〈執筆者紹介〉
増山 英和(ますやま・ひでかず)
税理士・CFP
1988年、中央大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。現在、増山会計事務所、増山総研、相続・事業承継支援センター代表、NPO法人相続支援協会理事長、茨城県中小企業家同友会代表理事、TKC全国会中小企業支援委員会委員長。常磐大学短期大学部非常勤講師を歴任。認定経営革新等支援機関として徹底した財務・経営指導や、ファイナンシャルプランナーとして事業承継・相続対策には定評がある。わかりやすくためになる著書・講演やラジオ番組が好評。
(主要著書)
『中小企業金融における会計の役割』共著、中央経済社、2017年
『中小企業BANTO認定試験 公式テキスト』共著、中央経済社、2019年
『実践!経営助言』共著、TKC出版、2012年
『中小企業の事業承継戦略(第3版)』共著、TKC出版、2017年 他

◆本特集は、増山 英和著『4つのステップで社長の悩み解消!資金繰りなるほどQ&A』(中央経済社刊)の一部を要約したものです。

増山 英和 著
定価:1,980円(税込)
発行日:2021/04/30
A5判 / 160頁
ISBN:978-4-502-38491-2
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