税理士試験 いまから伸びる逆転勉強術(税法科目編)


許斐 活範
(資格の大原 税理士講座担当)

お仕事をしている受験生のなかには、決算や確定申告業務のまっただなかで、「勉強どころではない!」という方、また、大学生でも就職活動を行わなければならず、「勉強が遅れがち!」という方も多くいると思います。

いえいえ、税理士試験の勉強は春からが本番です! ここでは、税法科目を学習されている方を対象に、これからのリカバリー術についてお伝えします。勝負はここから! 攻めの気持ちでまいりましょう。

学習スケジュールをどうする?

本試験というゴールが決まっている以上、合格のためには締切りを意識した学習が不可欠です。勉強が少し遅れがちの方であれば、なお一層必要なことです。

計画を立てる前に

残された本試験までの①期間・時間で、②何のために、③何を、④どのように学習する必要があるかを考え抜くことが合格される方の共通点です。これまで学習計画どおりに進められていないことを、決して悔やんだり、悲観する必要はありません。そのようなことをしても、何もよい効果はありません。

これからの期間がカギ

本試験に備え、専門学校では7月には本番仕様の出題予想模擬試験を実施します。この時期までにライバルの受験生と肩を並べたいですね。そのためには、5月からの直前期序盤、基礎力を完成させる模擬試験や過去問対策を通じて、力をメキメキつけていきたいところです。また、税法科目には税制改正がつきものです。改正項目は出題の可能性が高いホットな話題ですから、これを押さえる余力は残しておきましょう。 

そして、最も大切なのは3月後半からゴールデンウィークまでの時期です。5月からの模擬試験や過去問対策に、スムーズに移行できるかどうかが重要です。この移行がうまくいかず、受験を断念される方もいらっしゃいます。本試験までまだ時間があります。次頁では、どのような作戦をとるべきか考えてみましょう。

学習リカバリー作戦

前頁でお伝えした、3月後半からゴールデンウイークまでの時期における作戦を考えていきます。

まずは態勢づくりから

最初に、具体的な学習項目にふれる前に、学習の進め方について確認しましょう。学習の進捗に大きな遅れがある方は、最低限の学習ペースを維持(学校をご利用の方は講義を休まない)し、これ以上遅れないことが大切です。

次に、知識を習得できていなければ、その先の実践的な対策もできなくなりますので、少なくともインプット作業を完了すること(個別論点の習得を優先)を当面の目標としましょう。応用論点は、学校の模擬試験などと並行して対策を進めることで、合格を勝ち取られた方もいらっしゃいます。

本試験に合格することが皆さんの目標です。模擬試験でよい点を取ることが目標ではありませんので、やるべきことを明確にするために、賢く学校の模擬試験を利用しましょう。そして、本試験という締切りを意識し、決して完璧主義にならないこと! 1つの項目にこだわりすぎて、本試験に間に合わなければ、元も子もありません。

理論学習

直前期の大きな負担となる理論暗記は、次のSTEP1、STEP2のような段取りで、十分注意しながら進めたいところです。

STEP1 暗記の範囲を確定する

出題傾向などからA:重要度が高い理論、B:普通レベルの理論、C:重要度が低い理論に区分し、AとBを中心に押さえていきましょう。学校の模擬試験をご利用になる方は、提供される試験範囲をベースにするのも有効です。

もう少し、範囲を絞り込む必要がある方は、AとBの「適用要件」や「手続き」など、軸となるブロックを中心に学習していきましょう。 科目の試験傾向や年度によって多少の違いはありますが、ほとんどの場合は、基礎理論で本試験の解答範囲をカバーできてしまうことが多いです。

STEP2 応用理論対策をパターン別に区分する

事例問題などの応用理論については、出題傾向などから出題パターンごとにグループ分けを行います。たとえば、a、b、cというグループに分け、aグループのパターンがXという理論と関係するのであれば、Xの理論を暗記したときに、aグループのパターンをあわせて学習するのが効率的でしょう。

計算学習

計算学習は、本試験の形式である総合問題形式を練習しているかどうかが鍵となります。もちろん、個別論点を忘れてしまっている状態では非効率な学習となりますので、次の基準を参考に学習方法を検討しましょう。

STEP1 基本項目が重要

科目を問わず、合否は基礎項目の出来で決まります。重箱の隅をつつくような論点も、「もし出題されたら…」と不安に思われることもあるかもしれませんが、上手に割り切ることも大切です。

また、習得度が低い項目から優先的に学習するのが効率的です。たとえば、テキストをパラパラとめくり、ニガテ意識を感じる項目のみ目を通す方法や、問題集を解く場合には、過去に解答した記録をもとに、間違った問題や設定時間をオーバーしてしまった問題のみを見直す方法も有効です。

STEP2 総合問題からのアプローチが可能か確認

本試験の形式である総合問題形式で練習を重ねることが最も効率的です。ただし、ほとんど得点できない場合には、個別論点の押さえが甘い場合が多く、見直し作業も不効率になります。以下の要領で、総合問題を解答する前にどのくらいの得点ができるかを予想し、作業手順を整理すると効果的な学習を行うことができます。

【予想得点6割以上の場合】
① 総合問題の解答 
② ミス項目を中心にテキスト、個別問題を確認

【予想得点6割未満の場合】
① 問題を数分間素読みし、弱点項目の有無を確認 
② 弱点項目を中心にテキスト、個別問題を確認
③ 総合問題の解答(まずは6割以上の得点を目指す)
④ ミス項目を中心にテキスト、個別問題を確認

勝ちにいく姿勢

税理士試験は1年に1度しか実施されない試験です。この合格のチャンスを逃してしまう手はありません。また、合格通知がお手元に届くイメージをもち、ご自身が試験に勝利(合格)するために、本試験までの期間で、何のために何をどのように学習するべきか、常に考え抜きながら粘り強く学習しましょう!

〈執筆者紹介〉
許斐 活範(このみ・かつのり)
資格の大原税理士講座にて消費税法の受験指導に15年以上従事。全国に向けた受験経験者対象コースの映像講義を担当するほか、本試験直前期の模擬試験や税制改正関係の教材の作成にも携わる。消費税法の本試験での出題を幅広く把握し、現在の試験傾向の分析や出題予想に定評がある。

※ 本記事は、会計人コース2018年4月号「いまから伸びる逆転勉強術 会計科目編」の一部を編集部で再編集したものです。バックナンバーは、こちらからお買い求めいただけます。


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