【税理士試験】いまから伸びる逆転勉強術(会計科目編)


大井 健太郎
(資格の大原 税理士講座担当)

毎年のことですが、3月になると、「先生、仕事が忙しくて勉強ができていないです」と、受講生の方から相談を受けます。

税理士法人や会計事務所に勤務されている受験生の方は、繁忙期もまっただなか。気づけば、なかなか勉強時間が確保できておらず、「このままで合格できるのかな」と不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、私がこれまでに教えた受講生のなかから、忙しい時期を乗り切り、簿記論・財務諸表論に合格された方が、どのように学習に取り組まれていたのかをお伝えします。

「伸びる受験生」の計算への取組み方

問題集の解くページに付せんを貼る

どの問題に取り組むかをそのつど考えていたら、あっという間に時間はなくなります。そのため、問題集の目次を見て、不得意な問題にあらかじめ付せんを貼っておき、すぐに解答できる状態にしておきましょう。解いたら付せんをとります。そうすることで、忙しいなかでも学習が進んでいることを認識でき、モチベーションも上がります。

また、問題に取り組む日をあらかじめメモしておくこともオススメです。

解くのは基本問題に留める

本試験で合否を左右するのが基本問題の正解率です。基本問題こそ確実に解答できるようにしましょう。難しい問題は、潔く飛ばしてください。

5月以降に成績を伸ばした方は、講義の前後も、教室でずっと基本問題を解き、時間をムダにしていませんでした。間違いノートを作るのは、この繁忙期でなくてもよいのです。

繁忙期が過ぎたら、総合問題に繰り返し取り組むようにしましょう。項目によっては、注意しなければならないもの、ひっかけられるパターンが決まっています。毎回問題文を意識して、着実に得点につなげていきましょう。直前期に過去の試験問題にしっかり取り組むことで、一気に合格に近づきます。

「伸びる受験生」の理論への取組み方

1日になるべく多くテキストを開く

財務諸表論の理論について、暗記は避けては通れません。しかし、繁忙期に暗記するのは、なかなか厳しいかと思います。

私が教えた受講生のなかには、繁忙期でも1日に10回テキストを開くことを目標にして、成績を伸ばした方がいました。「1日に10回テキストを開く」というのは目安ですが、なるべく多く開くことをオススメします。

「何分見る」「ここまで覚える」などの決まりを作るのもよいですが、最初のハードルは低いほうがよいです。とにかく10回テキストを開くことを目標にして、まずは見る回数を増やしましょう。

なお、テキストを開くのが困難な方は、確認するページをスマートフォンで撮っておくことをオススメします。待ち受け画面に設定しておけば、1日で何回かは目にすることができるでしょう。

目次の見出しを見て「何のことか」を把握

目次の見出しを見て「どんな論点か」がわかるようにしておきましょう。何について書かれているのか、ある程度把握できていれば、学習についていけなくなることはありません。

繁忙期が過ぎたら、それまでに覚えられなかったものをどんどん暗記していきましょう。専門学校では、模擬試験の出題範囲表がありますので、それを活用することもオススメです。

繁忙期こそ前向きな思考で

「繁忙期が過ぎてから頑張ります」と言う方は、「繁忙期は勉強をしません」と言っているのと同じです。こういう方の多くは、繁忙期が過ぎても勉強量が増えないのが実状です。ですので、「繁忙期でもやれるだけやります」と、考え方を変えてみましょう。後半で成績を伸ばす方は、たとえ忙しくても、忙しいことを勉強をしない理由にはしません。

繁忙期は力を落とさないことが大事です。力を維持できていれば、5月以降、過去問や模試に取り組む際に、どんどん成績が上がります。最後まで集中力を切らさなければ、合格をつかみとることができます。「12月に合格通知を受け取る」ことを想像し、あともう少し、繁忙期を乗り切りましょう!

〈執筆者紹介〉
大井 健太郎(おおい・けんたろう)
資格の大原にて税理士講座を担当。これまでに1,000人以上の受講生を担当し、ほとんどの受講生の顔と名前を覚えている。映像収録の講義も担当し、「受講生の学習負担を減らし、最短で合格してもらう」ことが信念。

※ 本記事は、会計人コース2018年4月号「いまから伸びる逆転勉強術 会計科目編」の一部を編集部で再編集したものです。バックナンバーは、こちらからお買い求めいただけます。


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