科目免除のプロが教える! 絶対に間違えない大学院の選び方


こんにちは♪ 編集部です。

税理士になるにはいくつか方法がありますが,そのうちの1つが「大学院」。近年,進学者が増えつつある大学院ですが,どのような点に注目して選べばよいのでしょうか?

そこで,進学予備校のプロが「大学院を選ぶポイント」を大公開! 大学院に進学して科目免除を考えている方は必見です☆

また,今年度の大学院入試はコロナ対策をもって行われることが予想されます。そのようななかで何か変わることはあるのか? どんな点に注意すればいいのか? 今年度の入試対策についてもコメントをいただきました。

本記事は,会計人コース2019年10月号「大学院入試のプロが教える 大学院を選ぶポイントと入試対策」の一部を編集部で再編集したものです。また,昨今の情勢に従って,一部を新たに加筆しています。


大学院選びのポイント

大学院の特徴を確認

科目免除が目的で大学院を選ぶにあたっては,大学院が研究者と職業人のどちらの養成に主眼を置いているかを知る必要があります。その学校のアドミッション・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,ディプロマ・ポリシーを見ておきましょう。科目免除を受ける人にとっては,言うまでもなく「高度な専門知識・技術を有する職業人」の養成に力を入れている大学院が適しています

研究者の養成に力を入れている大学院では,研究に対する姿勢・態度も学位取得に大きく影響します。一方,職業人の養成に力を入れている大学院では,修士論文の水準が重要であり,研究者としての心構えはあまり問題とされないようです。

もっともこの点は,指導教員や論文審査の担当者によって異なります。法学研究科では,司法試験を目指す場合を除き,一般的には研究者の養成に重点を置きます。経済学研究科,商学研究科,経営学研究科は,職業人の養成に重点が置かれる傾向にありますが,最後は指導教員によります。

指導教員との相性を確認

論文を書くにあたっては,この研究科でなければいけないということはありません。大学院は,教員紹介やシラバスで,教員の専門分野や教育・研究方針などを見て選ぶべきです。ただし,租税法の担当教員が複数いる場合,学校によっては指導教員を選べないところもあるので,この点は確実にチェックしておきましょう。なお,充実した大学院生活のために,できれば院生と指導教員との相性考慮してください。希望する大学院に先輩や知人・友人がいる場合,授業や演習がどういうものか,指導教員の指導がどのようなものかを聞いておくのがよいでしょう。

通学条件を確認

社会人として働いている人は,平日の夜間や休日に開講している大学院を選択するしかないので,通学条件(勤め先から大学までのアクセスや通学時間)は必ずチェックしてください。また,大学院2年間は,時間的にかなりハードです。修士論文を書く時間を惜しんではいけませんが,通学条件のほか,授業や行事の負担の程度(学位の取得に必要な科目や単位数など)もできるだけ確認してください。これも希望する大学院に先輩や知人・友人がいれば聞いておくとよいでしょう。

大学院の選択にあたり,大学名に惹かれる人もいらっしゃるかと思います。しかし,税理士という資格の取得においてはどの大学院かは問題となりません。あくまでも,学費,通学条件,大学院生活などを総合的に判断してください

今年度の入試の注意点

今年度の入試は,コロナ対策で入試要項が急遽変更になる場合も考えられます。常に志望校のホームページで最新情報を確認することが必須のスタンスです。

コロナ禍の入試になることが予想されますが,入試の目的や受験生に求めるものに変更はないと思われます。ただし,面接に制限が加わるので,そのぶん研究計画書をしっかり完成させましょう(面接をなくして研究計画書の枚数を増やしている大学院もあります)。研究計画書の内容や書き方について,相談できる人がいるのであれば相談しておくことをオススメします。

面接がZoomなど遠隔で行われることになっても,特別に対応を変える必要はありません。ただし,手持ち資料がある場合,目線には気をつけましょう。通常の面接だと試験官に対面するので,下を向いたりあらぬ方向に視線がいくことはありません。しかし,パソコンを通してだと,つい手持ち資料に目を落としがちになってしまいます。そうならないように気をつけましょう。

また,直接会っての面接が少なくなることで受験の機会がかえって増えます。しっかりとした研究計画書さえ作成できればいいので,受験校は安全をみて多めにしておきましょう。


(執筆者紹介)
小林 幹雄
河合塾KALS大学院入試対策講座「税法」担当講師
東北大学経済学部卒業後,国税庁に入庁。国税庁および国税局で租税法に関する実務を経験し,2007年より拓殖大学商学部(大学院商学研究科)で租税法担当教授を務めた。修士論文の指導も担当し,修了生は70人近くにのぼる。

河合塾KALSとは
河合塾グループ「㈱KEIアドバンス」が主宰する大学生・社会人を主対象とした進学予備校。大学院入試や大学編入・医学部学士編入などの入試対策講座を中心に,キャリア実現に向けた幅広いサポート・サービス提供を行っている。大学院入試対策では,心理系や国内MBA・社会科学系の講座を開講。なかでも,税理士「税法」科目免除大学院には毎年100人以上の合格者を輩出している。
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