税理士試験 合格者が語るラスト1ヵ月の過ごし方


本記事は,会計人コース2019年8月号「ラスト1ヵ月の準備がカギ! 試験開始までの過ごし方」を編集部で再構成したものです。

こんにちは。静岡県三島市の税理士,松井元です。今年の税理士試験まで残り1ヵ月を切り,受験生の方々のプレッシャーは相当のものだと思います。本試験までの残りの期間をどのように過ごすかはとても重要です。ここでは,私自身の受験時代の経験から,本試験前の勉強方法や心構えについてお話しさせていただきます。

CONTENTS
1ヵ月前からの勉強対策
勉強以外の準備
今年受験する方へのメッセージ


1ヵ月前からの勉強対策

この時期は,予備校(専門学校)で与えられる教材の大部分は学習し終えている時期。そのうえで,本試験1ヵ月前からの学習のポイントをお話しします。

① 手元にある教材で総復習

これまでの予備校の勉強内容を総復習していました。主に使った教材は,①テキスト,②問題集,③答案練習(以下,答練と呼びます)の3つです。

個別問題対策は問題集を解き直すことによって行い,総合問題対策は答練を解き直すことによって行いました。

この時期に新しい教材を購入するなどしてやることを増やしてはいけません。本試験が近づくにつれて,徐々にやることを減らしていかなければならない時期なのです。すでにある教材を使うようにしましょう。

残り2週間は,本試験の前日まで毎日何を勉強するか具体的に決めて計画表を作り,潰していくようにしました。「答練の解き直しはどの回をやるか」「個別問題はどの問題集の,どの問題を解くか」計画して一つひとつ消化していきました。なお,前日の答案練習の解き直しは,よいイメージを持って本試験に臨めるようにするために簡単な回の問題にしました。


② 基礎を疎かにしない

税理士試験は正当率の高い問題に高い配点が振られると考えられます。ひと通り学習を終えた直前期だと,どうしても難しい問題を解くことに意識が行きがちですが基礎を疎かにしてはいけません。簡単な問題を早く解いて難しい問題に時間をかけようと考えがちですが,簡単な問題ほど慎重に解く意識を持ちましょう。本試験で簡単な問題を間違えてしまうとダメージが大きいからです。

私は簿記論を2回受験していますが,2年目は力がついているので,ついつい難しい問題に力を入れたくなりました。しかし,1年目に本試験で基礎的な問題で失点してしまった経験があったので,基礎を大事にするように! 自分自身に働きかけていました。


③ 本試験に近い練習

答練の解き直しをする際には,本試験を意識するようにしました。電卓,シャープペン,ストップウォッチ,時計など本試験で使うものをすべて準備し机の上での配置も決めておきました

時間はストップウォッチで計るようにし,補助的な意味で時計も見れるようにしておきました。そして,本試験でも同じようにしました。

答練の問題を解く際の順番や時間配分も試行錯誤の末に決めており,最後の1ヵ月はひたすらその通りに解く練習をしました。簿記論のときは,まず第三問から解き,時間も60分きっちりで切り上げて第一問,第二問に行くようにし,本試験でも同じようにしました。本試験では普段とは違うことはできません。逆にいえば練習の段階で自分の型を決めておき,本試験でも同じようにしたほうがよいということです。この時期はもう自分の型を決めて変更しないようにしましょう。

また,私は予備校の講義は通信講座で受けていたのですが,直前期からは答練だけは予備校の東京の校舎まで通って教室で受験するようにしていました。本試験では,当然周りに人がいるので近い環境の方がよいと考えたからです。最後の1ヵ月は,週末は毎週教室で受講していたと記憶しています。東京まで行く交通費はかかりましたが,場慣れすることができたのでそれだけのことをした甲斐があったと思っています。


④ 初見の問題にも触れる

答練の解き直しも大事ですが,初見の問題に触れる機会を残しておくことも大事です。なぜなら,本試験は当然初見の問題を解くことになるからです。私はTACのファイナルチェックという模試を受けるようにしました。


⑤ ケアレスミスをなくす

得点できる問題が限られている本試験では,解ける問題をケアレスミスで落としてしまうと大変な痛手になってしまいます。ケアレスミス対策を最後まで怠らないようにしましょう。私はExcel でケアレスミスシートを作りミスの内容を記録して,見直すことでミスを減らしていきました。直前の 1ヵ月は特にケアレスミスを意識し,毎日ケアレスミスシートを見直していました。


他にも,机の上にも注意喚起を書いた紙を置いておき,常に見えるようにしておきました(落書きもありますが笑)。


⑥ しっかり息抜きも

時期的に,丸一日勉強を休むということは難しいですが,短時間の休憩なら全然問題ありません。私の場合,勉強し疲れたら10~15分程度YouTubeで動画を眺めてから続きをやるようにしていましたが,これがちょうどよい息抜きになっていました。

また,生活リズムを正しくすることも大事です。生活が不規則になってしまっている人は,本試験に向けて朝方に直すようにしましょう。


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