つぶ問11-4(簿記論)―企業結合、事業分離


【解答】(金額の単位:千円)

(問1)C社の個別上の処理

(問2)K社の個別上の処理

(+α)連結修正仕訳


【解説】(金額の単位:千円)

 吸収分割によって分離先企業(K社)が分離元企業(C社)の子会社になるケースの会計処理について問う問題です。C社にとっては投資の継続に該当するため、吸収分割から損益を認識しない点、そしてK社にとっては逆取得に該当する(対価を支払ったにも関わらず、自らが他企業に支配されてしまう)ことから、移転された事業の諸資産については、分離先企業の個別財務諸表上、適正な帳簿価額によって受け入れる点が、ポイントです。

 本問は、個別上の処理のあとに必要となる、連結財務諸表の処理を解説するために出題しました(本試の財務諸表論で逆取得を扱いましたが、事業分離とセットにした論点は扱えていませんでした)。そこで、以下では(+α)を通じて、吸収分割後の連結修正の解説を行います。連結財務諸表の修正にあたっては、次のステップで処理を進めていきます。

①K社の諸資産の時価評価と資本連結

 連結財務諸表では、C社によるK社の取得の処理、すなわちパーチェス法を実施することになります。連結財務諸表の作成手続の流れに併せて、まずはK社(子会社)が分割前に保有していた諸資産の時価評価と資本連結を行います。

・諸資産の時価評価と資本連結

 貸方の子会社株式の金額は、C社がK社に対する80%の持分を取得するために必要であった取得原価であり、会社分割前のK社の発行済株式時価総額200×0.8=160と計算されます(K社の株式80%の取得に要した金額)。非支配株主持分は、資本金および評価差額の合計額に、非支配株主持分比率20%を乗じて計算します。

②C社が移転した事業に係る資本連結

 C社より移転されたc2事業によって、K社の諸資産=資本も増加しています。すると、この増加部分についても資本連結の手順を踏まなければなりません。すなわち、80%分はC社が保有する子会社株式と相殺し、20%分非支配株主持分へと振り替えることとなります。ただし、注意しなければならないのは、移転されたc2事業については、吸収分割の前後で、変わらずC社によって支配され続けていることになりますので、これを時価評価したりのれんを認識する(=パーチェス法によって処理する)のは、妥当ではないという点です。

 そこで、移転したc2事業に係る適正な帳簿価額による株主資本相当額400の20%にあたる80を非支配株主持分に振り替えるとともに、80%にあたる320については、子会社株式の計上額400のうち、①の仕訳で用いた160を除いた、残額の240と相殺消去します。このとき生じる差額はのれんとはせず、資本剰余金として処理することとされています。

・c2事業に係る資本連結

 解答の仕訳は、上記2つの仕訳を合算したものです。

つぶ問は、2018年9月号~2019年8月号までの連載「独学合格プロジェクト 簿記論・財務諸表論」(中村英敏・中央大学准教授/小阪敬志・日本大学准教授)に連動した問題です。つぶ問の出題に関係するバックナンバーはこちらから購入することができます。


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