大学院体験記(通学編) ―切磋琢磨して成長を実感する


7.実際大学院に通ってみた感想

大学院で学問として税法を学び,税法の解釈や適用の原則的な方法と例外が認められる場合とを知ることで,普段実務で直面する難題に対処する術を手に入れられました。通達や解説書に頼りきった仕事の仕方から,法律に従って未熟なりにも自分としての正当な答えを導きながら仕事ができるようになってきたと思います。

また,大学院に行かなければ一生出会うことのなかった方々と机を並べて学び,意見を交わせたことは大きな刺激となりました。特に私はMBAコースの講義も履修していたため,大企業の幹部などいわゆるビジネスエリートの方々と一緒に学ぶことができました。この経験は税理士事務所でしか働いたことがなく,狭い業界で井の中にいた私に大海の広さを教えてくれるとともに仕事に対する考え方を深く内省する良いきっかけになりました。

8.大学院修了後の現在の目標

税理士試験を受験していた頃は,「勉強=税理士試験」でした。そのため,興味のある学問分野を見つけても,まずは税金に関する勉強を優先しなくてはならず,私は税金の世界に長年とらわれて視野の狭くなった「税金マニア」でした。

大学院を修了し,税理士試験から解放され,自由を手に入れた私の現在の目標は,ずばり「税金マニア」からの卒業です。

そこで私は,まず哲学を通して人としての様々な考え方,生き方を学び,その中で自分の確固たるぶれない信念を築くことから始めました。この先,税理士として経営者の方々と向き合い,頼られる存在となるためには知識より先に身につけるべきものであると思ったからです。その上で,大学院で学んだ経営学の知識を深め,お客様の成長に積極的な貢献ができる税理士を目指しています。

まだ税理士としてのスタートラインに立ったばかりですが,スタートラインに立てたからこそ自分の目標(ゴール)に向けて走り出せることにワクワクしています。

本稿は、『会計人コース』2019年10月号の要約版です。実際に受験を検討される場合、詳細はバックナンバーをぜひご覧ください。より有益、かつ詳細な解説がされています。


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