大学院体験記(通学編) ―切磋琢磨して成長を実感する


4.大学院生活について

① 講義スケジュール
講義は原則として,毎週土日9時20分から16時40分の講義と2週間に1度平日の18時20分から21時45分のゼミがありました。
もちろん春,夏,冬休みはありましたが,休みの期間は論文の執筆や休み明けの講義の予習などに充てていましたので,入学から修了までの2年間はゆっくり休む期間はほとんどありませんでした。

② 講義の様子
私が通った大学院の標準的な講義は週末2回,つまり4日間で1つの科目が完結していました。そして特徴としてはケース(事例)をもとにしたディスカッションをメインとして講義が進められる点が挙げられます。
そのため,とても活気があり刺激的なのですが,十分な予習をして講義に臨まなければディスカッションの輪に加わることができません。
前述したように,評価は相対評価でディスカッションに加わることができなければ相当程度の確率で単位を落としてしまうため必死で予習をしていました。

 つらい時期はありましたが,それでも踏みとどまれたのは自分が成長しているという実感があったのと家族の応援があったからだと思います。肉体的にはとてもつらかったですが,精神的には充足感のようなものがありました。
おかげで私が大学院で過ごした2年間は人生の中で最も頑張ったと誇れる2年間となりました。

5.仕事・家庭との両立について

仕事との両立は本当に苦労しました。大学院は土日と隔週1度の平日夜だけでしたので通学はそれほど問題なかったのですが,講義の予習とレポート,修士論文を書く時間を捻出するのに苦労しました。
大学院へ通う前後で仕事量は変わりませんでしたので,いかに効率よく仕事を終わらせて,いかに短い時間で効率よく睡眠するかを追求していました。そして,何よりもありがたいことに私には信頼できる優秀な部下と同僚がいてくれました。
2年間無事に大学院と仕事が両立できたのは私一人の努力より,部下と同僚の支えによるところが大きかったと思います。

家庭との両立は申し訳ないと思っていますが,ほとんどできませんでした。大学院という多大な時間を費やす選択をした時点で代わりに何かを犠牲にせざるを得なくなります。
その犠牲は家族となるケースは多いと思いますので,家族の理解と支え,そして家族への感謝の気持ちは大切にしてください。

6.修士論文について

入学してから1年くらいかけて論文指導教授と話し合いながら修士論文の研究テーマを絞ります。修士論文執筆にあたってはこの研究テーマの選定が最も重要だと思います。

また、論文執筆は長丁場であり私が通っていた大学院ではA4用紙40ページ以上の分量が推奨されていましたので,長期にわたるモチベーションの維持が必要となります。ちなみに私は組織再編成に係る行為計算否認規定を研究テーマとしましたが,当時私が携わっていた仕事に直結する内容であったため最後まで興味が薄れることなく執筆を続けられました。

研究テーマと目次が決まればあとはひたすら参考文献を読み込みながら書き進めるだけです。実際に執筆していた期間は7ヵ月くらいだったと思います。参考文献として書籍は20冊以上購入し,インターネットで公開されている論文をダウンロードし,国会図書館等に足を運んで関連する文献のコピーを集めました。最終的に参考文献は段ボール箱2箱分くらいになりました。

最後の難関として修士論文審査会があり,教授と聴講生を前に講堂で研究成果をプレゼンしたのですが,あの痺れるような緊張感は人生においてなかなか経験できるものではなく貴重な経験となりました。


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