リベンジを目指す!税理士試験リスタートガイド


諸角崇順(かえるの簿記論・財務諸表論代表)

【編集部より】
早いもので8月も後半。本年度の税理士試験も終わり、束の間の夏休みを過ごす人も多いのではないでしょうか。11月の合格発表までソワソワする毎日が続きますが、次に向けて早くもスタートを切っている人もいるかもしれません。
そこで、今回はアツい夏も終わり、そろそろ勉強を再スタートしよう!という税理士受験生に向けて、諸角先生にアドバイスをいただきました。よいスタートダッシュが切れるように、ぜひ参考にしてください!

◆初受験編はこちら:「これから始める税理士試験スタートガイド~簿記論の正しい勉強方法

リベンジモードの受験生へ

いきなり厳しいことを書きますが、この時期にリベンジモードになっているということは、本試験の感触(自己採点)がかなり厳しいものだった、ということだと思います。ということは、今年の受験において

① 勉強時間が足りていない。

② 勉強方法がまちがっていた。

このいずれか(もしくはその両方)に原因があると思われるので、来年、絶対にリベンジを果たしたいのであれば、この原因を確実に解消する必要があります。

①勉強時間が足りていない

資格学校は申込みにつなげるため合格に必要な勉強時間を少なめに記載することが多いのですが、長年の受験指導からの感覚で言うと合格するためには下記の勉強時間は必要になるかと思います。
さて、今年どれだけ勉強しましたか?

科 目合格標準時間
簿記論1,000時間
財務諸表論1,000時間
法人税法2,000時間
所得税法2,000時間
相続税法1,800時間
消費税法1,500時間
酒税法800時間
事業税1,000時間
住民税1,000時間
固定資産税1,200時間
国税徴収法1,200時間

そして、この合格標準時間について多くのリベンジ受験生が誤解されるのですが、単純に合格標準時間から1年目の勉強時間を差し引いて2年目の必要勉強時間を求めるのはまちがいです。

(例)財務諸表論、1年目の勉強時間600時間
まちがい⇒合格標準時間1,000-1年目の勉強時間600=2年目の必要勉強時間400時間
正解⇒合格標準時間1,000-1年目の勉強時間に本試験からのブランク月数を加味した時間(※)=2年目の必要勉強時間700時間
※合格発表後(本試験から3ヵ月後)に再スタートをした場合:1年目の勉強時間600×0.5=300時間

8月の本試験日から再スタートを切った日までの月数1年目の勉強時間に掛ける係数
1ヵ月0.9
2ヵ月0.75
3ヵ月0.5

みなさんも実際に経験されたことがあると思います。前日の晩に覚えた理論、朝起きたら半分忘れてるやん・・・、というヤツです。本試験の翌日から再スタートを切る人はほとんどいません。やはり最低でも数日は勉強から離れリフレッシュしたいからです。

ただ、その間に記憶はドンドン忘却の彼方へ去っていっています。にもかかわらず、勉強時間だけは記憶の忘却を無視して単純合計しようとする。これでは、合格まで数年かかってしまいます。

2回目のチャレンジで必ずリベンジ合格するためには、記憶の忘却の分をきちんと考慮に入れて勉強時間を計算しましょう。なので、11月末の合格発表まで記憶のメインテナンスをサボっていたら、実は1年目よりも多くの勉強時間を投下しないと合格ラインに達しないことになります。

そして、なんやかんや言っておそらく合格発表までは本気で勉強できないと思います。やっぱり頭の片隅に「あわよくば受かってたりして」という感情があるからです。受かってたら今のこの勉強ムダやん、という気持ちではやはりなかなか知識は身につかない。

ということで、仮に8月から再スタートを切っていたとしても、やはり1年目の勉強時間は控えめに見積もるようにしておきましょう。

※もし、上記の表に記載されている勉強時間以上に勉強したのに合格できそうにないならば、原因は②の方だと思います。

②勉強方法がまちがっていた

合格に必要な勉強時間が足りていたのにボーダーにはるかに及ばなかった方は、おそらく勉強方法がまちがっていると思われます。なのに、1年目と同じ方法で勉強しても来年リベンジを果たせる可能性は限りなく低くなります。

そこで、X(旧Twitter)などのSNSで短期一発合格された方で自分と属性(フルタイム社会人、主婦・主夫、大学生など)の近い方の勉強方法を最低でも1週間マネしてみてください。もし合わなければ、次の合格者の勉強方法を1週間マネをする。自分に合った勉強方法が見つかるまでその繰り返しです。

【勉強方法の選択例】
朝型 or 夜型
 ⇒ 朝が人より弱いのに朝型にこだわっていなかったか?
 ⇒ 仕事で疲れるのが分かっているのに、朝に勉強せず帰宅後に勉強してなかったか?

15分勉強して5分休憩 or 30分勉強して10分休憩 or 60分勉強して15分休憩
 ⇒ 自分の集中力が何分持続するのかを知っておくことはとても重要です。

(暗記は)音読 or 黙読 or 書いて覚える
 ⇒ 音読が恥ずかしいからと黙読にこだわったりしていませんか?
 ⇒ 漢字に自信がないなら必ず一度は書いて確認するか、講師の添削を受けましょう。

自宅 or 自習室
 ⇒ 人目があると気になる、人目がないとサボってしまう、あなたはどっち?

一人 or 友だちと
 ⇒ 友だちと一緒だとついおしゃべりしてしまう?
 ⇒ 教え合いをすることで知識の定着が図れることを知ってる?

様々なパターンを探し、自分に合った勉強方法を見つけてくださいね!

<参考①>クセの強い字

税理士試験では明確にコメントされていませんが、全経簿記や公認会計士試験では採点者から「クセ字は採点除外とする」旨が明らかにされています。

提出したテストの添削で「クセ字を直しましょう!」と指摘された場合は、徹底的に意識改革をしてクセ字を直すようにしてください(1週間や1ヵ月で直るものではありません)。

<参考②>財務諸表論の合格率が異常に高い回に財務諸表論のみ合格した方へ

財務諸表論は合格率のアップダウンが激しいため(第73回28.1%、第74回8.0%、第75回31.9%)、合格率が高かった回に財務諸表論のみ合格された方が、その後の簿記論や税法科目になかなか受からず受験期間が長期化する傾向があります。

財務諸表論の合格率が高い回に受かってしまうと「私の勉強方法は正しかった! 私の勉強時間は充分だった!」と勘違いしてしまい、簿記論や税法科目になかなか合格できません。財務諸表論合格の価値が下がるわけではありませんが、この楽観的な思考が最終ゴールである「税理士になる」ことを長期化させる可能性があることは絶対に知っておいてください。

特に科目の相互関連性が強い簿記論では、この傾向が顕著です。

【著者プロフィール】

諸角崇順(もろずみたかのぶ)

同志社大学法学部3回生の9月から税理士試験の学習を始め、簿記論及び財務諸表論に一発合格(法人税法も一発合格)。
法人税法の受験後、大手資格学校にて講師デビュー(財務諸表論)。8年目より法人税法の講師も兼任(通算17年間在籍)。
大手資格学校退職後、佐賀県唐津市に移住し、個人運営の資格学校を立ち上げる(後に法人化 学校名「かえるの簿記論・財務諸表論」)。立ち上げ後6年が経過し、ついにお申し込みをお断りしなければならないほど受講生数となる(通算の講師歴は29年、指導させていただいた受講生は3,000人以上)
<旧ホームページ>https://peraichi.com/landing_pages/view/sakura-saku
<新ホームページ>https://www.sakurasaku-manabi.com

諸角先生の著書はコチラ


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