
Yamamoto.R(21才)
<受験情報>
職業:立命館大学経営学部 3回生
学習スタイル:予備校(資格の大原)
▶トップの画像は勉強していた教材(本人提供)
ホームステイ先のホストマザーが公認会計士
高校1〜2年生の時、カナダへ約10ヶ月間の留学を経験しました。思い返すとこの留学が公認会計士を目指すきっかけでした。
現地の高校では、Financial Accounting Fundamentalsという大学進学準備向けの会計の授業を履修することに。この時初めて、「簿記」という言葉やその内容を学びました。そして母語ではない英語を用いて、専門的な会計用語や計算問題を1つずつ翻訳することで必死に理解して解くという、その過程は大変ながらも新鮮で刺激的な経験をしました。
さらに、ステイ先のホストマザーは実際に企業内会計士として活躍していたのです。彼女は、会計士の中でも管理職であるマネージャーとして1人のお子さんを育てながらも自宅勤務をし、電話で的確な指示を同僚に出し緊急時も素早く対応していて、当時の私にはかっこいい女性に映りました。
帰国後も印象に残る大切な言葉
「仕訳を1つずつ切って記していく基礎的なjournal entryは、実際に私の仕事の実務上でやっていることに繋がっているよ」
ある日ふと私がステイ先で会計の授業の宿題をしているときに話してくれた、ホストマザーの言葉です。この言葉は今の自分にも強く印象に残っていて、私が日本に帰国後自分の進路の決定に悩む中で、公認会計士を目指す大きなきっかけになりました。
具体的には、会計士試験の勉強やさらにはその合格後も監査業務に従事することで身につけた知識や経験が、直接日々の仕事の実務面で活かせて、常に学ばなければならないことがあって自分の可能性を広げられる会計士に魅力を感じました。
「縁の下の力持ち」を目指して
また、日本や世界に所在する数々の大小様々な企業の発展を、経営面からではなく企業が作成する財務諸表の表示の適切性や信頼性の保証という面から支えていくという、縁の下の力持ちの存在になりたいと考えるようになり、ホストマザーの背中を追いかけるようになりました。
合格までの道のりと学習法
簿記3級合格から会計士試験合格まで
私は、大学1年生の春から簿記の勉強を開始し、大学の正課の授業において簿記3級と2級に順に合格し、その後の大学1回生の12月頃から、公認会計士試験の勉強を始めました。そして2回生の12月の短答式試験を受験して合格し、3回生の8月の論文式試験を受験し合格しました。
苦手論点や嫌いな科目こそ時間をかけて理屈で理解
私の学習法は、予備校の自習室と質問対応を積極的に用いて苦手な論点や嫌いな科目もじっくりと時間をかけて正しく理屈で理解して克服し、ひたすら問題集や演習の問題を根気強く解くという方法でした。
学習計画の立て方は、1日のやるべきことを、裏紙などに書きだして終わったら消していくという方法をとっていました。また、朝自習室に着いた直後と昼食後は、財務会計や管理会計の計算に取り組んで、眠気対策をしていました。
具体的な学習法:入門期~短答式
会計士試験の勉強を開始した入門期の当初は、予備校の講義中は必死に自分でメモを取っていました。講義を受けた当日中または翌日までに、その範囲の問題集や肢別チェックなどを解き終われるように、講義後の帰宅の電車内で自分のメモを書き込んだテキスト範囲を見直すことを心がけて日課にしていました。
大学2回生の夏頃からは、毎日予備校の自習室に朝から通うことを習慣にしました。講義が一巡し終える前頃の大学の夏休み期間は、まずは計算も理論も、問題集や肢別チェックを数周こなしていました。その後、本試験の過去問や予備校の過年度の演習教材を印刷して、自分の実力を試すとともに本番の感覚に慣れる対策をしていました。
そして短答式の直前期は、計算については速く正確に解く練習に重ねて、問題を見てどんな論点があるのかや、注意すべき詳細な部分は何かを押さえられるようにテキストを再度確認していました。理論については直前期の前から、テキストの読み込みを何度も繰り返し、理屈で理解することを心がけて、どんな問われ方にも答えられるように対策しました。
具体的な学習法:短答式試験後~論文式
論文式の勉強の進め方については、短答式試験後12月頃から始まり、理論部分は対策問題集で典型的な言い回しを自分の言葉で言える・書けるようにまずは暗記することから始めました。
個人的には一言一句文章の塊を覚えることが苦手でした。知っている論点だと自分の言葉である程度書けるけれど、一方で知らない論点だとどの科目も問題の論点から外れた内容を書いてしまうことも多く、もどかしくて歯がゆい論文の勉強は、ずっとしんどくて辛いものでした。
しかし、まずは大半の受験生が得点するであろう典型論点を優先的に勉強することにしました。そしてより細部の出題が考えられる論点は、本試験の2、3ヶ月前からテキストと基準集を同時に参照しながらカバーしたり、一度解いた答練の演習を再度復習したり、過年度の答練の演習は一度実力試しだと思って本番の気持ちで解いてみたりと、受験生としてできる限りの工夫をしました。
勉強スタイルを変えることでモチベーションを維持
朝型の勉強をルーティーン化
朝早くから予備校の自習室に通う「朝型の勉強スタイル」を、この約1~2年間の生活でのルーティーンとし、モチベーションを維持するよう意識していました。そうすることで、予備校での勉強時間と自宅での自分のリラックス時間とのメリハリがつけられます。
会計士試験の勉強を始めたばかりの当初は、少しでも周囲の受験生よりも長く勉強時間を確保して差をつけようと、自習室に夜遅くまで残るようにしていました。しかし、家と予備校の距離が遠く離れている分帰宅時間が遅くなり、翌朝のコンディションに大きく影響を及ぼしていました。
この「朝型の勉強スタイル」に切り替えて、苦手だった朝の早起きを家族のサポートを受けながらも克服して、朝7時過ぎに予備校に着き、1日の終わらせるべき勉強量にこれまでの熱量以上で取り掛かれるようルーティーン化しました。
弱い自分に克つことをモチベーションに
もちろん、短答式の勉強でも論文式の勉強でも、周囲の受験生との答練や演習での点数を比較して、一喜一憂をしたこともあります。上手くいかない勉強を、やめたいと思う時期もたびたびありました。
そのようなときは、「どの受験生よりも、対策できると考えられることは全て必ずやり遂げて、万全の体制で本試験に挑もう」と自分を鼓舞して前を向くようにしていました。さらに私は、この会計士試験の勉強を大学の講義よりも優先して試験勉強のほぼ一本に専念していた状態だったので、「絶対にこの専念している期間を後々後悔したり無駄にしないために一発で合格する」という強い信念を持ちました。自分の嫌いな弱い私と向き合うことで、モチベーションを維持していました。
受験生へのエール
現在公認会計士の試験の勉強に取り組んでいる皆さんや、公認会計士の試験の勉強を始めようと考えている皆さん。この資格試験の勉強には当然、誰でも一度は1人悩み、心が折れそうな辛い思いをしたり諦めようと感じたりする場面があると思います。
そんなときは、ぜひ、勉強方法には間違いや正解はないということと、実際にそれをやってみないとわからないということを意識してみてください。沢山の思いつく勉強方法を、原始的であっても躊躇なく試してみて、時間がかかってでも本番の日には「自分は受験生として、できる限りの準備をしてきた」と心の底から言えることを想像しながら、これからも頑張ってください!
応援しています。
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