わたしの独立開業日誌 #社労士 佐野麻衣子
- 2026/6/25
- 独立開業日誌

はじめに
はじめまして。茨城県つくば市で、なのはな社会保険労務士事務所を開業しております、佐野麻衣子と申します。
大学卒業後は営業事務、経理、人事総務など、企業のバックオフィス業務に携わってきました。その後、不妊治療や子育てを経験し、しばらく専業主婦として過ごしました。仕事復帰後に転職した社労士事務所でこの資格と出会いました。
当時の私は独立を目指していたわけではありません。ただ、「勤務先の事務所の役に立てる人になりたい」。その思いから社労士試験に挑戦しました。2020年に合格し、翌年には勤務を続けながら開業登録をしました。

小さく開業
開業当初、悩んだのは、「どうやって社労士としての自分(事務所)を知ってもらうか」でした。勤務を続けながらの開業だったため、自分の名前で活動した経験はほとんどありませんでした。
情報収集のため、本を読んだり、開業セミナーに参加したりしながら、できることから少しずつ準備を進めました。大きな投資はせず、自宅の一室で、PCと携帯電話を準備し、名刺やプロフィール写真、ホームページを整えるところからスタートしました。
最初の仕事のきっかけは、夫が自身のSNSで「妻が社労士として開業しました」とホームページを紹介してくれたことでした。それを見た夫の知人の経営者から相談をいただき、そこから少しずつ仕事が広がっていきました。
また、開業後に参加した創業スクールでは、税理士の先生と知り合いました。事務所の会計や税務について相談できる存在がいることは、今でも心強く感じています。「知ってもらうことの大切さ」と同時に、「相談できる専門家とのつながりの大切さ」も実感しました。
仲間との出会い
開業塾に参加したことをきっかけに、同じように資格を活かそうとしている仲間や、すでに活躍されている先生方とのつながりができました。
その後、社労士コミュニティ「開業ダッシュの会@オンライン」の企画運営事務局を務めるようになりました。
当時の私は、「自分の強みは何だろう」「専門分野を持った方がいいのだろうか」と自問自答することがよくありました。しかし、事務局としてさまざまな立場の方々と関わる中で、働き方や資格の活かし方に正解はなく、人それぞれ違って当たり前なのだと思えるようになりました。
今でも迷うことはありますが、分からないことや心の揺れを相談できる仲間が全国にいることは、大きな支えです。
想像していなかった仕事との出会い
開業から1年後、当時住んでいた東京都町田市から茨城県つくば市へ移住することになりました。事務所も移転し、それまでとは違う環境で、あらためて地域とのつながりを築いていくことになりました。
県会や支部の事業者支援や相談業務に関わる中で、経営者の方々と接する機会に恵まれました。その活動を通じて、茨城に移住しなければ出会うことのなかった農業分野の仕事にも関わるようになりました。
受験勉強をしていた頃は、農業の適用除外や暫定任意適用といった論点を、どこか遠い世界の話のように感じていました。しかし、実際の相談現場では、そうした知識が役立つ場面も少なくありません。
試験勉強で学んだことが、思いがけない形で今の仕事につながっています。

自分らしい働き方
実務経験を重ねる中で、コーチングも本格的に学ぶようになりました。思うようにいかないことや迷うことがあっても、自分の考えや気持ちを整理しながら、仕事を進められるようになりました。現在はコーチとしても活動しており、その学びは顧問先との面談や研修の場面でも活かされています。
私は、法律や制度を土台としながら、働く人が安心して力を発揮できる環境づくりを支援したいと考えています。そのために、相手の話を丁寧に聴きながら、目指したい姿や課題を整理し、その実現に向けた道筋をともに考えることを大切にしています。こうした関わり方が、私らしい仕事のスタイルになっています。
また、社労士として活動する中で、自分自身の働き方も少しずつ変わりました。以前はすべて一人でやろうとして疲弊することもありました。しかし、家族との時間も大切にしながら長く仕事を続けていくためには、一人で頑張り続けるだけでは限界があることにも気づきました。今では、信頼できる社労士仲間や相談できる先輩の力を借りながら仕事を進めています。人を頼ることも、自分自身の成長の一つだと感じています。
合格のその先へ
私自身、試験勉強中は、その先にどんな仕事や出会いが待っているのか想像もしていませんでした。
それでも、社労士資格を取得したことで、多くの出会いや経験に恵まれました。社労士は、人や組織の成長に関わりながら、自分自身も成長させてもらえる仕事だと感じています。
また、働くことや暮らしに深く関わる仕事だからこそ、これまでの経験や人生そのものが活きることもあります。
社労士会の社会貢献事業である出前授業では、自分の子どもと同世代の高校生に「働くこと」を伝える活動もさせていただいています。これまでの仕事の経験だけでなく、悩みながら向き合ってきた子育ての日々も、今の活動を支えてくれているように思います。
もし今、合格後の姿が具体的に見えていなくても大丈夫です。まずは目の前の勉強に取り組んでみてください。
その先には、きっとあなただけの景色が待っています。
皆さんのこれからを応援しています。

【プロフィール】
佐野 麻衣子(さの まいこ)
なのはな社会保険労務士事務所 代表
法政大学卒業後、専門商社で営業事務、アパレル関連企業で経理、出版社で総務・人事業務に従事。専業主婦を経て、社労士事務所に在職中の2020年社会保険労務士試験合格。2021年東京都町田市にて開業登録、2022年茨城県つくば市へ移住。
現在は農業分野を中心とした労務支援のほか、コミュニケーション等をテーマに企業研修講師としても活動中。社労士コミュニティ「開業ダッシュの会@オンライン」事務局として、全国の社労士の学びと交流の場づくりに携わっている。
事務所ホームページ:https://nanohana-sr.com/
会社ホームページ:https://choucho.co.jp/
著書:『社労士 45歳からの合格・開業のリアル』(中央経済社、共著)
佐野先生の著書(共著)はコチラ












