わたしの独立開業日誌 #会計士・新井良明


【編集部から】
士業の魅力は、独立開業できることにもあります。「将来は独立」を目標に合格を目指している方も多いのではないでしょうか。
そこで、「わたしの独立開業日誌」では、独立した先輩方に事務所開業にまつわるエピソードをリレー形式でお話しいただきます(木曜日の隔週連載)。
登場していただくのは、税理士・会計士をはじめ、業務で連携することの多い士業として司法書士や社労士などの実務家も予定しています。
将来の働き方を考えるヒントがきっと見つかるはずです。

愛知県豊橋市で起業からの士業開業

こんにちは。

公認会計士・税理士の新井良明と申します。

独立しての活動はまだ長くありませんが、これまでの経緯を通じて何か参考になれば嬉しいです。

プロフィール写真

元々起業を夢に持っていたので、会計士試験合格後はTAC公認会計士講座で講師をしつつ、様々な業務を経験していました。

東京都足立区の出身ですが、2016年に高校時代の同級生と会社を設立し、愛知県の豊橋市に引っ越しました。製造業や農産物の生産が盛んな地域である一方、若者人材流出などの地域課題を抱えており、地元の魅力を発信しながら支援活動を行っていました。

その後、2021年に会計士として独立し、今に至ります。

独立当初はほぼリモート

独立当初、すぐには東京に戻らず、一度名古屋に引っ越しました。

独立後の初仕事は、以前勤務していた東京の会計コンサルティング会社のオンライン忘年会に顔を出したのがきっかけでした。バーチャルオフィスを導入している会社だったので、名古屋でも不自由はなく、ほぼリモートで東京の仕事をこなしていました。リモート同士でもリアルタイムで雑談や仕事の相談が出来たので、不慣れな業務でも安心して仕事ができましたし、チームでの仕事もスムーズでした。

仕事として依頼された具体的な業務内容の1つは、事業計画策定です。愛知県での起業の経験も活きますし、株式型クラウドファンディングでの資金調達や資本性ローンなど様々な資金調達の場面において必要とされるので、独立後の業務には合っていると感じました。

現在は、その会計コンサルティング会社に事業計画策定等の相談が来ると、私に紹介して頂けるようになりました。大変ありがたい関係です。

足立区に根差した活動~人と人とのつながりを大切に

コロナ禍がやや落ち着いた段階で、地元である東京都足立区に戻りました。

先輩方からお声がけ頂いた仕事をお手伝いすることが多かったですが、今は私自身が受注する仕事の拡大を目指しています。特に足立区出身として地の利を活かし、地元の中小企業支援や、事業承継、相続案件などにもチャレンジしたいと思っています。

そのためには、人とのつながりを大切にしています。久々に小学校時代のサッカーチームの集まりに顔を出してみたり、サッカー仲間が働いている足立市場で再会ついでに美味しい魚を買いに行ったり、プロレス観戦が趣味なのでプロレス仲間と武藤敬司の引退試合を見に行ったり…。

直接的ではないにせよ、こうしたつながりの中で「実は賃貸物件を持っていて、確定申告をお願いしたい」と相談を受けたり、「今度会社を設立する予定なので手伝って欲しい」と言われたり、「親の後を継いで不動産会社の社長になったのだけど、お客さんの相続の相談に乗って欲しい」と連絡が来たりというように自然と仕事のお話も頂くようになりました。

こうした期待に応えられるようになれば、自ずと軌道に乗ると思いながら仕事をしています。自己研鑽を続けてより高度なサービスが提供出来るように精進します。

独立後の仕事とプライベートの両立

「いざと言う時にはしっかり頑張る」と「肩肘張らずに」の両立を意識しています。

業務の性質上、突発的にクライアントに困り事が発生して相談にくるケースも多いため、日々ある程度の「余力」を持っておかないと、対応したくとも対応出来ない場合があります。

「余力をどこまで持つべきなのか?」というのは試行錯誤中なので難しいとは思っていますが、「いざと言うときに相談したい相手」であるからこそ、自然と声がかかるものだと思うので意識するようにしています。

余力のため!?事務所に置いてあるカホン(左:ペルー発祥の打楽器)と趣味のギター

といいつつも業務量を完全にコントロールするのは難しく、あるとき先輩経由で頂いた仕事において自身のミスでクライアントに迷惑をかけることもありました。その際は仕事を頂いた先輩に事の経緯と現在の状況を即座に共有して謝罪し、自分なりのリカバリープランを共有しました。

「色々な人に迷惑をかけた」とかなり落ち込みましたが、先輩が事態収束に動いてくれて「今後どのように挽回すべきか?」に集中出来たことを感謝しています。自分も見習うべき振る舞いだと思っています(そういった事態がないに越したことはないのですが…)。

これからの目標

私の事務所は、元々祖父と父が2代にわたって卸売りを行っていた場所です(残念ながら、時代の移り変わりと昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で廃業してしまいました)。

がらんと広い事務所
事務所のインテリアに意外に馴染むカホン

建物自体は年季が入っていますが、内装は昨年リフォームしてキレイになりました。親の後を継いで不動産会社の社長になった地元の同級生から、良い内装業者を紹介してもらったお陰です。

ただ、倉庫も兼ねていた場所なのでひとり税理士にしては大変スペースを持て余しています。派手な拡大は望みませんが、もうちょっと事務所が賑わうような規模で事務所を運営するのが目標です。

【執筆者紹介】
新井 良明(あらい よしあき)
公認会計士・税理士
足立区生まれ足立区育ち
2009年会計士試験合格後、TAC公認会計士講座で講師、上場企業経理、会計コンサルティング会社での決算支援等を経て2016年に愛知県の豊橋市でIターン起業。その後2021年に独立して翌年地元足立区に戻って税理士登録。趣味はサッカーとベースギター、そして時々プロレスオタク。
Twitter:https://twitter.com/yoshaking

◆他の「独立開業日誌」はコチラから!


関連記事

ページ上部へ戻る