社労士試験直前期に向けて~にゃんこの社労士講座梅﨑先生からのメッセージ


梅﨑愛利子(株式会社サクラサク にゃんこの社労士講座講師)

はじめに 

みなさんはじめまして。梅﨑です。 

私は合格率5~7%の国家資格・社労士試験と5年間戦ってきました。 
本試験に4回落ち、気がおかしくなりそうでしたが、絶対受かりたい・諦めない気持ちだけでなんとか5回目で合格しました。 

現在は、会社員をしながらサクラサクという資格通信学校で社労士試験講座の講師として働いています。 

社労士試験は8月下旬に実施され、5月からは直前期といわれる時期に入ります。 

一段と気合が入る時期でもありますが、同時に自分の立ち位置が見えず、自分は周りに比べてどうなのだろうと、この勉強法で本当に合格できるのか不安になる時期でもあります。 

体力とメンタルがそぎ落とされる、それが社労士試験です。 

これまで選択式のむごい足切りにフォーカスされることが多かったですが、ここ数年は択一式が難化傾向です。45点取るには相当な勉強量が必要です。ひと昔前までは択一50点超える人も多かった印象ですが、全体の平均点が下がっている=難化している、と言えますのでR8年度の択一合格点は42点でした。それでも合格率は5.5%と低い水準です。

最近まで受験生でしたので受験生の目線に立ち、自分の失敗談・成功談を交えながら直前期の勉強方法や過ごし方をお話ができればと思います。 

(今回の記事で触れること) 
・直前期に私がしたこと 
・模試をどう活用するか 
・今年試験に挑む方へメッセージ 
(選択式対策や直前の過ごし方について)

わたしが直前期にしたこと 

勉強計画を立てる 

1週間、1か月の勉強計画を立てました。 
スマホのカレンダーでも紙でもいいので勉強計画を立てることはおすすめです。 

10科目を10日で組んだり、15日で組んだりしてもいいです。ただ最初から完璧な勉強計画を立てても計画通りにいくことは少ないので、1週間経過してまた計画を練りなおして大丈夫です! 
計画を立てることだけは楽しいので私のスマホのメモ機能は計画表だらけです(笑)。 

直前期はまんべんなく10科目を回し、忘却を阻止してあやふやだった知識を固定化させて、知識を頭の中に詰め込むことが目的です。 
ですので「5日間雇用保険法だけする」というのはおすすめしません。 
人間はどうしても忘れていってしまう生き物なので、このやり方は他の科目を忘れていってしまいます。通常期は1科目に1か月かけても良いですが、直前期は命取りになってしまいます。 

1か月の1週目は労働科目、2週目は社会保険科目というやり方もおすすめです。 
横断整理もこの時期にうってつけです。 
「労災法・健保法」といった似た論点が多い組み合わせで勉強するのも効果があります。 
模試も勉強計画に組み入れましょう。ここの3日間は「模試・模試復習」と模試も勉強計画に含めましょう。 

私も経験がありますが、あれもこれもと詰め込みすぎて計画倒れになりますから、自分がこなせる無理のない勉強計画・勉強方法を試行錯誤してトライしてみましょう。 
やらないことも決めるのも計画のひとつです。 

苦手科目を作らないこと 

苦手科目や苦手論点を作らないことは大事ですが、自分がどうしても覚えられない論点もありますよね。年金科目のマクロ経済スライドと健康保険法の一時帰休は最後まで理解できませんでした(他にもあります)。直前の最終手段は丸暗記で、これで数日間は記憶が持ちます。このまま試験会場にもって行きましょう。私はいろんな科目で苦手論点をそのままにして試験に挑んでいたのが不合格の要因だったかなと今では思います。 

きつくても前を見る(考え込まない) 

直前期はメンタルとの勝負です。 

この勉強法で本当に受かるのか。いつもこの問題間違えるが大丈夫なのか・・・。 

私は明るい性格ですが、「今年も不合格だったらどうしよう」と不安になり、眠れない日も多々ありました。
ただ、いろいろ考えこまず、目の前の問題に集中するのが一番です。 

合格するためには「誰よりも私が一番勉強した」と思い込むことも大事です。私の合言葉は「今日も息を吐くように勉強」でした。 

ほかに、身体のメンテナンスも大切にしました。長時間の勉強で身体が痛くなり、メンタルや気分が落ち込むことも多々ありました。整骨院に通い「どうしたら長時間勉強が苦じゃなくなるか」と先生に相談しました。
先生からは、軽い運動をすすめられたので、ランニングしたり、ヨガに通ったりしました。休日は岩盤浴に行き、テキスト読みをしました。
汗をかくことで心身がリフレッシュするので、私のように身体が痛くなっている人は「軽い運動+勉強」はおすすめです。 

ストレスになるものを遠ざける 

私は極度のスマホ依存症です。 
スマホは勉強時間泥棒。そばに置いているとどうしても見てしまうので、 自宅で勉強するときは隣の部屋に置いたり、図書館やカフェに行ったときは、車の中にスマホを置いたりして、物理的距離を取っていました。 
1日勉強するときは、「昼食時と夕方の家事時間・休憩時間だけみてもいい」とルールを決めていました。 

X(Twitter)は、情報収集のために使っていました。 
もちろんいい投稿もありますが中には見たくもない投稿もあります。 
不安にさせたりイライラするような投稿には、「ミュート機能」を使って避けました。 
普段の人間関係でも、極力自分がストレスと感じするものからは自分から離れるようにしていました。 

仕事や通勤を調整して勉強時間を捻出 

忙しい社会人が勉強時間を確保することは容易ではありません。 
仕事・家事・育児・介護、みなさんそれぞれの環境で日々調整をしていると思います。 
私はフルタイムの仕事と家事だけですが、それでも時間を作るのは大変でした。 

所定時間は8:30~17:30ですが、残業が多く定時に帰れることはほぼありません。20~21時頃まで働いていました。そこで勉強時間を捻出するために、上司と同僚に相談して始業時間30分繰り下げと、定時退社を相談しました。

朝勉時間の確保をし、会社の近くのコワーキングスペースを契約して2時間ほど勉強して出社しました。また、通勤を普通電車から特急電車に変更しました。 
特急電車は机がついているので、問題集を広げても勉強できるし、通勤時間も半分になりました。(特急代月4万出費は痛かったです)。 

すきま時間、ながら時間の活用 

机に向かって勉強する時間が毎日十分確保できるとは限られません。 
「すきま時間を活用しろ」とよく言われますが、私は「社労士 秒トレアプリ」を使っていました。 

このアプリは、問題文が穴食いになっており、4択から語句を選ぶもので、スマホのゲーム感覚でできます。 
10科目あり、課金は必要ですが、1科目300円程度です。 

1問が数秒で解くことができるので「秒トレ」と呼ばれるのですが、優秀なアプリで、10分で50問はできます。毎日ノルマを設定して1日最低50問はしていました。 
日々の生活の中で5~10分すきま時間が生まれることは多々ありますので、おすすめです。 

具体的に私は、「電車の待ち時間」「会社の昼休み」「歯磨き」「料理の煮込み時間」などに解いていました。 
そのほか、車運転時間に講義音声を聞いたり、トイレに白書統計の数字一覧表を貼って眺めたり、風呂で半身浴しながら講義動画を見たりもしていました。 

勉強しない日を作らない 

勉強しない日を作ってしまうと、「この日もいっか・・」「この前頑張ったし・・」とサボり癖がついてしまいます。どんなに仕事が遅くなってしまっても、疲れ果ててもノー勉は避けました。 

過去問を解く元気がなければ、寝る前に10分だけ目的条文を読む、歯磨きしながらスマホで秒トレ問を解く、横になって白書統計テキストを眺めるなど、少しの時間だけでも勉強しました。

きついときこそ「あと10分だけ!」を実行することにより、次回きついときを迎えても乗り越えることができます。 
あとは「自分は疲れていない」と見て見ぬふりすること多かったです(笑)。
ただ、体調不良な場合はしっかり休息しましょう! 

模試をどう活用するか

模試はぜひ受けるべきです。 
可能な方は、会場受験はおすすめです。本試験は午前が1時間20分、午後が3時間30分の長丁場です。会場の雰囲気、解く順番、時間配分、昼休みの過ごし方など感覚をつかむことができます。

特に択一式試験は時間との戦いなので、1科目25分でおさえましょう。
そうすると迷った問題の見直し・マークミスチェックに35分取れます。私は健康保険法から順番に解くと決めているので、最初に表紙に13:20~16:50のタイムスケジュールを各25分で書きます。
昔、最後の科目で時間が足りず失敗したことがある経験からそうしてます。
時間の無さからくる焦りは、集中力の低下にもつながります。 

社労士試験中はトイレに立つことも可能です。
集中力が切れた方は戦略的にトイレに行く方もいます(私は行ったことありません)。

また、昼休みに選択式の答え合わせをするかしないかはいつも議論にあがります。 
模試で体験してみて、どう過ごすか決めたらいいと思います。

私のおすすめの昼休みの過ごし方は労働保険徴収法のテキスト読みです。 

自己採点・復習は、当日か翌日までに行いましょう。
特にテキストに載っている論点を落とした場合は、しっかり復習をしましょう(最初の模試は特に復習に時間がかかるので多少時間かけても大丈夫です)。

マークシートを提出する採点システムを利用すると、数週間後に問題ごとの正答率と得点分布と順位がでます。 
特に正答率が高い問題を自分が落としていないかを確認しましょう。 
正答率が低い問題を偶然正解してもあまり意味がありません。 

過去問出題歴・テキスト掲載の問題を落としていては、本試験で戦えません。 
ここは皆が得点してきます。逆に皆が取れていない問題は落としていいのです。 

大手予備校の模試は難易度にバラつきがあるので、点数への一喜一憂しすぎは禁物です。
私は模試で良い点を取り続けていた4年目は、調子に乗ってピークを本試験に合わせることができず落ちました。
多少の緊張感を持って本試験に最大限の力を発揮できるよう調整しましょう!

ちなみに難易度ですが、大原・TACは本試験レベル、クレアールは普通レベル、LECは基本論点が多いです。クレアールのヤマ当て模試は毎年、無料で提供してくれています。 

今年試験に挑む方へメッセージ 

なかなか勉強が思うように取れていない方も大丈夫です。 
直前期の踏ん張りで挽回できますので、あきらめずに勉強時間を確保して着実に問題を解いていきましょう。 

勉強が追い付いていなくても自信がなくても、試験会場は足を運びましょう。
毎年、申込者の約2割の1万人が試験会場に姿を現さず辞退します。 

模試がD判定だった人が合格する例もあります。私が九州の合格祝賀会を開催したとき、みなさんに質問しました。試験を受けて自信があった人は、16人中誰もいませんでした。
それだけ手ごたえを感じられない試験です。 

挽回のチャンスは誰にでもありますし、一番成績が伸びるのもこの時期です。直前対策は、これまでやってきた勉強の総復習です。 
基本的には、テキスト・過去問(間違えたところ・知識があやふやなところのみ)で、その他はこれまで演習問題・模試の復習、統計白書を広く浅くおさえる、目的条文の暗記、最高裁判例の理解です。正解している問題は解く時間がもったいないですから問題文と解説をさっと読むだけでOKです。 

「選択式対策はどうしたら良いか」については、テキスト読みと白書統計、最高裁判例が優先です。選択式でどこを狙われても解けるように、テキストをえんぴつでなぞりながら読むのは効果があります。ここの条文や語句を抜かれたら・・と自分が出題者になったつもりでテキスト読み・なぞりをしてみましょう。

そこまで時間がないという方は、選択式の過去問だけは目を通しましょう。 
これは、選択式の過去問が形を変えて択一式や選択式で再度出題されることがよくあるからです。
ちなみに私は選択式問題集をほぼ使用していません。私はこの勉強方法で本試験選択式を5回中4回足切りなく突破しました。 

私が講師をしている白書統計対策講座では、鬼門とされる選択式一般常識科目の白書統計にフォーカスして、現在お申込みを受付中です。
テキストと穴埋めのテキスト、3時間の講義を収録しています。出題形式や試験のひっかけ方などを紹介しています。
受験生が苦手とする白書統計問題の1点をもぎり取りましょう! 

↓詳しい講座はこちらから↓ 
https://www.sakurasaku-manabi.com/main/course/sharoshi/index.html

最後に

社労士試験は自分との戦いです。他人と比べることは不要です。 
社労士試験は絶対評価の基準なので、まずは基準点を超えるようにこれまでの知識をつめこみ、本試験でピークを迎えられるように頑張りましょう。 

最後に、体調管理だけは気を付けてくださいね。 
前日の勉強は軽めにして、早くベッドに入るようにおすすめします。 
眠れないときは目をつぶるだけでも体が休んだと認識してくれます(私も眠れず、3時間睡眠での受験でした)。 

皆様の合格を心よりお祈りしております。合格祝賀会でお祝いしましょう! 

【プロフィール】 
梅﨑えり子(うめざき・えりこ)
 
 
佐賀県出身。福岡大学商学部貿易学科を卒業後、大手物流会社に就職し、人事・総務・採用・人材育成の業務に12年従事。現場で働く人のことを第一に考え業務改善に励む。現在は転職し、法人営業の仕事に携わりお客様と関わる。30歳の時に人事専門分野を深めるべく社労士試験勉強を始める。仕事をしながら通信制予備校で勉強し、5回目の第57回目社会保険労務士試験にて合格。 
好きなこと:旅行・シュノーケリング(沖縄が大好き)・バドミントン・猫と遊ぶ。 
保有資格:第一種衛生管理者・運行管理者貨物・日商簿記2級・年金アドバイザー3級など。 


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