【税理士試験】官報合格者6人に聞く!⑥不安の乗り越え方


「いま使っている教材だけで足りるのだろうか…」、「複数科目を受験する予定だけど1科目に絞ったほうがよいだろうか…」、「だんだん緊張してモチベーションに波がある…」
本試験が近づいてくると、このような不安を感じる受験生も増えてくるのではないでしょうか。

この悩みはきっと受験生なら皆が同じように感じているはずです。そこで、官報合格者6人に経験談をお聞きしました。直前期の不安とどう向き合ったのかを知ることで、乗り越えるヒントを探りましょう!

<テーマ紹介>
第1回 ゴールデンウィークの過ごし方
第2回 答練の活かし方
第3回 模試への向き合い方
第4回 計算対策
第5回 理論対策
第6回 不安の乗り越え方(本記事)
第7回 過去問の活かし方(5月10日掲載)

※回答は質問ごとに五十音順・敬称略、年齢や職業は官報合格時

Q いま使っている教材だけで足りるか不安です…。直前期に何か増やしましたか?

No:専門学校の教材だけで精一杯!(竹内孝秀(大学4年))

結論から言うと、教材は増やしませんでした。
正確に言うと、増やす余裕がありませんでした。
私が利用していた資格の大原の教材だけでも膨大な量で、講師が大事と言っていたところを重点的に見ることしかできていませんでした。

時間があれば、テキストに載っているところをより深く読むようにしていました。
加えて受けた答練の復習、振り返り、解き直しなどなど…これが限界です。

他校の答練を受験して分析することも考えましたが、時間的に受けて終わりになることが大いにあると思ったので諦めました。

できるなら、教材を増やすのはありだと思います。
ただ大手予備校に通っているなら、その大手予備校を信じてやり込むことで合格は可能です。

▶︎竹内さん
合格科目:簿記論・財務諸表論・所得税法・法人税法・相続税法
合格体験記:「大学在学中に国税3法で官報合格を達成! 決め手は計算・理論ともに「理解」から攻めたこと

Yes:様々な切り口の出題に取り組めた!(ボザイ(30代、税理士法人勤務))

私の場合は、教材はとにかく色々なものに手を出しました。
どの科目も総合問題集と答練は最低、TAC、大原、ネットスクールのものは解きました。
これらはおすすめの教材です。

色々な教材に手を出すメリットは様々な切り口での出題に慣れることや、学校によって解説が違い、理解が不十分だった論点の答え合わせをし理解を深めることができるところなどです。

デメリットも少しあり、法人税法など範囲が広い科目はある程度論点を絞り込むことも重要ですが、色々な教材に手を出しすぎると、範囲を広げることに目がいってしまい、完璧に仕上げるべき重要論点が完璧に仕上がっていないということになってしまう可能性がある点だと思います。

▶︎ボザイさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・消費税法・法人税法・相続税法
合格インタビュー記事:「ボザイさんに聞く! 税理士試験 簿・財独学から始まった官報合格までの道

Q 複数科目を受験予定ですが、なかなか両立できません…。そろそろ1科目に絞ったほうがいいですか?

他の科目を勉強することが気分転換にもなる!(CR(20代、専念))

複数科目を受験することをお勧めします。

私の場合は1科目を1日中学習しようとすると体力がもちませんでしたが、2科目ないし3科目やっていると1日集中して取り組めました。
科目を変えることが一種の気分転換になったり詰め込みすぎによる混乱を防げたりします。

これも人によりけりだと思いますので、過去を振り返って自分が1つのことに集中力を使うタイプなのか、マルチタスクが向いているタイプなのかなどを勘案して決めてみるといいと思います。

▶︎CRさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・固定資産税・法人税法・国税徴収法
合格体験記:「全科目一発&2年で官報合格! 「科目ごとの勉強アプローチ」がカギ

優先科目を決めつつ、同時並行する!(たこやき(30代、会計事務所勤務))

私も最後の年に1科目受験になるまでは毎年複数科目勉強していました。

税理士試験は長く、またプライベートをある程度は犠牲にしないと短期間で受かることはできないと思います。
長期化するとそれだけやる気が失われていくと私はやっていて思いました。

なので、可能なら2科目頑張ったほうがいいと思います。その分1年間は受験期間が短くなるので。

ただし、最悪なのは共倒れです。
私は共倒れを避ける為に必ず受かりたい科目を決めていました。
とにかくそちら優先でスケジュールを立てていました。

結果、私は1年に1科目ずつしか受かりませんでしたが、逆に受からなかった年はないです。
1科目でも合格科目があると、合否の郵便が届いたときに嬉しいですし、また来年も頑張ろうと思えます。

なので、できれば2科目合格するつもりで取り組んでほしいですが、勉強時間を捻出できるかどうかなども人によって変わってくると思うので、時間が取れない方は優劣をつけて勉強するのがおすすめです。

▶︎たこやきさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・消費税法・相続税法・法人税法
合格体験記:「「本命科目」と「もう1科目」の同時学習がカギ! 働きながら6年で官報合格!

複数科目の学習はメリットだらけ!(もち(40代、税理士法人勤務))

結論から申しますと、このまま複数科目の学習をしていた方がよいです。
複数科目を学習することには、以下のメリットがあるからです。

・所得税法と住民税のように理論・計算に共通する部分がある科目の学習をしている場合は、片方の科目の知識をもう片方の科目の学習に利用できるので効率がよい。
・あまり関連性のない科目の場合、片方の科目の学習の進捗がイマイチな時には、もう片方の科目の学習をすることによって、気分転換ができる。
・複数科目に合格すれば1科目合格よりも、税理士試験合格に近づける。
・複数科目を受験すれば、どれか1科目ぐらいは合格できるのでは、という気持ちになれるので、精神的に安心できる。

ちなみに、私は4科目合格後も、毎年2科目を受験していました。

▶︎もちさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・消費税法・所得税法・相続税法
合格体験記:「13年かけて掴んだ5科目合格! すべて独学だからこそ、実務に役立つノウハウを得た‼

Q 不安や緊張でやる気が出ません…。どのようにモチベーションを維持していましたか?

不安や緊張は「成長の副作用」!(かんと(20代、経理職))

私は、学習を進めて合格レベルに近づけば近づくほど不安や緊張が大きくなるタイプでした。

しかし、行動する前に考えすぎても時間を浪費してしまうだけなので、「やる気が出てからやる」ではなく「やる気が出る前にやる」を意識し、学習を始めようと決めたら5秒カウントダウンして即行動する「5秒ルール」を徹底していました。

また、机に向かう前に好きな音楽を聴いたり筋トレしたりすることでやる気を出したり、悩みなどのネガティブな感情や思考をいったん紙に書き出すことで不安を解消したりしました。

不安や緊張は悪いことではなく成長の副作用のように捉えて、上手に付き合っていくことで充実した直前期を過ごすことができたと思います。

▶︎かんとさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・法人税法・所得税法・消費税法
合格体験記:「育児・家事・仕事・学習の4足の草鞋を履いて、法人税法&所得税法を同時合格&官報達成!

本試験が近づくにつれて不安が大きくなるのは頑張っている証拠、そう思って勉強を続けてきたという合格者の声を聞いたこともあります。
今回の官報合格者6人からのアドバイスにもあるように、それぞれ自分なりの向き合い方を見つけて、日々努力を続けてこられました。ここからの過ごし方が合格可能性を高めます。ぜひ試験当日まで走りぬきましょう!

<直前期にオススメの書籍>

税理士試験 簿記論 直前予想問題集
中央経済社 編
定価(紙版):2,750円(税込)
発行日:2024/04/11
B5判 / 204頁
ISBN:978-4-502-49881-7
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税理士試験 財務諸表論 直前予想問題集
中央経済社 編
定価(紙版):2,750円(税込)
発行日:2024/04/11
B5判 / 192頁
ISBN:978-4-502-49871-8
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