【模試の復習でしたこと・しなかったこと】順位に一喜一憂せず、答練の1つと位置づけて何度も解き直した!


ZENTA(税理士)

【編集部より】
大手専門学校で全国模試が実施され、いよいよ本試験日が目前に迫る時期になりました。限られた時間で、最大限の学習効果を発揮するにはどのように取り組めばよいのでしょうか。
そこで、合格者の方々に、ラスト1ヵ月でどんな学習をしていたのか、試験直前はどんな気持ちだったのか、「模試の復習」をテーマにお聞きしました。試験日まで気持ちを切らさないためにも、ぜひ参考にして駆け抜けてください!

模試を受ける目的を決めておく

税理士試験まで残すところ約1ヵ月となりました。各受験予備校が実施する全国模試の結果が返ってくるのもこの時期。皆さんは本試験に向け、その結果をどう活用しますか?

私は、税法科目はいずれも初受験で合格しましたが、模試の活用方法にも自分なりの考え方を取り入れており、それが早期合格につながったと確信しています。今回はその方法をご紹介したいと思います。

まず大前提として、「模試の受験は本試験突破のための1つのステップに過ぎない」ということを念頭に置く必要があります。模試はあくまで模擬試験。模試でいい点数が取れたからといって、本試験でいい点数が取れるとは限りません。

皆さんは、模試でいい順位を取るために毎日必死に勉強しているのでしょうか? 違いますよね。過去の記事でも何度か書いていますが、常にゴールを見据えて勉強することが大事です。これを日々意識するだけで勉強の質はグッと上がります。

私は、模試を受ける目的を以下のように考えており、「模試は答練の1つ」と明確に位置付けていました。

  • 本試験に向け、模試で出た問題は確実に解けるようにしておくため。
  • 理論答案を他の予備校に採点してもらえる唯一の機会であるため。
  • 今の実力で、2時間でどれだけ解答できるかを確かめるため。

以下でその内容を簡単にご説明したいと思います。

模試は最強の復習教材

全国模試は、同じ年に同じ科目を受けるライバル達のほとんどが受験します。

これはすなわち、本試験で模試と同じ問題が出題された場合、その問題を解いたことのある受験生が有利ということ。相対評価である税理士試験において、このハンデは大きい。

そう考えた私は、税法3科目は全て、メインの受験予備校のみならず、他の3~4校の全国模試を全て申し込み、自宅受験しました。目的はあくまで初見の問題をなくすため。答練と同じように、復習教材として何度も解き直して本試験に臨みました。

また、私は計算よりも理論対策が重要と考えていたので、模試は他の予備校に自分の理論答案を採点してもらえる貴重な機会と捉えていました。1つの予備校だけ受けているとどうしても理論答案はその講師仕様になってしまいがちです。他の採点者に自分の理論を採点してもらうことで、これまで気づかなかった書き方のクセや、合格答案として足りない点を確認するようにしていました。

時間配分の考え方も、各予備校の模試を複数回受けることで確認しました。普段の答練では、時間は測っていましたが2時間を超えても自分なりに完答できるまで解いていたので、今の実力で時間内にどれだけ解けるか、また初見の問題を見たときに理論と計算の配分をどう決めるべきか、ということを意識して解きました。

順位に関しては、私は模試を答練と同様に考えていたので、周りほど気にしていませんでした。理論の順位は多少気にしていましたが、計算はほとんど気にしておらず、全国順位も参考程度に受け止めていました。

確か、2019年に受けた国税徴収法と2020年に受けた消費税法は、模試の理論の成績はほとんどC判定だったように記憶しています。このままでは受からないなと思い、模試の答案を見返して、何が悪かったのか、何が足りていないのか、そして本試験までにどうリカバリーするかを分析し、試験前日までの勉強計画表を立てました。そして残り1ヵ月で気持ちを切り替えて必死で勉強した結果、無事本試験でも合格できたのです。

全国模試は最強の復習教材です。順位に一喜一憂する時間があれば、答案と解説を読み込み、じっくりと何度も復習すること。大事なのは模試の時点の順位ではなく、本試験時点での順位です。本試験までの残された時間を有効に使いましょう。

模試で間違えたら「出題してくれてありがとう!」と捉えてみる

模試の成績がよくなかったから…と、今年の受験を諦めようなんて考えていませんか?
これまで何ヵ月も努力して積み上げてきたものを、それだけで手放してしまうのですか?
その選択で本当に後悔しませんか?

続けることは難しい。だからこそ価値があります。こんな難しい試験勉強を何ヵ月も、何年も続けられている、それだけでもすごいことです。

問題を間違えるということは、その問題を解けるようになれば知識が増えるということです。正解した人は(その時限りの)点数がもらえるだけで知識は増えないので、その分正解者との差が埋められます。大事なのは本試験で間違えないこと。間違えたことに落ち込むのではなく、「今間違えておいてよかった! 出題してくれてありがとう!」と捉えてみてはいかがでしょうか。

残り1ヵ月、ここが踏ん張りどころです。私もこの時期は非常に辛かったですが、そんなときは漫画「SLAM DUNK」で有名な安西先生の「諦めたらそこで試合終了ですよ」という言葉を思い出し、自分を奮い立たせていました。

今からでもまだまだ挽回可能です。模試を有効に活用して、本試験まで駆け抜けましょう!

<執筆者紹介>
ZENTA

税理士・大手税理士法人勤務。
税理士試験簿記論(2011年)、財務諸表論(2013年)に合格後は、海外赴任などで試験から遠ざかっていたが、2019年1月に勉強を再開。その後、国税徴収法(2019年)、消費税法(2020年)、法人税法(2021年)の税法科目に一発合格。2022年税理士登録。
官報合格後、地方税理士法人から都内の大手税理士法人へ転職し、現在に至る。
Twitter(@ZENTA01089218)

【書籍紹介】

『次こそ!税理士試験に合格する方法』(中央経済社)
本記事の執筆者であるZENTA先生の合格体験記をはじめ、学習アドバイスや独立開業日誌など会計人コースWebの記事に加筆・編集をしてまとめた1冊です。
ぜひご覧ください!

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