🍀春休みに本を読もう!首藤洋志先生(文教大学専任講師・公認会計士)がオススメする課題図書📚


【編集部より】
もうすぐ新年度。この春から「会計の勉強を始めよう」と考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで、本企画では、学者・実務家など6人の読書愛好家から、会計人コースWeb読者の皆さんにオススメする「春休みの課題図書」をご紹介いただきました(1日お一人の記事を各週で掲載します・順不同)。
受験勉強はもちろん、仕事や人生において新しい気づきを与えてくれる書籍がたくさんラインナップされています。ぜひこの機会にお手にとってみてください!
今回の記事では、大学の先生でもあり公認会計士でもある首藤洋志先生(文教大学専任講師)に課題図書をお薦めいただきました!

こんにちは、文教大学の首藤洋志です。

今日は、大学教員、公認会計士として、あなたの資格勉強ライフをより有意義なものにしてくれる可能性のある書籍を4冊ご紹介したいと思います。

モチベーション・アップに繋がるような書籍ですので、ぜひ息抜きや休憩時間に手にとってみてください!

首藤先生のゼミ風景

オススメ① 新しい1万円札に絡んだ1冊 ―『現代語訳 論語と算盤』渋沢栄一 著筑摩書房)

「会計」といえば「お金の動き」ですよね。

会計学習者である私達にとって、(そしてその他ほとんどの人にとって)1万円札は、大切でしょう? その1万円札が2024年に変わることは、周知のとおりです。

そこで、私のおすすめ書籍1冊目は、新1万円札に関係する、
現代語訳 論語と算盤(渋沢栄一 [著] /守屋淳 [訳]、筑摩書房)です。

『論語と算盤』は、道徳と商業(経済)の両立を目指す、学びの多い至高の1冊です。

本書(及びその思考)こそが、現代日本の礎となったと言っても過言ではありません。

また、現代社会における課題(例えば、ジェンダー問題など)を、筆者は100年以上も前に指摘していたことには驚くばかりです(本書は1916年刊行)。

ぜひ2023年中に、手に取ってみて頂ければと思います。

オススメ② 経営哲学がつまった1冊 ―稲盛和夫の実学―経営と会計―』(稲盛和夫、日本経済新聞出版)

おすすめ書籍2冊目は、
稲盛和夫の実学―経営と会計―(稲盛和夫 著、日本経済新聞出版)です。

会計学が経営学の一領域であるように、会計と経営は切っても切り離せません。

本書は、「会計がわからんで経営ができるか!」という、稲盛和夫氏(京セラ創業者)の経営哲学が詰まった会心の一作です。

実務的な要素が強いため、じっくり読まないと理解するのが難しい箇所もありますが、本書を読み切ることができれば、会計「力」がかなり高まっていることの確認にもなりますよ。

なお、雑誌『企業会計』2023年2月号(中央経済社)では、2022年8月に永眠された著者の特集「稲盛和夫を継ぐもの」が組まれています。

本特集記事も大変大きな学びになるので、ぜひ目を向けてみて欲しいと思います。

オススメ③ 100万人と共通の話題が持てる1冊 ―『FACTFULNESS―10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣―』(ハンス・ロスリング他 著、日経BP社)

おすすめ書籍3冊目は、
FACTFULNESS―10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣―(ハンス・ロスリング他 [著] /上杉周作・関美和 [訳]、日経BP社)です。

本書は、ファクト(事実)ベースで世界を見つめることの大切さを教えてくれます。

この本と出会うまで、私は世界の見方を本当の意味で知らなかったといえます。

最近(2023年3月1日)、書店で見かけたこの本の帯には次のように書かれていました。

「日本で100万部 希望を持って生き抜くために身に着けたい世界の教養」

日本だけで100万人もの人が手に取った本書を読むことは、100万人と共通の話題をもつ、ということです。このことは、将来実務家として活躍するあなたにとって、非常に有意義な意味をもつと思います。

未来への希望と(知的)好奇心を胸に、確実に良くなっている世界とともに新しい人生への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

オススメ④ 会計知識を活かしたくなる1冊 ―『これならわかる決算書キホン50!〈2023年版〉』(木村直人 著、中央経済社)

おすすめ書籍4冊目は、
これならわかる決算書キホン50!〈2023年版〉(木村直人 著、中央経済社)です。

あなたは、興味のある企業の財務諸表(決算書)を実際に見てみたことはありますか?

会計(=what)をもっと学びたくなる、もっと好きになるためのコツは、「なぜ会計を学んでいるのか」(=why)、「会計をどのように使いこなせるようになりたいのか」(=how) を想像し続けることだと、私は考えています。

本書は、実存する上場企業の決算書を取り上げ、参考書などで学んだ知識が実際にどのように役に立つのかを、実践形式で気づかせてくれる内容になっているため、”why”と”how”へ目を向けるのに最適な教材の1つです。

実際に、社会で会計が使われている事実を目の当たりにし、学んだことがどのように役に立つのかを知ることができれば、もっと会計を勉強したくなること間違いなしですよ!

他にもご紹介したい書籍はたくさんあるのですが、今回はこの4冊に留めておきたいと思います。

あなたの資格勉強ライフが、これまで以上に充実したものになることを願い、陰ながら応援していますね!

<執筆者紹介>
首藤 洋志(しゅとう ひろし)
文教大学経営学部専任講師。公認会計士。
九州大学経済学部卒、博士(経済学/名古屋大学)。
2011年から2020年まで、大手監査法人にて会計監査業務に従事。2020年より現職。財務会計(会計利益観、コンバージェンス、公認会計士と多様性及びパーパス)を研究。
<主な業績>
「公認会計士業界のジェンダー・ダイバーシティ」 『Disclosure&IR』2022年5月号(Vol.21)、53-61頁。

<こちらもオススメ!>

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