会計士論文式終了後すぐに就活戦線スタート! 受験生が知っておきたいスケジュールと注意点


株式会社TACプロフェッションバンク 相澤 健
(キャリアコンサルタント/社会保険労務士有資格者)

【編集部から】
本日から実施されている公認会計士試験論文式試験。
その試験終了後、ひと息つく間もなくスタートするのが監査法人の採用活動です。
しかし、ここまで本試験準備に集中してきた受験生は、就職活動についてわからないことも多いと思われます。
そこで、多くの会計士受験生の就職をサポートされてきた株式会社TACプロフェッションバンクの相澤健さんに、就職活動についてお話しいただきました。
本記事では、まず採用活動がどのように進むのか、受験生が気をつけることは何なのか、就職活動のスケジュールと注意点をお届けします。

論文式受験生の皆さま、はじめまして。2011年より資格の学校TAC(以下、TAC)にて、会計士を目指して学習している方の進路・就活に関する相談業務を担当している相澤と申します。これまでの経験を活かし、2回にわたって論文式受験生の就職活動についてお伝えします。

今回のテーマは、はじめの一歩として、就職活動の「スケジュール」と「注意点」です。主に監査法人を中心にご紹介しますが、アドバイザリー会社や税理士法人、一般事業会社に関しても少し触れたいと思います。

監査法人の就活をスタートさせるのは論文式試験直後から

はじめに、論文式合格者の多くがファーストキャリアとして選択する監査法人についてお伝えします。

論文式受験生の就職活動は例年、11月の合格発表後ではなく8月の試験終了直後からスタートします。

なぜでしょうか? それは、11月の合格発表後から12月初旬までの2~3週間に、とても慌ただしく採用選考(面接)が進むからです。

まずは、11月の合格発表後のスケジュール感からお伝えしましょう。

11月の合格発表後は、すぐに採用選考(面接)を行う監査法人もあります。公認会計士協会が合格発表後に合同就職説明会を開催しますが、近年は合格発表後に監査法人主催の説明会を行う法人はあまりないので注意が必要です。

採用選考(面接)が始まると、早い監査法人で採用選考(面接)当日、遅くても2週間後の12月初旬には内定通知があります。内定通知後は、期限までに「承諾するのか? しないのか?」を決める必要があります。内定承諾後は、早い監査法人では12月中旬には入社式が行われます。

このように、合格の喜びもつかの間、「どの法人で会計士のキャリアをスタートさせるのか?」を、遅くとも合格発表日から2週間以内に決めなければなりません。

このように非常にタイトなスケジュールで採用活動が進むことが、8月の試験終了直後からイベントが始まる理由です。監査法人も論文式受験生(合格者)にじっくり検討して選考に臨んでほしいと思っているので、8月の試験終了直後から情報提供の機会である説明会などをスタートさせます。

例年、合格していると思わず、合格発表後に慌てて就職活動を始める論文式受験生がいらっしゃいます。しかし、それでは手遅れとなってしまうこともあるので、お気をつけください。

もちろん試験の手応えの有無もあるかと思いますが、論文式試験を受験された方は、試験終了直後から就職活動をスタートすることをお勧めします。

まずは説明会に参加して情報を集めよう

8月の論文式試験後、受験指導校などが主催する就職説明会がキックオフとなります。TACでも8月22日13時からの「オンライン・プレゼンテーション」を皮切りに、全国各地で就職説明会を開催します。

◆昨年のTAC主催の説明会の様子

このような就職説明会では、一度にさまざまな法人の情報が得られるため、就職活動の全体感や雰囲気を掴むにはとても有意義だと思います。また、各法人が実施するイベントスケジュールも教えてくれます。効率的に就職活動を行いたい方は、ぜひ参加してみてください。

論文式試験の受験がはじめてでない場合、参加を迷う方もいると思いますが、各法人がPRする内容は毎年変化します。今年のトレンドを掴むためにも参加をお勧めします。

就職説明会の終了後は、11月の合格発表前日まで、各法人が説明会や相談会など、さまざまなイベントを実施します。説明会の参加には予約が必要なことも多いので、各法人の採用ホームページなどを定期的に確認しましょう。法人によっては、マイページ登録をしておくと登録メールアドレスにお知らせをしてくれます。

TACでも「監査法人リンク集」を用意しています。

また、「応援message&リクルート情報リンク」という、採用に積極的な法人のリンク集もあるので、ぜひ活用してください。

ココに注意! 監査法人の就活で気をつけたいこと

就職活動にあたってご注意いただきたいのは、同じ監査法人でも地区によって採用権限があるので、スケジュールが若干異なることです。

監査法人は大きく、

  1. 大手監査法人東京事務所
  2. 大手監査法人関西地区事務所
  3. 上記以外の大手監査法人地区事務所および大手監査法人以外の事務所

の3つに分けることができます。

大手監査法人とは、いわゆる「BIG4」と言われているあずさ、EY新日本、トーマツ、PwCあらた(50音順)の4法人のことです。

特に1.と2.は、近年は9月~10月中旬までしか法人主催の説明会を行っていません。また、説明会も「法人全体」と「テーマ別」に分かれていることも押さえておきたい点です。「テーマ別」とは、たとえば商社、金融など業界に関するものや、海外、IPOなど業務に関するもの、女性向け、学生向けといった働き方に関するものなどがあります。

3.は、11月の合格発表前日までイベントを行っていますが、1.や2.に比べると限られたタイミングと回数です。

ちなみに、イベントへの参加を逃してしまっても、問い合わせをすると対応してくれる法人もあります。諦めずにアプローチをすることが大切です。

もうひとつご注意いただきたいのは、「オンラインなのか? 対面なのか?」という形式の違いです。近年、新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインで開催されることが中心になっています。その場合は、オンライン環境の準備が必要になります。

オンラインの場合、移動時間をとられないので、多くの説明会に参加できると思います。オンラインのメリットを有効活用して、多くの情報を集めるとよいでしょう。

監査法人以外の選択肢-アドバイザリー会社、税理士法人、一般事業会社-

監査法人だけではなく、アドバイザリー会社や税理士法人も考えられる選択肢です。これらは、8月の試験後から11月の合格発表をはさみ12月中旬ぐらいまで、限られた回数ですが説明会や相談会を実施しています。個別に問い合わせれば対応してくれることもあります。

ご注意いただきたいのは、監査法人と異なり、採用選考(面接)を合格発表前から開始する法人もあるので、準備も早めに行う必要があります。

一般事業会社に関しては、「JICPA Career Navi」という公認会計士協会が運営している求人サイトを活用いただくのが一般的です。

こちらは、合格発表後から就職活動をスタートさせても間に合います。ただし、アドバイザリー会社や税理士法人のように合格発表前から採用選考(面接)を行う企業もあります。

興味がある企業があれば、個別にメールなどで質問をしてみるとよいでしょう。

さいごに

今回は、はじめの一歩として、監査法人、アドバイザリー会社と税理士法人、一般事業会社の就職活動の「スケジュール」や「注意点」をお伝えしました。

ここまでの話をまとめると、

試験終了後から説明会シーズンとなり、この期間に準備を進め、合格発表後に採用選考(面接)シーズンに入る

と考えていただくとよいと思います。

試験終了後は、受験指導校などが主催する就職説明会を皮切りに、各法人のイベントに積極的に参加して、情報を集めましょう。

内定を取るための就職活動とは、情報を集めて、組み立て、伝えることです。情報は、「法人(企業)」と「自分自身」の2種類を集める必要があり、これはとても重要なことです。

まずは、論文式試験が終了したら、受験指導校の合同説明会に参加したり、監査法人のホームページなどを確認したり、当面のスケジュールを立てましょう。

次回は、法人選びを成功させるポイントをお伝えします。

【執筆者紹介】
相澤 健(あいざわ・けん)
国家資格キャリアコンサルタント/社会保険労務士有資格者 
2011年よりTAC公認会計士講座にて、会計士受験生の進路・就職相談に従事。個々の状況に合わせた対応を心掛け日々業務にあたる。趣味を料理にするために日々悪戦苦闘中。

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