官報合格者が教える! 理論に強くなる「答練」・「模試」の活かし方


ZENTA

【編集部から】

前回、「税法理論で『合格答案』を導く4ステップ」をご紹介いただいたZENTAさん。

1年に1科目ずつ、すべての税法科目に一発合格されたZENTAさんですが、直前期はどのような学習をされていたのでしょうか?

今回は、直前期の大きな関心事でもある「答練」・「模試」の活かし方についてお話しいただきました。

答練は自分の理論答案をチェックしてもらえるチャンス!

直前期は、基礎期・応用期でインプットした知識を維持しつつ、アウトプットの練習に比重を置くスタイルをおすすめします。アウトプットの練習として私が行っていたのは、「理論問題集や答練の解答を、文意を変えずに自分の言葉で書くこと」です。

特に答練は、税理士試験に精通している講師に自分の答案をチェックしてもらえる絶好のチャンス。

私は、答練では、わからない問題だったとしても、まずは解答を見て内容を理解し、それを「自分ならどう書くか?」と考え、自分の言葉で書いて理論答案を提出していました。ある種の「カンニング」ですね(笑)。

講師は、よりよい理論答案を書くためにはどうすべきか、的確なアドバイスを与えてくれます。そのアドバイスをすべて吸収し、次に活かす。これを繰り返して、理論答案の書き方を洗練させました。

一番もったいないのは、答練で白紙の理論答案を出すこと。これは、自分の理論答案をチェックしてもらえる貴重なチャンスを自ら放棄したことになります。

私は通信講座を利用していたので、基礎期から一貫して答練では、時間制限を設けずに理論答案を作成していました。通学していて講師に気軽に質問できる場合は、自分で作った理論答案を講師に直接チェックしてもらうのもよいと思います。

模試も「教材」として活用する!

税理士受験生のSNSやブログなどを見ていると「答練で上位〇%をキープすべき」「模試で〇判定以上じゃないと本試験は厳しい」といった投稿を見かけます。

たしかに、模試や答練で自分の現在地を把握するのは重要ですが、それ以上に私が重視していたのは、「できるだけ初見の問題をなくすこと」でした。

特に全国模試は、同じ年に同じ科目を受ける、多くのライバルが申し込んでいるはずです。そこで出た論点は、おそらくほとんどの人がしっかり復習して本試験に臨みます。そうなると、仮に本試験で同じ問題が出た場合、模試を受けていない受験生は不利になるかもしれません。

そう考えた私は、大手予備校の全国模試はすべて自宅受験しました。「アウトプットの精度を高めるための練習の場」と割り切っていたので、順位はそれほど気にしません。

どんな問題が出るのか、どういう解答を書くべきか。全国模試も普段の演習と同じように捉え、「教材」として活用していました。実際、模試で出た論点がそのまま本試験に出たこともあったので、戦略としては間違っていなかったと思います。

受験生へのメッセージ

最後に、皆さんは、なぜ理論学習をしていますか? 

「本試験で合格答案を書くため」ですよね。しかし、「理論学習=理論集をすべて暗記すること」になっている人が多いように思います。

理論暗記も大事ですが、それだけでは合格答案は書けません。暗記(インプット)した理論を上手にアウトプットできて、はじめて「合格答案」になるのです。

前回の記事にも書きましたが、税理士試験では「税理士として必要な法的思考力をもっているか」が問われます。この点を見失わずに勉強すれば、合格はグッと近づきます。基礎がしっかり固まっている人は、この視点をもってアウトプットを練習すれば、今年の本試験にも間に合うはずです。

私は税理士試験に合格して、言い表せないほどの達成感を味わい、大きな自信になりました。社会的信用も上がり、希望の税理士法人への転職も決まりました。勉強自体は大変で、正直もう二度としたくありませんが(笑)、だからこそ得られるものも大きいのだと思います。

この記事が、皆さんの合格の一助となれば幸いです。


〈ZENTAさんの合格体験記も必見!〉


関連記事

ページ上部へ戻る