【会計士合格体験記】楽団での経験で得た「基礎を超重視する」を実践して5・8を好成績で合格!


原 彰(ペンネーム)
(国立大学大学院博士前期課程(修士)1年)

合格時期:短答…2021年5月/論文…2021年8月
学習時間:平日8時間/休日8時間
学習スタイル:専門学校(資格の学校TAC)、主に自宅で自習

目指したきっかけ:大きな組織の実態を間近で見られる仕事がしたい!

私は大学2年生と3年生のとき、大学の課外活動団体の運営責任者を任されていました。
音楽系の百数十人規模の団体で、一人の演奏者として活動する傍ら、日常的に動くお金やモノ、ヒトの管理や運営上の問題点の解決に尽力していました。
そのような立ち回りをしていくなかで、将来は、もっと大きな組織がどのようなつくりになっていて、どう動いているのかを間近で見られるような仕事がしたいと考えるようになりました。

折しも大学3年生の春頃、自分は一般就活には向いていないと思う出来事がありました。
就職活動をどうするか悩んでいたとき、部活動の先輩から公認会計士を目指すのはどうかと勧められました。
「監査という仕事は自分のやりたいことに結びつくかもしれない」、私はそう考えて、大学3年生の夏休みに公認会計士を目指すことを決意しました。

課外活動やアルバイトとどう両立したか?:「諦め」と「時間の固定化」がポイント!

会計士試験に向けた勉強をすることになりましたが、大学での音楽活動とアルバイトはこれまで通り続けることにしました。

両立のポイントは2つあり、第1のポイントは「諦め」です。
まず絶対に譲れない部分を除いて、すべてを諦めることから始めました。
諦められる部分は諦められる程度のものなので、それ以上は特に考えませんでした。
潔く諦められる部分を決めることができたのが大きかったと思います。

私にとって、課外活動団体の運営と、そこでの演奏は絶対に譲れない部分でした。
これは今を逃すと二度と取り返せない、学生のうちにしかできないものだとわかっていたからです。
このようにまずは絶対的に優先することを決めました。

第2のポイントは「時間の固定化」です。
月ごとに音楽をするための日と時間を細かく決めたほか、アルバイト(ガソリンスタンド店員)はシフトの曜日と時間を固定しました。音楽活動やアルバイトの時間を固定化することで、残りの時間をすべて流動的なものとし、そのなかでの勉強時間を最大限にしようと努力しました。

上記の取組みが功を奏して、大学4年生の冬、5月短答の3ヵ月前に楽団を卒業するまで十分満足できるレベルの音楽活動ができ、またアルバイト先に迷惑をかけることもなく勉強の時間を確保することができました。

勉強ポリシー:楽団での経験から得たヒント「基礎を超重視する!」

「基礎を超重視する」、これが計算・理論に共通する私の勉強ポリシーです。これは音楽活動から得たヒントでした。
「ごく一部の超絶技巧を除き、難しい演奏技術は複数の基礎的な要素の組み合わせでしかなく、その基礎的な要素をどれだけ正確に指摘できそして再現できるかが重要である」という経験則が参考になっています。

模試・答練や過去問題は基本的に1回しか解かず、間違えた問題の背後に潜む基礎的な要素をすべて把握し、どこを間違えたのか、どうすれば正確に解けるのかを考え、それらをすべてテキストに落とし込みました。
そのうえで、計算なら普段は対応するテキストを開きながら計算問題集を周回する、という勉強をしていました。
勉強ノートを作らずにすべてテキストに落とし込んだことで、答練に出なかった内容も同時に確認することができ、網羅性の確保にも繋がりました。

理論の勉強では、上記のポリシーに加えて、「制度の趣旨を常に考える」というポリシーも大事にしていました。
会計学・監査論・租税法は、社会科学であるからこそ制度を作った趣旨が必ずあり、そこに至るまでの背景や過程が重要であると考えたからです。
これは楽団運営の経験から得た発想です。組織を理解し発展させるためには、なぜ今の状態があるのか、たとえば過去に何があってこの規則があるのか、何がしたくてこの制度を作ったのかを知っておく必要があるのだ、という反省を活かしています。

結果からすると、これらの取組みは非常に有効でした。短答式試験は財務会計の正答率が9割、論文式試験の結果も総合60位と満足できる結果を残すことができました。すべてを諦めることからはじめましたが、結果的にすべてを得ることができ戦略的に大成功だったと思います。

受験生へのメッセージ:長丁場を乗り切るコツは「周囲への感謝」!

無論、このような結果は私1人の頑張りのみで得られたものではありません。
家で独り言を無限に呟きながら勉強する私を無視してくれた家族や、試験に対する楽団の友人たちの理解と応援といった支えがあってこそ、勉強だけに取り組める時間を作ることができていました。
会計士試験に限らずですが、自分が何かをしている時間、というものは誰かが自分の代わりに何かをしてくれいることで支えられています。
勉強に取り組める環境にあることは幸せなことだと思います。
勉強する自分に独りよがりにならず、常に周りに感謝して周囲の人の協力を頂けるような環境をつくること、これが長丁場のバトルを乗り切るコツではないかと思います。


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