【会計人が語るウィズコロナ時代】オンラインで柔軟な働き方が可能に! コロナで実感した「公認会計士」の信用力


公認会計士 吉田恵美

【編集部から】
2021年4月7日、第1回目の緊急事態宣言から1年。
社会全体で、身の回りで、さまざまな変化がありました。
税理士試験・公認会計士試験・簿記検定試験の受験生のなかには、学習環境がガラリと変わり、モチベーションが下がってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、「会計人としてどんなことができるのだろう」と、キャリアに対して疑問や不安をもたれた方もいるかもしれません。
そこで、そんな皆さんの夢を少しでも応援することができればと思い、第一線で活躍する会計人の方々にメッセージをいただきました。

※4月7日から13日まで、5人の実務家にご登場いただきます。

オンラインが増え、思わぬメリットがあった1年

「コロナの影響はどうですか?」と聞かれると、「仕事がしやすくなった!」の一言がまず出てきます。

2004年に旧公認会計士二次試験合格後、2012年に監査法人を退職し、妊娠出産を経て、2015年頃から本格的にフリーランス会計士として活動を開始しました。

なんの当てもないままの成り行き独立でしたが、周囲の方に「何か仕事ない?」とお声がけをすると、意外とニーズがあるようで、ありがたいことに、何かしらお仕事がある状態が続いています。

独立当初は、フルタイム勤務のようにクライアントにお伺いする生活でしたが、徐々に業務内容が変わっていき、コロナ以前でも外出するのは、会議と研修、懇親のためが多く、業務自体は自宅事務所で行うものが7割程度となっていました。

そこへ緊急事態宣言の発令。今までは夜に用事がある際は、息子のお迎えを夫と調整する必要がありましたが、会議・研修がWeb開催となり、懇親の場もなくなってしまいましたので、夜間に実施される会議・研修でも、息子と家にいながらでの対応が可能となりました。

また、小学4年生のときに自分用のワープロを買ってもらい、大学生のときにはパソコン通信などをたしなみ、PC周辺をいじることが好きなこともあり、以前から業務のクラウド化を進めていました。

ただ、以前は紙面配布の資料も多く、あとからスキャナでデータ化を行う必要がありましたが、Webでの実施となって一気にデータ配布が増えました。これもある意味“怪我の功名”です。

こんな時代だからこそ「公認会計士」は大きな武器になる

しかしながら、こういった表面的なものだけではなく、こんな時代だからこそ、「公認会計士」という資格の社会的信用性の高さを改めて実感しています。

人と直接会う場面は少なくなっていますが、幸いなことに、新しい仕事依頼がなくなっているわけではありません。以前から、業務開拓は紹介が中心でしたが、このような時代だからこそ、周囲からの信頼を得ているかどうかがより強いように感じます。

公認会計士業界はとても狭く、受験時代からの人間関係も会計士仲間として続いています。

初対面の方でも、知り合いの知り合いでつながることは珍しくなく、「誰かいい人を紹介してほしい」という話は常に行きかっています。「だったら、この人が適任ではないか」と、SNSのメッセンジャーでやりとりするのも珍しいことではありません。

こういった信用力というのは、試験合格後、多くの方が進む監査法人で、とにかく目の前の仕事に邁進し、知識・経験を積み重ね、さらに、業務内外での人間関係を構築していくことで身につけることができたのだと思っています。

ベースに「公認会計士」という確実なものがあるので、より強固に経験を培うことができ、このような信用力は、監査法人で働いていても、独立していても、組織内会計士として働いていても、この不確実な時代には強みになってくれるのではないかと思います。

先行き不透明な時代で、さまざまな情報も錯綜しているなか、自身の将来を迷う方も少なくないでしょう。しかし、だからこそ、公認会計士試験という難関を突破することで得られる「公認会計士」というベースと、その後のさまざまな経験が自身の強みとなり、これからの時代を生き抜いていくことができるのではないかと信じています。

<執筆者紹介>
吉田 恵美(よしだ・めぐみ)
吉田恵美公認会計士事務所 所長
2004年に公認会計士二次試験合格し、有限責任あずさ監査法人に入社。法定監査の他、IPO支援業務等に従事。2012年同法人を退社し、2013年に千葉県習志野市で吉田恵美公認会計士事務所を独立開業。一般事業会社への支援の他、千葉市役所や習志野市役所などパブリックな分野でも業務を展開。日本公認会計士協会等の役員も務める。
プライベートでは、2013年に息子を出産。女性目線、子育て世代目線ならではの活動も行う。


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