【日商2級から税理士へ ステップアップ会計教室】第27回:現金預金③


渡邉 圭
(千葉商科大学専任講師)


この連載講座では、「日商簿記では学ばないけれど、税理士試験の簿記論・財務諸表論では必要になる論点」を学習します。
簿記論・財務諸表論の学習は広範囲にわたるため、日商簿記では深く学んでいない論点も対策しなければなりません。
税理士を目指して簿記論・財務諸表論の学習を始めた方、「いずれは税理士に」と考えている方は、この連載講座を使って効率的に学習を進めていきましょう。


前回は、「先日付小切手」について学習しました。

今回は、「当座借越」と「当座預金」について解説していきます。

当座借越(一勘定制と二勘定制)

次の一連の取引を二勘定制と一勘定制により仕訳しなさい。
当社は、AA銀行とBB銀行に銀行口座があり、それぞれに当座借越契約を結んでいる。なお、当社の当座預金勘定残高は380,000円(一勘定制では当座勘定借方残高380,000円)であった。

(1) 修繕費の支払いとして100,000円を千葉銀行の当座預金から引き落とした。なお、千葉銀行とは借越限度額200,000円の当座借越契約を結んでいる。

(2) 買掛金の支払いとして240,000円を東京銀行の当座預金から引き落とした。なお、東京銀行とは借越限度額160,000円の当座借越契約を結んでいる。

(3) 決算にあたり、千葉銀行と東京銀行の銀行残高と照合したところ、AA銀行の銀行勘定残高証明書は60,000円、BB銀行の銀行残高証明書は△20,000円であった。当社と銀行とで不一致の原因はなかった。

解 答

二勘定制(単位:円)

(1)
(借) 修繕費 100,000
 (貸) 当座預金 100,000

(2)
(借) 買掛金 240,000
 (貸) 当座預金 240,000

(3)
(借) 当座預金 20,000
 (貸) 当座借越 20,000

一勘定制(単位:円)

(1)
(借) 修繕費 100,000
 (貸) 当座 100,000

(2)
(借) 買掛金 240,000
 (貸) 当座 240,000

(3)
(借) 当座預金 60,000
 (貸) 当座 40,000
 当座借越 20,000 ※

※ 借入金または短期借入金と解答しても正解とします。

解 説

当座預金口座が複数ある場合は、当座預金勘定は統制勘定となります。

AA銀行もBB銀行いずれも、当座預金勘定で処理しています。

そのため、BB銀行は当座借越となっていても、当座預金勘定残高は380,000円-100,000円-240,000円=40,000円となります。

これは、AA銀行の当座預金借方残高60,000円とBB銀行の当座預金貸方残高20,000円が相殺されているためです。そこで、当座預金60,000円、当座借越20,000円が明らかになるように決算で修正仕訳を行います。


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