【簿・財 間違いさがしで実力チェック】第23回:新株予約権②


加藤大吾
(公認会計士・税理士)


本連載では、税理士試験の簿記論・財務諸表論において、執筆者の指導経験上、誤答が多かった論点を取り上げます。【問い】に対する【解説】のなかに誤りを含む部分があるので、「ここが間違いじゃないかな?」と指摘してください。電卓をたたかなくても、スキマ時間に間違いさがしは可能です。この連載を解くことで、簿記の勉強はもちろん、実務において取引記録を見ながら誤りを発見するという職業体験もすることができます。ぜひチャレンジしてみてください。


【問い】
次の〔資料〕に基づき、当期(X2年4月1日~X3年3月31日)の損益計算書の株式報酬費用はいくらか、求めなさい。

〔資料〕

1.X1年6月の株主総会において、役員および従業員に対して、ストック・オプション100個を発行することを決議し、X1年7月1日に付与した。権利確定日はX3年6月30日、権利行使期間はX3年7月1日~X3年11月30日、ストック・オプション1個につき1株が付与され、行使価格は20,000円である。また、付与日におけるストック・オプションの公正な評価単価は、2,400円/個である。なお、退職による失効見込みはない。

2.X 2年6月の株主総会において、株式相場の変動を考慮し、同年7月1日に行使価格についてのみ、条件変更を行った。これにより条件変更日におけるストック・オプションの公正な評価単価は2,000円/個となった。

【解説】 ※誤りを含みます!

1.前期の株式報酬費用

(借) 株式報酬費用 90,000
 (貸) 新株予約権 90,000

(注) 株式報酬費用

100個×2,400円÷24ヵ月(対象勤務期間)×9ヵ月=90,000円

2.当期の株式報酬費用

(借) 株式報酬費用 85,000
 (貸) 新株予約権 85,000

(注) 株式報酬費用

① 条件変更前(X2年4月~X2年6月)
100個×2,400円(変更前の単価)÷24ヵ月×12ヵ月(X2年6月末の新株予約権)-90,000円(前期末の新株予約権)=30,000円

② 条件変更後(X2年7月~X3年3月)
100個×2,000円(変更後の単価)÷24ヵ月×21ヵ月(X3年3月末の新株予約権)-120,000円(X2年6月末の新株予約権)=55,000円

③ 株式報酬費用(解答の金額)
30,000円+55,000円=85,000円

答え合わせ


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