【簿・財 間違いさがしで実力チェック】第2回:現金預金②


早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士 加藤大吾

本連載では、税理士試験の簿記論・財務諸表論において、執筆者の指導経験上、誤答が多かった論点を取り上げます。【問い】に対する【解説】のなかに誤りを含む部分があるので、「ここが間違いじゃないかな?」と指摘してください。電卓をたたかなくても、スキマ時間に間違いさがしは可能です。この連載を解くことで、簿記の勉強はもちろん、実務において取引記録を見ながら誤りを発見するという職業体験もすることができます。ぜひチャレンジしてみてください。

本連載は、会計人コース2020年3月号別冊付録「読んで考えて総復習 間違いだらけの計算問題」を再編集したものです。


難易度★☆☆☆☆

問題2 現金預金②

【問】 次の〔資料Ⅰ〕および〔資料Ⅱ〕に基づき,当期末(X2年3月31日)の貸借対照表の当座預金はいくらか,求めなさい。

〔資料Ⅰ〕 決算整理前残高試算表

〔資料Ⅱ〕 決算整理事項
決算日現在の取引銀行が発行した残高証明書と残高試算表の当座預金に差異があり,その原因は次のとおりである。
① 取引先A社に対して,広告宣伝費の支払のために振り出した当座小切手7,000円が,未だに相手先に渡されていない。
② 得意先B社より売掛金の回収として受け取った当座小切手9,000円について,銀行に預け入れたが未取立となっている。
③ 仕入先C社に対して,当社振出,C社宛の約束手形8,000円の決済日をむかえ,当座預金口座から引き落とされたが,貸借を逆に仕訳を行っていた。
④ 仕入先D社に対して振り出した当座小切手6,000円について,D社が銀行への呈示を行っていない。

【間違いを含む解説】

1.当座勘定調整表

2.B/S当座預金(解答の金額)
1,100,000円(整理前T/B)+7,000円(未渡小切手)-8,000円(誤記入)=1,099,000円


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