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JAC
【編集部より】
税理士試験まであと1カ月ほどとなりました。受験生の皆さんは追い込みに余念がないと思います。そこで、本記事では合格者の方々が本試験直前にどのような勉強に取り組んでいたかをご紹介いただきます。ぜひ参考にして、残りの時間を効率よく勉強し、本番まで突き進んでください!
私の受験戦績〜簿記論・財務諸表論
本試験まで残り約1カ月となりました。ここまでの勉強を積み上げてきたからこそ、残り1カ月の時間の使い方が、合否を分けると言っても過言ではありません。そこで本稿では、残り1カ月で「決してやるべきでないこと」と「必ずやるべきこと」をお伝えしたいと思います。
その前に、自己紹介として会計科目に関する私の受験歴を記します。
・令和2年度(第70回) 簿記論 不合格(44点)
・令和3年度(第71回) 簿記論・財務諸表論 同時合格
簿記論 ボーダー46点:自己採点53点
財務諸表論 ボーダー60点:自己採点66点
以上のとおり、同時合格した年は自己採点がボーダーを6~7点上回っており、受験後の時点である程度合格を期待できる手ごたえがありました。これは、合格するために必要な問題の取捨選択を確実に行いつつ、本稿で後述する内容を忠実に遂行できたことが勝因でした。
ちなみに、問題の取捨選択(及び正解率)としては、専門学校のTACが提示するA~Cランクに基づき、後述する内容でもそれらを基準としています。すなわち、合格するためには必ず正解すべき問題はAランク(正解率100%、最低でも95%)、できれば正解したいBランク(正解率50%)、絶対に手を付けてはいけないCランク(正解率0%)という前提で説明しています。
決してやるべきでないこと
まずは残り1カ月で決してやるべきでないことを2つ押さえておきましょう。とてもシンプルですが、誰もがやってしまいがちなことでもあります。
苦手論点の対策
1つ目は、苦手論点を克服するために時間を使ってしまうことです。ちなみに、ここで言う苦手論点とは、自分自身の理解がやや曖昧で得点が伸び悩んでおり、かつ解答する時間も多く要してしまうような「Bランク問題」を指しています。(「Aランク問題」はある程度解ける力がついている前提です。もしAランクで苦手がある場合は、対策は必須です。)
残り1カ月でその苦手対策を行った場合、「その論点を理解する力」や「時間をかければ解き切る力」は獲得できるかもしれませんが、本試験でその問題が出た際に「確実に得点する力」を得ることは、タイムマネジメントの観点から難しいためです。
Cランク問題の復習
答練や模試の復習をしている際に、多くのCランク問題を目にしていることでしょう。そして、A・Bランク問題に不安がある受験生こそ、このCランク問題の復習に手を付けてしまいます。
この時の心情は私もとてもよく分かります。すなわち、「もしこのCランク問題が取れれば、他の受験生と差をつけられるからむしろ優位に立てる!」「A・Bランクで仮に失点しても、Cランクの正解でカバーできるのでは。」という誘惑(錯覚)によるものです。
私も受験生時代はこの錯覚に陥りそうなことがよくありました。しかし、税理士試験の採点の仕組み(傾斜配点)を冷静に理解し、自分に日々言い聞かせることができれば、これらの誘惑は回避できます。本試験当日まで勉強机の壁やトイレ等に、この事を書いたメモでも貼っておきましょう。
必ずやるべきこと
タイムマネジメントの遂行
残り1カ月で必ずやるべきことは、1年に一度しかない本試験(本番)において、自分が計画したタイムマネジメントを確実に遂行できるようになるための「訓練」を繰り返すことです。
「何だ、当たり前のことか」と思われるかもしれませんが、確かに約9割の受験生が頭では分かっています。しかし、皆さん本試験でそのタイムマネジメントを「実行」するものの、多くの受験生が「遂行」できません。
「遂行」できるのはおそらく全体の1割程度の方だけで、その方々のみが合格していく試験だと思います。
・実行:(Action / Execution)
計画やアイデアを実際に行うこと(行動の開始・プロセス)。物事を現実にするための「最初のハードルを越える動作」に焦点がある。
・遂行:(Accomplish / Execute)
任務や仕事を最後までやり遂げること(完了・結果)。あらかじめ決められた役割、責任、ルーティンワークを「途中で投げ出さずに完遂する」こと。
遂行するためのハードル
なぜ多くの受験生が頭では分かっていて実行しても、遂行できないのでしょうか。答えは単純で、その訓練(経験)が不足しているからです。
多くの受験生の方は、これまで全論点の学習を終え、直前期から本試験レベルに近い問題演習をされてきたかと思いますが、「本試験の緊張感を想定し、問題の取捨選択をしながら初見問題を解き、合格点を取り切る練習」は不十分だと想定します。初学で初受験の方はなおさらです。
この点、まず本試験は、これまでの学習(答練)とは全く異なるイベントだと覚悟しましょう。例えるなら、プロ野球でいうペナントレース(答練)とクライマックスシリーズ(本試験)のようなもので、戦い方が異なります。ですので、そのための戦略を基に訓練が必要なのです。
遂行に向けた訓練
対策としては、残り1カ月で初見問題を8回分程準備し、それらを用いて120分のタイムマネジメントを遂行する訓練を行うことです。ここから本試験まで、週2回で合計8回です。その訓練で、時間配分を定着させ、A~Cランク問題の正答率を狙ったものに近づけていきます。
初見問題としては、『税理士試験 簿記論 直前予想問題集』『同 財務諸表論』(中央経済社)をはじめ、複数の専門学校が最新の予想問題を販売していますのでそれらを購入します。8回分なのでやや出費に抵抗がある方もおられるかもしれませんが、もし不合格となりもう1年を費やす時間やコストと比べれば、コスパの良さは歴然です。

タイムマネジメントの極意
具体的な時間配分や解答順序は、簿記論及び財務諸表論共に、皆さんまちまちだと思います。
私の例だと、簿記論はある程度慣れ親しんだ形式である第三問(総合問題)から解くことで「Aランクの取りこぼし」と「緊張による時間ロス」を防いでいました。財務諸表論は、得意の理論を早めに終わらせることでリズムを作る戦略でした。
繰り返しですが、これらは各専門学校からのノウハウを基にこれまでの答練で皆さんが身に付けたものがあるかと思いますので、ここでは具体的な断言は避け、代わりにその極意をお伝えします。
それは、残り10分の予備時間を必ず(×100回は言いたい!)確保することです。これは言わば、合格へのゴールデンタイムです。そして、その10分を使って、解答を飛ばした問題に手を付けたり、ケアレスミスがないかの確認をすることで、自分の答案を仕上げていくのです。
これは、自分の答案に「お化粧」をしていくイメージで、自分が冷静になって本試験問題を俯瞰的に見ることができる時間です。私は簿記論の残り10分で、飛ばしていたBランク問題の積み上げに成功し、財務諸表論では注記穴埋めの解答方法の誤りに気づき、九死に一生を得ました。(選択肢から記号で解答すべきところを、語句をそのまま転記して解答していたことに気づいたのです。その数、何と8問分!)
以上が会計科目における、残り1カ月の「決してやるべきでないこと」・「必ずやるべきこと」です。この1カ月が勝負を決めると思いますので、頑張ってください!
【プロフィール】
JAC
「業界未経験のアラフォー営業マン、税理士を目指す。」
新卒で一般企業に就職し、法人営業を中心に長く働いた後、40代目前で業界未経験の状態から会計事務所に転職。夫婦共働き+子供3人(現在小5・小3・2歳)の子育てをしながら、簿記論・財務諸表論・消費税法の3科目に合格。大学院での論文執筆を経て、税理士資格を取得。
【JACさんの記事紹介】
【税理士合格体験記】業界未経験のアラフォー営業マン、働きながら大学院+3科目合格!











