わたしの独立開業日誌 #社労士・久保田慎平


【編集部から】
士業の魅力は、独立開業できることにもあります。「将来は独立」を目標に合格を目指している方も多いのではないでしょうか。
そこで、「わたしの独立開業日誌」では、独立した先輩方に事務所開業にまつわるエピソードをリレー形式でお話しいただきます(木曜日の隔週連載)。
登場していただくのは、税理士・会計士をはじめ、業務で連携することの多い士業として司法書士や社労士などの実務家も予定しています。
将来の働き方を考えるヒントがきっと見つかるはずです

独立開業のきっかけ

神奈川県川崎市で社会保険労務士法人GOALを経営しております久保田慎平と申します。弊社は、2015年4月開業、2018年9月に法人化をして2023年4月で9年目を迎えます。

プロフィール写真

独立開業前は、都内の社労士事務所で4年間、社労士資格の勉強をしながら勤めていました。社労士を目指したきっかけや独立開業に至るまでの経緯についてはここでは省略しますが、簡単に説明をすると元々勤めていた社労士事務所の所長が社労士業務から離れる、というタイミングと私が社労士試験に合格したタイミングが重なり「独立しちゃいなよ」と言われたのがきっかけです(ご興味ありましたらこちらもご覧ください→https://goal4864.com/beginner)。

当時の社労士試験の合格発表は11月、その頃「4月に独立しちゃいなよ」と言われたので独立開業までに残された時間は半年弱、それからできることを探しました。

開業までに準備したこと

1.「独立開業とは」を調べる

将来的には独立開業・・・と、まったく考えていなかったので、まずは「独立開業とは」を調べました。税理士さんや公認会計士さんなどであれば税務関係の届出、社労士であれば職員を雇用するときの手続きについては知っているかもしれませんが独立開業するということは、それだけではありません。

独立開業に関する書籍を読んだり、商工会議所の創業塾に行ったりしました。士業向けの営業塾にも行きました。このようなものは「ひよこ食い」と揶揄されることもありますが、内容と卒業生の実績がしっかりしたものを選べば独立開業時の武器の一つになると考えています。

2.開業までにできるだけ人脈を作る

とにかく人脈だ!ということで、交流会にはよく参加していました。正直、良かったものも意味がなかったものもたくさんあります。ですが、開業当時から今までお付き合いが続いている方もおり、直接的・間接的に仕事に繋がっているので「とにかく動く」ということが初めは大切なのではないでしょうか。経験してみないと意味があるか無いかも判断できません。

3.収支計画を考える

収支計画といってもそれほどしっかりしたものではなく「開業までにいくら必要か」「1箇月あたりいくら支出があるか」「1箇月あたりいくら収入が必要か」というのをExcelでまとめてみた、という程度のものです。

それを作ってなにをしたかというと「いつまでに月○万円の売り上げを作る」「できなかったら廃業するか、アルバイトをする」という撤退を検討する期限を決めました。士業の独立開業の場合、多額の初期投資や融資を受けることは少ないと思いますが、ズルズルと引き延ばしても傷口が広がるだけです。

なんとか、廃業もアルバイトもせずにここまで生き延びていますが・・・。

独立開業して大変だったこと

独立開業の不安と言えば「営業」と「売上」この2つが主なものなのではないでしょうか。当然、私もこのようなことに不安を感じていました。これに関しては、人によって向き不向きもあると思いますので自分でできそうなものからやってみるしかないと思います。それでも結果が出なければ、やりたくない(苦手な)こともやらざるを得ないこともあるかもしれません。私の場合は「とにかく人に会う」「交流会などに多く参加する」ということをしていました。

営業することと売上を作ること、それが大変だと言えば大変ですが、それは今でも同じですし、事業を継続する以上はやり続けないといけないものだと考えています。

独立開業してよかったこと

独立開業してよかったことは、開業しなければ出会えなかった人たちと出会えたことです。そう思えている時点で私の場合は独立開業に向いていたのかもしれません。

開業が良いのか勤務が良いのか迷っている人もいると思いますがそれは、どちらが良いとかどちらが優れているとかではなく、向き不向きだったり、考え方だったりによると思います。

独立開業した方が時間の使い方が自由になる、というのは間違いありません。ただし、ある程度、売上が安定していることが前提ではありますが・・・。

社労士法人GOALのこれから

弊社は、現在5名体制の事務所ですが今後も業務量に応じて少しずつ、確実に拡大していきたいと考えています。その理由としては、代表である私に万が一のことがあってもお客様からお預かりしている業務に穴をあけないため、もう一つは、職員一人当たり負荷を減らして働きやすい環境を作るためです。

独立開業して組織化していきたい人も、一人(あるいは少数)で一社一社のお客様と向き合っていきたいという人も、または組織の中で専門性を活かしていきたいという人も、様々だと思います。

どの選択も間違いではないですし、途中で変えることもできます。まずは、試験に合格したらどうなりたいのかを具体的にイメージすることが大切だと思います。「わたしの独立開業日誌」にもいろいろな方がいらっしゃいますが、気になる人がいたらSNSをフォローしたり、セミナーなどを開催するようであれば会いに行ってみたりするのも良いかもしれません。

【プロフィール】
久保田 慎平(くぼたしんぺい)
社会保険労務士法人GOAL 代表 特定社会保険労務士。

1983年8月横浜生まれ、横浜育ち。2011年4月に都内の社会保険労務士事務所へ入職、4年間の実務経験後、2015年4月独立開業。2018年9月に行政書士法人GOALと合流し、社会保険労務士法人GOALを設立。
東京・神奈川・埼玉・千葉の中小企業を中心に企業型確定拠出年金(DC/401k)の導入支援や人材の採用・定着支援、クラウドシステム導入支援、労務トラブル防止、企業研修による人材育成に力を入れている。就業規則の関与実績約300件以上、商工会議所や金融機関等のセミナー講師や執筆業も実績多数。
web:https://goal4864.com/
note:https://note.com/goal4864
Twitter:@goal4864

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