【会計人が語るウィズコロナ時代】ひとり税理士+カウンセリングの専門家として、お客様にもっと寄り添えるように


税理士 福田真弓

【編集部から】
2021年4月7日、第1回目の緊急事態宣言から1年。
社会全体で、身の回りで、さまざまな変化がありました。
税理士試験・公認会計士試験・簿記検定試験の受験生のなかには、学習環境がガラリと変わり、モチベーションが下がってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、「会計人としてどんなことができるのだろう」と、キャリアに対して疑問や不安をもたれた方もいるかもしれません。
そこで、そんな皆さんの夢を少しでも応援することができればと思い、第一線で活躍する会計人の方々にメッセージをいただきました。

※4月7日から13日まで、5人の実務家にご登場いただきます。

コロナ禍でも大学院に入学 オンラインの便利さを知った1年

みなさん、こんにちは。税理士の福田真弓です。

海外ではコロナ禍で幸福感がアップしたという調査結果があるそうです。私も工夫しながら充実した1年を送りました。

開業・ひとり税理士なので、働く場所や時間はもともと自由でしたが、オンラインでの取材や個別相談ははじめてでした。

高齢のお客様からはとても感謝され、遠方から家族ぐるみのご相談が増えるという意外な収穫も。ステイホームで家族の会話が増え、財産の見直しをされたとのことです。

2020年4月には、心理学・カウンセリングを学ぶため大学院に入学しました。講義がオンラインになり戸惑いましたが、通学が不要になったことで、講義の復習や論文執筆の準備に時間を割けました。

大学院の同期は教師、薬剤師、臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士、キャリアコンサルタントなど、異業種の方ばかりです。

改めて、自分の仕事内容をわかりやすく説明するため、税理士・ファイナンシャルプランナーの意義を見つめ直すよいきっかけになりました。

「税理士=記帳代行」ではない! 知識と経験を活かす場は∞

私が会社員をやめて税理士試験に挑戦、官報合格したのは20年前です。

最後の受験科目を相続税法に決めたときや、タクトコンサルティングへ転職したときは、理論のボリュームや年収より、「面白そう!やってみたい!」という心の声に従いました。

結果的に今までやってこられたのは、間違いなく「税理士資格」という強力なパスポートと「相続業務」という天職のおかげです。キャリアは点ではなく線で、過去のすべての選択と経験が今と将来のキャリアにつながっていると実感しています。

先行き不透明な状況下で、受験生のみなさんは不安だらけだと思います。

税や会計の知識は幸せな人生を送るには必須ですが、大学院の同期と接し、さまざまな分野のプロであっても、税や会計については知識不足の人が大半だと再認識しました。

記帳代行などの業務は減っても、書く・話す・教える仕事、そして、税理士の知識と経験を活かせる仕事は数限りなくありますし、まだまだ作り出せます。

私は相続業務を通じてたくさんのご家族と接し、相続は家族の人生の総決算で、遺産の取り分や税負担だけの問題ではないと感じてきました。

今年は大学院で「相続人の心理の肯定的変容」について研究する予定です。税理士プラス心理学・カウンセリングの専門家にもなることで、これから出会う人たちの声にもっと耳を傾け、背中を押す役割を果たしていきます。

税理士はお客様から直接報酬をもらい感謝され、かつ、自分の生き方や価値観を大切にしながら成長し続けられる職業です。

コロナ後の新しい税理士像を一緒に作っていきましょう!

<執筆者紹介>
福田 真弓(ふくだ・まゆみ)
株式会社リビング・プランナー 代表取締役
福田真弓税理士事務所 代表税理士
福田真弓オフィシャルサイト


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