わたしの独立開業日誌 #税理士・白濵祐季


35歳で税理士を目指す

はじめまして。2024年11月に和歌山市で独立開業した白濵祐季(しらはまゆうき)です。
現在は税理士として仕事をしていますが、もともとは税理士業界とは無縁の人間でした。新卒で信用金庫に就職し、10年間、営業職として働いていました。そして、2021年、35歳のときに税理士という仕事に興味を持ち、思い切って税理士事務所へ転職しました。

そこから税理士試験の勉強を始め、3科目に合格し、大学院修了による科目免除にて2024年に税理士登録。その1週間後に独立開業しました。

同じように税理士という仕事に興味を持ち、これから税理士を目指される方や独立開業を検討されている方に読んでいただけたらなと思っています。

税理士 白濵祐季

信用金庫の営業マンが、なぜ税理士を目指したのか

新卒で就職した信用金庫では10年間営業職を経験しました。当時、大手金融機関が1%を切る金利で融資を提案するなか、2%を超える金利でのどぶ板営業を行い、玉砕したら上司から「金利差に勝る信頼を勝ち得なかったお前に責任がある!」というような叱責を受け、「いやいや、商品力だろ。やかましいわ。」と心の中で思いながら営業ノルマをこなす日々を過ごしていました。

経営者の方々から事業の話を伺いながら、融資などを通じてお力になる仕事にはやりがいを感じていましたが、もともと学生時代から「いつかは自分で事業を起こしたい」という夢もあり、漠然と「このままサラリーマンとして一生を終えるのは面白くないよな」と感じていました。また、いつか独立するのであれば、これまで信用金庫で経験してきたことを活かせる仕事がしたいと思っていました。

そんな中、よく耳にするのが「税理士先生」という言葉。
よくよく経営者の方々から話を聞いてみると、特に日頃は何もせず、たま~に現れて天気の話を5分くらいして、顧問料なるものを取っていく。どう考えても楽そうなお仕事をされている方だとわかりました(とんでもない誤解)。

そして、とうとう35歳で、”楽な仕事No.1(自分調べ)”の税理士になることを決意。税理士事務所に転職し、税理士試験の勉強を始めました。

余談ですが、信用金庫を辞めるときに一応家族に報告しないとなと思い、「いまから辞表を出してきていい?」と妻にLINEを送ったら「LINEで話す内容じゃない!」とブチギレられました。

お世話になった事務所を辞める決断

30代半ばの税務未経験の元営業職おじさんを採用してくれた前職の税理士事務所の所長には、大変お世話になりました。すべてが初めての経験で、これまでは、業況や融資の可否を判断するために決算書を見ていましたが、「作り手の方はこんな地味な作業をされていたのか」と驚きました。
その上、法定調書、償却資産税、年末調整、源泉の計算、納税の案内など細かい作業や期日管理が山ほどあり、想像していた”楽な仕事No.1(自分調べ)”とは真逆の業務で、誤解していたことを反省しました。

転職して3年で税理士登録し、本来であれば、これから事務所に貢献していくフェーズです。所長もそう期待していたと思います。なので、登録できたからすぐに退職するということについては悩みました。

ただ、自分自身で事業をしたいと思ったから税理士を志しましたし、いつかは独立するつもりでした。そんなとき、ある先輩に「どんなタイミングで辞めても不義理には変わらないよ」と言われ、「確かにそうだな」と思いました。

お世話になった所長には申し訳ない気持ちもありましたが、私自身もう若くもないですし、人生一度きり。「やりたいと思ったことをやってみよう」と、独立することにしました。

余談ですが、退職して独立開業することを一応家族に報告しないとなと思い、「今月、事務所を辞めて開業しようと思います」と妻にLINEを送ったら「どうぞ」と言われました。

引っ越し作業中の事務所スタッフ

クライアント2件、売上3万円からのスタート

2024年11月に独立開業したのですが、開業時にはクライアントは法人1件と個人事業主1件の計2件、開業初月の売上は3万円でした。

ただ、私自身、信用金庫で200件以上のお客様へ融資を行っていたので、クライアントの見込み先は200件以上あると考えてリストアップし、信用金庫時代のお客様のところへ毎日3件程度訪問しました。

税理士変更はなかなかハードルが高いと思っていたので、面談の中では、税理士の変更依頼は一切せずに、「税理士に何を期待しているのか」、「どんなことをしてもらえたら嬉しいか」、また、ちょっとした不満などを聞き、自分の事務所運営に活かそうと考えました。

それに、「税理士になった」という報告だけしておけば、今の顧問税理士と何かあったときに「第一の選択肢」として思い出してもらえるだろうと思っていました。
一方で、それと並行して、金融機関へ挨拶に伺ったり、友人、知人にも積極的に会いました。そこからのご紹介で顧問先は増えていき、ありがたいことに現在の顧問先は100件を超えました。

事務所外観

開業半年、思いがけない事務所承継の話

開業して半年ほど経った頃、和歌山で税理士事務所をされている先生から事務所を引き継がないかとお声がけいただきました。

はじめは、自由にできている今の環境が気に入っていましたし、自身が雇用しているスタッフにその環境の変化を強制するのはどうなのか、承継する事務所に在籍されているスタッフの生活を守っていくことができるのかと悩みました。

でも、そうやって駆け出しの私に声を掛けてくださったことが嬉しく、本当に素敵な先生だったので、自分がお力になれるのであればと、スタッフと相談の上、事務所承継の話をお受けすることにしました。思いがけないお話でしたが、税理士歴50年の大先輩ですので、いろいろな経験を教えていただき、今も助けられています。

スタッフが胸を張れる事務所へ

開業してもうすぐ2年になりますが、私のような能力のない人間がここまで来られたのは、本当にいろいろな方々に支えていただいたからだと実感しています。

吹けば飛ぶような開業間もない事務所にも関わらず、「これからもっと素敵な事務所になる」と信じて転職してきてくれたスタッフが4名います。その転職という決断が間違っていなかったと思ってもらえるよう、日々楽しく仕事ができて、胸を張れる事務所にしていきたいなと考えています。

少し遅めの税理士人生、頑張って歩んでいきます。

<プロフィール>
白濵 祐季(しらはま ゆうき)
税理士
1986年和歌山県生まれ。2011年中央大学卒業後、きのくに信用金庫に就職。2021年和歌山市の税理士事務所へ転職。2022年税理士試験簿記論に合格、2023年税理士試験財務諸表論・消費税法に合格。2024年東亜大学大学院を修了、税理士登録。同年11月、独立開業。 
ホームページ:白濵祐季税理士事務所|和歌山市の税理士事務所
Instagram:@shirahama_155116


関連記事

ページ上部へ戻る