わたしの独立開業日誌 #行政書士・湯地麻紀子
- 2026/2/5
- 独立開業日誌

はじめに
はじめまして。
東京都世田谷区で行政書士として活動する湯地麻紀子と申します。
本稿では、行政書士として独立して見えた「労働型業務の現実」と、続けるために私が選んだ“整える・仕組み化”の工夫をまとめます。
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「もう一度、社会に戻りたい」と思った日
私が行政書士として独立したのは、子育てが一段落し、「もう一度、社会とつながりながら働きたい」と強く思ったことがきっかけでした。
出産後は実家から離れた土地での核家族育児。
日中は子どもと二人きりの、いわゆる“密室育児”の毎日でした。
子育てには喜びもありましたが、「この先、自分は社会に戻れるのだろうか」そんな漠然とした不安が常にありました。
専業主婦としての期間が長く、年齢的にも再就職は簡単ではない。
そこで思ったのです。
「働き先を探すより、自分で働く道をつくってしまえばいいのではないか」
この発想が、行政書士試験への挑戦、そして開業へとつながりました。
行政書士としてのスタートと、仕事のやりがい
2022年1月の合格発表後、すぐに開業準備に取り掛かり、2022年7月に開業届を提出しました。
不安がなかったと言えば嘘になりますが、それでも一歩を踏み出しました。
開業当初に選んだ軸は「契約書業務」でした。
もともと文章を書くことが好きで、編集に携わっていた経験もあり、契約書作成やリーガルチェックは自分の強みを活かせる分野だと感じていました。
実際、行政書士の仕事はとてもやりがいがあります。
一つひとつの案件が、誰かの事業や人生に直結している。
「安心して前に進めました」と言っていただける瞬間は、今でも大きな励みです。
労働型業務の現実と、続けるための工夫
一方で、現実的な課題もありました。
契約書業務はどうしてもスポット対応になりやすく、時間と労力がそのまま成果に直結します。
責任は重く、修正や確認も多い。
「この働き方を、何年も続けられるだろうか」と考えることもありました。
ただ、ここで「やめたい」と思ったわけではありません。
むしろ、
「どうすれば、無理なく続けられるか」
「どうすれば、自分もお客様も楽になるか」
そう考えるようになりました。
そこで、業務の進め方を見直すことにしました。
まずは、ツールを活用しヒアリング項目をフォーム化し最初の聞き漏れを減らすことからスタートし、考え方を整理し、“仕組み”を意識するようにしました。
女性起業家との出会いが、方向性を変えた
SNSで発信を始めると、起業1〜3年目の女性起業家の方々から声をかけていただく機会が増えました。
彼女たちは、家事・育児・仕事、場合によっては介護まで抱えながら、それでも「自分の力で働き続けたい」と願っていました。
その姿は、かつての自分自身と重なりました。
契約書を作るだけでなく、
・トラブルを未然に防ぐ考え方
・安心して働くための土台づくり
・情報の整理や届け方
こうした部分まで含めてサポートすることが、自分の役割なのではないかと感じるようになりました。
なお、女性起業家向けの予防法務については、今回共著として発売された『行政書士 ニッチで稼ぐ開業のリアル』でも詳しく紹介しています。

これからの仕事と、発信のかたち
現在は、行政書士業務を大切に続けながら、その経験や考え方を動画やブログという形で共有する取り組みも少しずつ形にし始めています。
女性起業家は忙しく、時間が細切れになりがちです。
だからこそ、
・いつでも
・必要なところだけ
・自分のペースで
学べるコンテンツは相性が良いと感じています。
行政書士の仕事を否定するのではなく、
続けるために工夫する。
その工夫を、次の誰かに手渡す。
それが、今の私の仕事のスタンスです。
道半ばだからこそ、伝えられること
独立開業は、決して華やかなものではありません。
毎日、小さな選択と積み重ねの連続です。
それでも、「整える力」を身につけることで、未来への不安は少しずつ軽くなっていきます。
起業初期の方ほど、契約やルールが未整備のまま走り出しがちです。
会計や税務と同じく、土台を“整える”ことが、結果的に継続と安心につながると実感しています。
完璧でなくていい。
迷いながらでいい。
私自身も、まだ道半ばです。
だからこそ、同じ立場で悩む方のそばにいられる。
そう信じて、これからも行政書士として、そして発信者として歩み続けたいと思っています。
【プロフィール】
湯地麻紀子(ゆじ・まきこ)
行政書士。レディバード行政書士事務所代表。法政大学法学部政治学科卒。出版社で法律・ビジネス書の編集を経験後、育児と並行して行政書士資格を取得し、2022年7月に開業。個人事業主・起業家・フリーランス向けに、契約書・利用規約の整備、リーガルチェック等の予防法務を支援。無理なく続けられる働き方を目指し、ひとり起業の実情にも寄り添いながら「整える」「仕組みで回す」を軸に発信やサービス設計の整備も行う。著書に『行政書士 ニッチで稼ぐ開業のリアル』(共著、中央経済社)。










