会計士試験現役合格率、驚異の50%超! 合格者に編集部が話を聞いてみた


編集部

前回、中央大学の「経理研究所」(以下「経理研」)の受講生は、驚異の現役公認会計士試験合格率51.1%とご紹介しました。今回は、そのなかでも大学2年時に論文式に合格した山田彩乃さん(現・商学部4年)にお話を聞きました。
中央大学に進学した理由、親元を離れた大学生活と資格試験勉強の両立、経理研のサポート、そして合格後の過ごし方など…。
大学選び、そしてその先の将来の進路の参考になれば幸いです。

大学2年生合格の同期が5名も!?  

編集部:「会計人コースWeb」編集部です。本日はよろしくお願いします!

山田さん:よろしくお願いします!

編集部:早速ですが、公認会計士試験には、いつ合格されたのですか?

山田さん:今は大学4年なので、けっこう時間は経ってしまったのですが、2年前の大学2年の8月に論文式試験に合格しました。

編集部:それは、かなり早いほうなのでは!?

山田さん:もしかするとそうかもしれません。ただ、経理研は現役生の合格率が高いということもあって、2年時に合格した同期が5名ほどいます。

編集部:それだけ仲間・ライバルがいると、合格に向けて切磋琢磨する環境が整っていそうですね。今日は試験勉強のことはもちろん、中央大学への進学理由や経理研の雰囲気などもお聞きできればと思います。

山田さん(商学部4年)

部活一筋の高校生活から一転

編集部:大学に進学する前は、どのような高校生活を送っていましたか?

山田さん:高校時代は部活中心の生活を送っていました。陸上で棒高跳びをやっていて、先輩にすごい方がいらっしゃったので、その方に憧れて部活を頑張っていました。それと同時に、高校自体が簿記で割と有名な県立岐阜商業高校だったので、クラスメイトに何人も簿記が得意な同級生がいました。その子たちにも負けたくない思いもあって、部活を終えて帰ってから、夜中まで勉強したりはしていました。

編集部:商業高校だと、普通科で受けるような英語や数学に加えて、簿記の授業もありますよね?

山田さん:そうですね、授業に組み込まれていましたし、部活としての簿記部も強豪でした。簿記に力を注ぐことができたのは、3年生のときにケガをしてしまった影響で陸上ができなくなり、不完全燃焼だったこともあるかもしれません。幸い日商簿記1級を取得できたので、それを利用した大学推薦の話をいくつかいただきました。

会計士を目指して中央大学に進学

編集部:どういった大学を進学先に考えていたのですか?

山田さん:まず棒高跳びの先輩が進学していた同志社大学を考えました。ケガをしてしまって高校時代はなかなか結果が残せなかったので、大学でも続けたい思いがあったのと、何より憧れていた先輩が通う大学ということが大きかったです。次に、名古屋市立大学です。岐阜の実家から通える範囲ですし、学費も抑えられるので魅力的でした。そして、中央大学です。経理研の存在は高校時代から知っていて、公認会計士試験の合格者もこの3校では圧倒的とはわかっていました。ただ、一人暮らしを伴いますし費用面で悩みました。

編集部:それでも、なぜ中央大学に進学を?

山田さん:将来、会計士になりたい思いが強かったのだと思います。それと、キャンパスの雰囲気にひかれました。東京23区にある大学は近くに誘惑がたくさんあるので、試験合格を優先して考えるなら、ある程度そうしたところとは距離があったほうがよいかなと。また、経理研に通うとキャンパス内ですべて完結しますし。

あと、周りの方の後押しも大きかったです。高校の先生には、「会計士向いているよ!」と声掛けしてくれたり、親には一人暮らしでお金がかかるけれど、「東京に行って、やりたいことやっておいで」と快く送り出してもらったり。本当に感謝しています。

経理研究所の入る「炎の塔」

気になる1人暮らしの費用面は?

編集部:費用面が気になるのですが、教えていただけますか。

山田さん:他大学に通ってダブルスクールをするよりは、確実に抑えられると思います。専門学校に通う費用自体、経理研は6割程度ですみますし、1人暮らしをするにしてもキャンパス周辺は家賃が安いので。

そのほか、奨学金も充実しています。入学前には知らなかったのですが、経理研の先輩がいろいろと教えてくれるので助かりました。ある程度高いGPAを維持する努力は必要ですが、頑張る学生には優しい制度が整っている大学のように思います。

編集部:大学の授業が会計士試験の勉強につながることはありましたか?

山田さん:商学部の授業は、会計士試験と関係のあるものが多いように思います。私が特に面白いと感じたのは、法律の授業でした。なかでも会社法の授業では、実際の裁判例をもとにケースを取り上げて紹介していました。試験勉強でその内容は知っているものの、そこまで深掘りしたことはなかったので、勉強で学んだ理論とケースがつながって面白かったですね。

編集部:大学の授業と資格試験の勉強を両立させるために、工夫していたことはありますか?

山田さん:ごはんをしっかり食べることは基本にしていました。そのため、というわけでもないですが、大学に朝早く来て1限目の授業はなるべく入れるようにして、2限目には食堂で早めのお昼ご飯を食べるというリズムを作っていました。

編集部:今はアルバイトをしていますか?

山田さん:はい、経理研で後輩を指導する学生スタッフと、カフェでアルバイトをしています。会計士試験合格後には、監査法人でアルバイトをすることもできるのですが、今しかできないアルバイトも経験しておきたいと思って選びました。カフェでアルバイトをするのに憧れがあって(笑)。経理研の学生スタッフは、自分の知識や経験を伝えることができればよいなと思って続けています。

同じ目的を共有できることが強み

編集部:経理研のお話が出たので、具体的に経理研について教えてください。どんな雰囲気なのでしょう?

山田さん:先輩の学生スタッフの方が素敵な方ばかりでした。自分がつらかったときには寄り添ってくれて、合格したときには一緒に喜んでくれて、本当に大きな存在でした。試験勉強のことだけにかぎらず、大学の授業や制度についても親身に相談にのってくれたのがありがたかったです。さきほどお伝えしたように、奨学金についても先輩が教えてくれました。

今、学生スタッフとしてアルバイトをしているのも、後輩への恩送りというと大げさになってしまいますが、自分も先輩に助けてもらってきたので、何か私ができることがあればと思って続けています。

編集部:学生同士の距離はどうですか?

山田さん:合格するまではよい意味でライバルとして刺激を受けていました。たとえば、経理研の自習室は席が固定なのですが、自分が朝早く行っても、もうすでに勉強を始めている人もいるのです。そうすると、負けたくないのでその人よりは遅くまで残って勉強しようとしてみたり。

ただ、ライバルというだけではなくて、席が近い人は勉強の進捗も近い人なので仲良くなりやすくて、お互いのわからないところを教えあったり、お昼に談話室で息抜きの会話をしたりと、よい距離感で勉強を進めることができていました。

自習室は固定席

授業はオンデマンド、テキストは自分に合うものを選択可

編集部:自分の席のある自習室がもらえるようになるには、入室試験があると聞いたのですが…?

山田さん:あります。上級コースというのですが、経理研究所が用意した日商簿記2級レベルの問題を解いて、90点以上とることができれば上級コースに入ることが認められます。ただ、落とす試験ではなくて、試験勉強に向けて本気度を試す試験という位置づけなので、そこまで厳しいわけではないと思います。

日商簿記検定試験が6月とか11月にあるので、一般的にはその後に上級コースの募集があります。ただ、大学入学時点で2級や1級に合格していれば、事情を経理研究所のスタッフの方に話して、上級コースの入室テストを受けさせてもらうことは可能です。

編集部:授業はオンラインが中心ですか?

山田さん:はい、主にいつでも見られるオンデマンド授業ですね。自分のデバイスで授業を受けて、わからないところがあれば講師の方が来られたときに質問しにいったり、学生スタッフの方に聞いたりといった流れです。大教室にみんなが集まって講義を受けるわけではないので、自分のペースで学習が進められます。

ただ、模擬試験のような「答練」は大教室で本番さながらに行われますし、論点別の集中講義は皆が大教室に集まって開催されることもありました。私はそうしたリアルの講義も好きでしたね。

編集部:テキストは経理研オリジナルのものを使用していると聞きました。

山田さん:基本的には、経理研のテキストを使用して勉強します。特に会計学を中心とした計算の力を伸ばすことに特色のある教材です。長年、合格者を輩出してきた実績がありますので、安心感や信頼感があります。最近は経理研の教材を消化しきった受験生は、TACの模試や答案練習を追加で受験できて、より充実した試験対策ができるようになっていると感じます。

将来的には地元への貢献も

編集部:最後に、山田さんの将来の夢ややりたいことについて教えてください。

山田さん:あるBig4の監査法人に内定をいただいているので、大学卒業後はそちらでお世話になります。内定先は監査体制がBig4のなかでも最も監査体制や管理がしっかりしていると感じたので、まずはそちらで仕事をしっかりできるようになりたいと考えています。

そのうえで、将来的には地元・岐阜への恩返しもしたいと考えています。内定をいただいている監査法人には名古屋事務所があり、そちらは事業部がわかれていないと聞いています。金融やエンタメ、パブリックセクターなど、いろいろな事業に携わりながら、地元に貢献していける社会人になれればと考えています。

編集部:本日はありがとうございました。

経理研の自習室へ続く内階段にて


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