BIG4で活躍したい受験生が知っておくべきこと~【スキルセット編】英語・文章力・パソコンスキル


ZENTA(税理士)

昨日の記事に続き、今回はBig4で活躍するために必要なスキルセットについてお伝えできればと思います。これは勉強というより、以下のようなスキルがあると有利なのでそれを踏まえて普段の仕事や生活に取り組んでいただく、という方がよいかもしれません。不安な方向けに、私が実際にお世話になっているおすすめ本も載せていますのでよかったら参考にしてみてください。

英語

Big4は国際税務において、日本の最先端にいます。そして、その現場では主に英語が使われています。すなわち、業務において英語が使えると、Big4では重宝されます。

入社前は、Big4で英語を使っている人は海外MBAを取得している方や帰国子女ばかりだと思っていたので、私みたいなノンネイティブが太刀打ちできるのか?と不安でした。でも実際に入社してみて、決してそんな人ばかりではないということが分かりました。英語の4技能で言うと、比較的瞬発力を必要としないリーディングとライティングがある程度できれば、スピーキングやリスニングは得意な人に任せるなどしてうまくやりくりすることも可能です。税務の仕事を通じて英語も上達させたいという方には最適な職場だと思います。もちろん、海外赴任のチャンスもあります。

では、英語が全くできなければBig4で活躍できないのかというと、そんなことはありません。上記のように、どうしても英語が必要なときは周りのサポートが得られますし、「英語を使う仕事はしたくない」と上司に伝えておけば、アサインの際に考慮してもらえるはずです。

それでも、英語ができる方、もしくは入社後に学びたい!と考えている方のほうが有利であることは事実だと思います。

ちなみに、これから英語を使って税務の仕事をしたいという方には、以下の本がおすすめです。私も仕事の際は常に手元に置いており、よく参照しています。

英和・和英海外取引で使える会計・税務用語辞典 | 中央経済社ビジネス専門書オンライン

文章力

Big4では、コミュニケーションは主にメールやチャットで行われます。クライアントとのやり取りもメールがメインです。もちろん対面やオンライン会議でコミュニケーションを取ることもありますが、頻度でいうと圧倒的に文章の方が多いと思います。

すなわち、ポイントを簡潔に、分かりやすく文章で説明できる力が問われます。

文章は「相手と自分の情報差を埋めるツールである」ことを念頭に置きつつ、自分の伝えたいことを書いて終わりにするのではなく、読み手の立場になって、どう伝えれば一番分かりやすいかを考えて文章を構成する。案外これができている人は少ないように思います。

でも、これに慣れることができれば、Big4での勤務で有利に働くことは確実ですし、私が税理士試験で重要と考えている理論対策にも活かせますので、一石二鳥ではないかと思っています(こちらの記事をご参照ください)。

ご自身の書く文章が、読み手にきちんと伝わっているか考えてみたことはありますか?分かりやすい文章構成となっているか、文法的な間違いはないか、メールの送付前に確認していますか?今ならAIにチェックしてもらうのもいいかもしれませんね。

仕事で使う文章をいかに構造的で、伝わりやすい形で表現できるか、ということに関しては、私自身はこの本で勉強しました。ご興味がある方は読んでみてください。ただ、この本は少し概念的な話が多く難易度も高めです。この本をおすすめしてくださった方からも、「一度読むだけでは難しすぎてよくわからないので、最低でも5回は読み返した方がよい」と言われました。

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パソコンスキル

税務の仕事ではExcelを多用します。税額インパクトのシミュレーションなどを行ったり、社内メモとして分析・検討内容の経緯を書いたりと、Excelは毎日使います。報告書であればWordやPowerPointがメインです。また、ショートカットキーも多用します。

Big4はスピード感のある職場ですので、これらのツールを一通り使えるようにしておかないと、入社後に「周りについていけない!」という事態に陥ってしまう可能性があります。

これは普段の業務を通じて覚えるしかないのですが、便利な機能はインターネットですぐ調べられます。ショートカットキーも、マスターすると仕事が格段に速くなるので、困ったら「こんな機能がないか」とインターネットで調べたり、AIに聞いてみたりするクセをつけることをおすすめします。

私は上記のやり方で一通りのパソコンスキルを身に付けたのでおすすめの書籍は持っていないのですが、不安であれば本屋で並んでいるExcel操作のおすすめ本や、PowerPointスライド作成のガイド本を買われるのもいいと思います。

おわりに

以上、2回にわたって、Big4で活躍するために受験生時代から意識しておきたいマインドセット・スキルセットについてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。

繰り返しになりますが、あくまで皆さんの現在のゴールは試験合格です。今回の記事の内容を意識しすぎて勉強が疎かになってしまった・・・なんてことになると本末転倒ですので、たまに「そういえばこんなこと言ってた奴いたな」と思い出していただくくらいで十分です。

皆さんの今後のキャリアを考えるにあたり、少しでも参考になりましたら幸いです。

【執筆者紹介】
ZENTA
税理士・大手税理士法人勤務
税理士試験簿記論(2011年)、財務諸表論(2013年)に合格後は、海外赴任などで試験から遠ざかっていたが、2019年1月に勉強を再開。その後、国税徴収法(2019年)、消費税法(2020年)、法人税法(2021年)の税法科目に一発合格。2022年税理士登録。
官報合格後、地方税理士法人から都内の大手税理士法人へ転職し、現在に至る。
・X(旧Twitter)(@ZENTA01089218


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