【税理士試験】官報合格者6人に聞く!①ゴールデンウィークの過ごし方


8月の税理士試験に向けて、いよいよ直前期を迎えました! ゴールデンウィークにはまとまった時間を確保し、効率よく勉強したいと考えている受験生も多いのではないでしょうか。

官報合格者はこの時期にどのような取り組み方をしていたのでしょうか。そこで、以下の7つのテーマについて、6名の官報合格者にお聞きしました(テーマごとに随時掲載)。

<テーマ紹介>
第1回 ゴールデンウィークの過ごし方(本記事)
第2回 答練の活かし方
第3回 模試への向き合い方(4月26日掲載予定)
第4回 計算対策(5月7日掲載予定)
第5回 理論対策(5月8日掲載予定)
第6回 不安の乗り越え方(5月9日掲載予定)
第7回 過去問の活かし方(5月10日掲載予定)

まさに、直前期の税理士受験生が抱える”あるある”なお悩みに対して、ヒントが満載です! ぜひ参考にして今後の戦略に役立てください。

※回答者は五十音順・敬称略、年齢や職業は官報合格時

Q カリキュラムや学習計画から遅れています。巻き返したいのですが、ゴールデンウィークはどのように過ごしていましたか?

「取捨選択」と「集中」を繰り返す!(かんと(20代、経理職))

私の場合、ゴールデンウィークは以下のようなスケジュールで過ごしていました。
朝:前日分の理論の復習をした後、法人税法の計算問題を解く。
昼:家族との予定を優先することが多く、普段通りに過ごす。
夕:所得税法の計算問題を解く。
夜:子どもが寝た後は1日の復習をし、就寝前に法人税法と所得税法の理論集を読む。

私も自分で立てた学習計画通りに進まなかったときに巻き返したい気持ちはありましたが、「専門学校のカリキュラムを全部こなさないと合格できない、というわけではない」と割り切り、やるべきことの取捨選択と集中を繰り返しました。
計画倒れにならないコツは、試験日から逆算してやるべきことを取捨選択し、日々の実績と照らしながら学習計画も都度軌道修正することだと思います。

▶︎かんとさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・法人税法・所得税法・消費税法
合格体験記:「育児・家事・仕事・学習の4足の草鞋を履いて、法人税法&所得税法を同時合格&官報達成!

「模試の解きなおし」を進める!(CR(20代、専念))

ゴールデンウィークには模試の解きなおしをひたすら進めました。
どの学校も4月から模試等が始まると思います。5月頭はまだ模試のサイクルや難易度に慣れていなかったので私も解きなおしが計画通りに進んでいませんでした。
そのため、溜めてしまった模試を繰り返し解き、より難しい問題への準備期間としました。

学習が遅れている方はまず、ゴールデンウィークだけの学習スケジュールを改めて組みなおしてみるといいと思います。
自分が終わらせたいタスクが全て消化できるのか、できないのであれば優先順位が高いのかなど、焦らず1つ1つ明確に潰していくことをお勧めします。
本試験に向けて大事な期間ですので休みつつ、だらけすぎないように過ごしましょう。

▶︎CRさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・固定資産税・法人税法・国税徴収法
合格体験記:「全科目一発&2年で官報合格! 「科目ごとの勉強アプローチ」がカギ

理論暗記を中心に、疲れたら計算演習(竹内孝秀(大学4年))

私はカリキュラムから遅れていなかったので、ゴールデンウィーク明けから始まる答練の勉強を中心にしていました。

ゴールデンウィーク期間、毎日朝から晩まで勉強に時間を充てることができました。
そのため苦手な理論暗記に重きを置いて、頭が疲れてきたり暗記が進まなくなってきたりしたら、計算をやって頭をリセットしました。
複数科目やっているときは、科目を変えて気分転換していました。

ゴールデンウィークがある5月は、私が利用していた資格の大原では実力判定公開模擬試験(いわゆる実判)が始まる月です。
大原の実判は、理論・計算ともに毎回それぞれで出題範囲が指定されています。
私の場合、計算が理論に比べて順調でしたので、計算は範囲指定にかかわらず全ての範囲を網羅的に復習していました。

この際、9月から4月まで毎月末行われていた確認テストをもとに復習しました。
すでにやったことのある問題でしたし、しっかりと復習したことがあるものなので、だいたい標準時間の8〜9割ほどの時間で満点近く取れます。ここで取りこぼしたものは再度復習します。
また、テキストに戻って確認するときに、その取りこぼした項目の周りの項目も一緒に確認していきました。

一方で、理論については、範囲指定に従って復習を進めました。
毎週答練が行われ、範囲も膨大になってきます。
ゴールデンウィーク中は比較的時間がとれるので、毎回の実判で扱う理論を一度は目を通して思い出すようにしていました。
それに加えてゴールデンウィークが明けてすぐの答練の理論範囲の暗記をしていました。

カリキュラムから遅れており、巻き返しを図りたいということでしたら、まずはカリキュラムに沿って個別問題集から手を付けていくのがいいと思います。

▶︎竹内さん
合格科目:簿記論・財務諸表論・所得税法・法人税法・相続税法
合格体験記:「大学在学中に国税3法で官報合格を達成! 決め手は計算・理論ともに「理解」から攻めたこと

優先順位を考え、理論暗記を少しでも進める!(たこやき(30代、会計事務所勤務))

私も毎年ゴールデンウィーク前まで遅れていました…(汗)

①ゴールデンウィークの予定を立てる
②優先順位を作る
この2つを徹底してください。

①はまず、自分がゴールデンウィーク中に勉強時間を何時間捻出できるかを把握することです。
最高で何時間勉強できるのかを把握し、そこから何に使っていくかの予定を組み立ててください。

②はゴールデンウィークのようにまとまった時間が取れるのは、本試験前に有給休暇を取れる人たちを除いたらここが最後です。
ここで勉強の優先順位を間違えたらもう巻き返しがきかないと思います。
逆にここで優先順位をきちんと考えれば本試験で十分戦えると思います。

まず、ゴールデンウィークまでの講義はどの科目を取っていたとしてもとても大切です。
なので、もし講義の未消化があったら最優先で消化しましょう。

その後は進捗にもよりますが、ゴールデンウィーク明けの答練では理論の範囲が増えてきます。
なので、重要理論で覚えきれていないものがあったら重要理論を入れ込む時間に充てるのがおすすめです。
初学者だと、答練期の理論範囲が多すぎて回しきれずにメンタルがやられてしまうので、ゴールデンウィーク中に理論を少しでも先に進めていくことをおすすめします。

▶︎たこやきさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・消費税法・相続税法・法人税法
合格体験記:「「本命科目」と「もう1科目」の同時学習がカギ! 働きながら6年で官報合格!

理論暗記にじっくり時間をかける!(ボザイ(30代、税理士法人勤務))

web通信で受講しており講義は倍速で聞いていたため、わりと講義にはついていけていました。

確定申告で勉強が満足にできない時期があり、自分が計画した勉強スケジュールがこなせず焦りを感じていることは何度もありました。
そんな時はまず計画の練り直しをすると気分も一旦リセットされるのでおすすめです。

ゴールデンウィークの過ごし方でいうと力を入れていたのは理論暗記です。
試験が近づいてきて理論の重要性が高まってくる中で、じっくり時間をかけられるこのタイミングは非常に貴重です。
どこを覚えてどこを捨てるかもこの時期ぐらいになると見えてくると思います。

▶︎ボザイさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・消費税法・法人税法・相続税法
合格インタビュー記事:「ボザイさんに聞く! 税理士試験 簿・財独学から始まった官報合格までの道

無意識に勉強できる「癖」をつける!(もち(40代、税理士法人勤務))

これまで学習スケジュールというものを立てずに学習していたので、「ゴールデンウィークで巻き返しを図りたい」というご質問に対しては、「そのようにしていただければ」としかお答えできません。

私は1年間の学習で科目合格を目標としていませんでしたので、ゴールデンウィークかどうかを問わず、公共交通機関での移動の最中は必ず理論の暗記をし、毎日最低10分間は計算問題を解く、ということを「癖」といえるぐらい無意識に行うようにしていました。

▶︎もちさん
合格科目:簿記論・財務諸表論・消費税法・所得税法・相続税法
合格体験記:「13年かけて掴んだ5科目合格! すべて独学だからこそ、実務に役立つノウハウを得た‼

いかがでしたか。
官報合格者によって、カリキュラムどおりに進んでいた人・遅れていた人、そもそもスケジュールを立てていなかった人などさまざまです。本試験から逆算して「ここからどうするか」を念頭に、ゴールデンウィークの戦略を今から練っておきましょう!

次回は、「答練の活かし方」について官報合格者からのヒントをまとめます。

直前期にオススメの書籍

税理士試験 簿記論 直前予想問題集
中央経済社 編
定価(紙版):2,750円(税込)
発行日:2024/04/11
B5判 / 204頁
ISBN:978-4-502-49881-7
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税理士試験 財務諸表論 直前予想問題集
中央経済社 編
定価(紙版):2,750円(税込)
発行日:2024/04/11
B5判 / 192頁
ISBN:978-4-502-49871-8
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