【編集部より】
新年度スタート目前! 「スキルアップがしたい!」、「キャリアやプライベートで新しい発見がしたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか。そこで、本企画では、実務家・講師などの読書愛好家から、会計人コースWeb読者の皆さんにオススメする「春休みの課題図書」をご紹介いただきました(1日お一人の記事を順不同で掲載します・不定期)。
受験勉強はもちろん、仕事や人生において新しい気づきを与えてくれる書籍がたくさんラインナップされています。ぜひこの機会にお手にとってみてください!
今回の記事では、石野裕之先生(税理士)に課題図書をお薦めいただきました!
オススメ書籍①『確実に資産を残す 相続・税金対策の教科書』(乾比呂人、明日香出版社)
この本の一節に、私が至言だと感じさせられた文章があります。
「自分の専門分野しか知らない人に成功者はいません。その分野で当たり前だと思われていること、すなわち常識を疑わないからです。新しいアイデアを生み出すことができないため、変革を起こせないのです。
いつの時代でもイノベーションを起こすのは、さまざまな分野からヒントを得て、それを自分の分野に持ち込んだ人です。音楽、美術、スポーツの分野などから概念を借用してきて、自分の分野で新しい世界を作り上げていくのです。」
これからは多様性の時代、「常識を疑う視点」や「転換力」というものが必要になってきます。
私は、X(旧Twitter)で「若手国税税理士」というジャンルを開拓した1人だと自認しており、X(旧Twitter)の税理士業界界隈に、漫画・アニメ・ゲーム等のオタク分野や、異性との恋愛分野を持ち込み、良くも悪くも影響を与えていると感じています。
この本の筆者は、私と同様、元国税調査官であり、調査官時代は、おそらく資産課税部門という相続税、贈与税及び所得税(譲渡所得)をメインで扱うセクションに在籍されていたと推察されます。
相続税を中心に税法全般の基礎知識を学べるとともに、様々な富裕層を見てきた筆者の経験則、知見が上記の引用文にあるように、冷静に淡々と散りばめられており、お薦めの一冊です。
オススメ書籍②『サンクチュアリ』(史村 翔(原作)・池上遼一(作画)、小学館)
幼少期に地獄を生き抜いた2人の男が、1人は政治の世界へ、もう1人は極道の世界へ飛び込み、日本を抜本的に変えようと秘密裏に協力し合いながら、頂点に昇りつめようと奮闘する漫画です。
2人がどちらの世界に飛び込むかを決めたのは「じゃんけん」。
一気に昇りつめるために、ダーティプレイも使います。敵対する勢力・キャラクターも一癖二癖ある魑魅魍魎(ちみもうりょう)だらけ。
学生時代に読んで、「漢」とは何たるか、熱い気持ちにさせられた漫画です。
絶対正義、絶対悪など存在せず、魑魅魍魎、理不尽だらけのこの世の中で生き抜くマインド、自分自身の中にある信念・正義に従って生き抜こうと感じさせられました。
軽減税率、レジ袋有料化、定額減税など、政治家の票田集めのための上っ面だけのとんでも政策、複雑怪奇な税制のせいで、日本の生産力がそぎ落とされていき、国力が弱まり、諸外国に敗北している今の日本を予測していたかのような漫画です。
熱い気持ちになりたい、熱く生きたいという気概や野心を持ちたい方にお薦めの漫画です。
オススメ書籍③『ウケる技術』(水野敬也・小林昌平・山本周嗣、新潮社)
税理士として独立すると営業力は必須、会計事務所に勤務するにしても周囲とのコミュニケーションは必要です。営業力・コミュニケーション能力というのは「モテ」にもつながります。
私は特段、コミュニケーション能力があるわけではなく、コミュ障寄りです。若かりし頃、コンプレックスを拗らせ、この書籍を手に取りました。
男女関係なく、モテるためには、ユーモアが必要です。
かっこいいわけでもないのに、もの凄い美女を連れている男性っていますよね。
男性に関しては、自信とコミュニケーション能力さえあれば、低身長でも低収入でも禿げていてもデブでも不細工でも、ウケる異性にはウケます。
この書籍をそのまま真似ても寒いのですが、こんな切り返し方があるんだと頭に留めておいて損はありません。「こんな真面目風な人がこんな砕けたことが言えるんだ!」と意外性を垣間見せることができれば、一目置かれる存在になれるかもしれませんね。
自分のキャラクターに合わせて、カスタマイズするためのコミュニケーション能力養成本です。
<執筆者紹介>
石野 裕之(いしの・ひろゆき)
元国税調査官、税理士。
1982年生まれ。同志社大学法学部法律学科卒業。国税局に採用後、入局2年目に自身が手掛けた一般税務調査事案が優良事績(MVP)として国税局長より表彰された実績(事実上最速)や、法人調査にて、税務署長より優良賞を表彰された実績がある。医療特化型税理士法人、ベンチャー企業の経理主任を経て、2020年独立開業。税務調査対応、個人事業主の税務、クラウド会計やITツールを活用したバックオフィスの効率化等を得意としている。
・Xアカウント(@noppezeirishi)