連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第42回)ー 棚卸資産会計⑥


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

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問題

簿価切下げによる棚卸評価損は,なぜ売上原価となるか?

解答・解説

収益性が低下した場合の簿価切下額は,販売活動を行う上で不可避的に発生したものであるため,売上高に対応する売上原価として扱うことが適当と考えられる。ただし,簿価切下額が,販売促進に起因する場合には販売費と考えられるが,販売促進に起因するという意味を拡大解釈し,本来販売費として処理すべきではないものも販売費とするような濫用のおそれがあるため,認められていない。

*棚卸資産会計基準62項,63項
 ”売上原価は良くて販売費はダメ!”

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
第37回 棚卸資産会計①
第38回 棚卸資産会計②
第39回 棚卸資産会計③
第40回 棚卸資産会計④
第41回 棚卸資産会計⑤

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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