税理士・会計士・日商1級 絶対落とせない財表理論45ー第8回 有価証券③


村上翔一(敬愛大学准教授)

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問題

満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券を( ア )と呼ぶ。( ア )は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得原価と債券金額との差額の性格が( イ )と認められるときは、( ウ )に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額としなければならない。( ウ )は、有価証券利息をその利息期間にわたって期間配分する方法であり、( エ )と( オ )があり、原則が前者である。なお、時価が算定できるものであっても、( ア )は約定利息及び元本の受取りを目的としており、満期までの間の金利変動による( カ )を認める必要がないことから、原則として、( ウ )に基づいて期末評価を行う。

解答・解説

ア 満期保有目的の債券
イ 金利の調整
ウ 償却原価法
エ 利息法 
オ 定額法
カ 価格変動のリスク

金融商品に関する会計基準(企業会計基準第10号)、pars.16、71-72
金融商品会計に関する実務指針(会計制度委員会報告第14号)、pars.70、274 満期保有目的の債券に区分する場合、「満期まで所有する積極的な意思」という主観的な要件だけでなく、「満期まで所有する能力」という外形的な要件も必要とされる(金融商品会計に関する実務指針、par.273)。

◎復習しましょう!(バックナンバー)
第1回 棚卸資産①
第2回 棚卸資産②
第3回 棚卸資産③
第4回 棚卸資産④
第5回 棚卸資産⑤
第6回 有価証券①
第7回 有価証券②

【執筆者紹介】
村上 翔一
(むらかみ しょういち)
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士(経営学))。明治大学専門職大学院会計専門職研究科教育補助講師、敬愛大学専任講師を経て現在敬愛大学経済学部准教授。
<主な論文>
「保有者における電子マネーの会計処理」『簿記研究』(日本簿記学会)第2巻第1号、2019年(日本簿記学会奨励賞)
「ICOに関する会計処理」『敬愛大学研究論集』第98号、2020年
「ブロックチェーン技術の進展と簿記」『AI時代に複式簿記は終焉するか』(岩崎勇編著)、税務経理協会、2021年
「コンセンサス・アルゴリズムの観点に基づく暗号資産の会計処理―マイニング、ステーキング、ハーベスティングの理解を通じて―」『敬愛大学研究論集』第100号、2021年 他

*本連載は、会計人コース2019年11月号「特集:勉強したくなる「習慣化」のススメ 7日間理論ドリル」を大幅に加筆修正したものです。


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