【税理士試験】タイプ別に見直そう! 合格発表日までの過ごし方


※ 本記事は、会計人コース2018年11月号「タイプ別に見直そう! 合格発表日までの過ごし方」を編集部で再構成したものです。

平井 孝道
(株式会社M-Cass 代表取締役)

最初は余裕でも後々……そうならないために!

私は受験生時代、最初の年は専門学校に渡されるカリキュラムと教材をそのまま使い、特に自分では何もせずに、カリキュラムに沿って学習を進めていました。

最初の数ヵ月は講義も少なく、学ぶ論点も基本的なものだったので、特に問題を感じずに勉強していたのですが、カリキュラムも応用期に入り、答練が始まると段々とつらくなり、直前期に入ると今までの復習に加え、直前期に学ぶ論点や本試験レベルの答練にまったくついていけなくなり,とうとうギブアップした、という経験があります。

すでに受験した方で、このような経験のある方は意外と多いのではないでしょうか。また、初受験の方は気をつけてください。

本記事では、私のような経験を可能なかぎり避け、合格に向けて最短距離で進む方法を紹介します。

フローチャートで自分のタイプを探ってみよう!

あなたの最終目標である「税理士試験に合格する」ためには、合格発表日までを効果的に過ごすことが重要です。

そこで、次のフローチャートで、まずはあなたのタイプを診断してください。それぞれのタイプ別にアドバイスをしていきます。

あなたはどのタイプでしたか?
Aタイプ
Bタイプ
Cタイプ
Dタイプ
Eタイプ
Fタイプ

【タイプ別】合格発表日までの過ごし方

Aタイプ

勉強のペースを維持し、将来のライフプランも考えてみましょう!

今まで積み上げてきた自分にあった勉強ペースがすでにあるかと思いますので、それを維持するようにしましょう。

ただし、人間は機械ではありませんから気持ちやモチベーションに波があります。今はまだやる気が続いたとしても、年が明けるとなぜかやる気がでないということも往々にしてあります。

よって、この時期は勉強もそこそこに学習計画を立てる、税理士登録のためのライフプランを立てる、といったことをやっておくのもよいでしょう。

Bタイプ

過去問(=本試験)等の研究をしておきましょう!

合格者にインタビューしたときに共通して出てきたワードがあります。

・まだ完全に理解できていない段階から過去問を利用していた

・1回転目が終わってから過去問を利用しはじめた

・過去問を研究する時間をとっていた

・自分なりに過去問の解説を作っていた  

ですので、しっかりと税法科目について、「出題形式」、「理論と計算の比重」、「ボーダーライン」を自分なりに研究しておきましょう。

また、税理士試験では科目免除の方法もあり、5科目合格だけが税理士への道ではありません。ライフプランとともに、税理士になるための他のルートについても研究しておきましょう。

Cタイプ

本試験までの見通しをつけ、やるべきことを明確にしましょう!

今の時期に、来年度の試験に向けて、合格のために最低限やるべきことを見える状態にしておくと、現実的な学習計画を立てることもできますし、何よりゴールまでの見通しがなんとなくでもつくので、精神的に非常に楽です。

そのための方法として、下記のことをやっておきましょう。

① 市販の過去問集を用意する

② 過去5年分くらい試験で出題されている論点を書き出してみる

③ よく出題されている論点をピックアップするとともに、合格ラインを調べる

④ ③のよく出題されている論点を優先的にマスターするための勉強時間を勘案してみる。  

Dタイプ

同じことを繰り返さない学習方法を見直しておきましょう!

このまま自己流の不合理な学習方法を続けても、同じ結果になる可能性が十分にあります。そこで、この時期に抜本的に自分自身の学習方法を見直しましょう。

たとえば、合格者の勉強方法において、次のような共通点があります。勉強方法改善の参考にしてみてください。

【テキストやノートの使い方】

自分の言葉で、自分なりの説明で書いている(板書などを単に書き写していない)。

【過去問の利用について】

過去問を研究し、頻出の論点や得点源になる論点、得点しにくい論点や出題形式、資料の与え方などを自分なりに調べている。

Eタイプ

計算と理論をセットで学習するスタイルを身につけましょう!

簿記の仕訳の裏には、会計の考え方や会計基準が存在します。そこで、簿記の仕訳を本当の意味で理解し、膨大な仕訳を記憶にとどめるために「計算+理論」はセットで学習するようにしましょう。

仕訳では、「①認識、②測定、③表示」と3つの視点で会計理論と会計基準とをあわせて学習するスタイルを今のうちに身につけましょう。

Fタイプ

簿記は仕訳が命です。この時期に仕訳力を身につけましょう!

簿記は「仕訳が命」です。仕訳ができればすべての問題が解けます。このため、今の時期に仕訳力を判定し、この仕訳力を引き上げる努力をしましょう。

具体的には問題集や答練などの問題の仕訳を白紙にすべて行ってみてください。できない仕訳があれば、そこがあなたの弱点です。よって、その部分に関してはテキストまで戻り、仕訳の意味についてしっかりと理解するようにしましょう。

【執筆者紹介】
平井 孝道(ひらい・たかみち)
株式会社M-Cass  代表取締役
日商簿記検定1級合格、税理士試験2科目合格、公認会計士試験合格。専門学校や大学で、簿記検定講座(3級~1級)や税理士講座(簿記論)、公認会計士講座(財務会計論・管理会計論)などの15年を超える指導キャリアをもつ。

※ 本記事は、会計人コース2018年11月号「タイプ別に見直そう! 合格発表日までの過ごし方」を編集部で再構成したものです。該当号はこちらからお買い求めいただけます。


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