【1日1問!〇×会計クイズ】負債純資産会計③


加藤大吾
(公認会計士・税理士)


公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題! 

もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。


【〇×問題】

当期にビルの建設工事を請け負い、契約金額は20,000円、見積工事原価総額は22,000円である。当期発生原価が工事原価11,000円であり、工事収益10,000円を計上した場合、当期末において工事損失引当金2,000円を計上しなければならない。

【正解】 ×

当期において、工事収益10,000円から工事原価11,000円を差し引くと1,000円を工事損失として計上することになる。

よって、工事契約全体から生じる工事損失2,000円(=22,000円-20,000円)から当期分の工事損失1,000円を差し引いた1,000円が工事損失引当金となる。

【根拠となる適用指針】

企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」

90. 工事契約について、工事原価総額等(工事原価総額のほか、販売直接経費がある場合にはその見積額を含めた額)が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額(以下「工事損失」という。)のうち、当該工事契約に関して既に計上された損益の額を控除した残額を、工事損失が見込まれた期の損失として処理し、工事損失引当金を計上する

〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。


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