【簿・財 間違いさがしで実力チェック】第16回:社債


ココが間違い!

X3年3月31日に償還される社債(償却原価)を、1年内償還予定社債として流動負債に振り替える必要がある。

【間違った解説】

2.B/S固定負債の社債

950,000円(払込価額)+16,100円(償却原価法)-200,000円(定時償還)=766,100円

【正しい解説】

2.B/S固定負債の社債

950,000円(払込価額)+16,100円(償却原価法)-200,000円(定時償還)-196,532円(1年内償還予定社債)=569,568円

※ 1年内償還予定社債
① クーポン利息:
200,000円×2%=4,000円

② 元本と利息の現在価値:
(200,000円+4,000円)/{1+0.038(実効利子率)} ≒196,532円

チェックポイント

1年内償還予定社債の償却原価は、利息法を採用している場合、元本と利息を実効利子率で割り引いた現在価値により求められる。

これは貸倒懸念債権に対する貸倒見積高の算定方法であるキャッシュ・フロー見積法の考え方と同じである。

〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。

本連載は、会計人コース2020年3月号別冊付録「読んで考えて総復習 間違いだらけの計算問題」を再編集したものです。


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