【簿・財 間違いさがしで実力チェック】第9回:固定資産②


ココが間違い!

売却に関する仕訳について,取得時から売却時までの減価償却費を月割計算により計上する必要がある。また,約束手形を受け取った場合の借方科目は,通常の営業取引以外から生じた手形上の債権であるので,「営業外受取手形」を使用する。

1.期中仕訳
(1) 売却時(X1年9月30日)
(借) 受取手形    4,000,000
  減価償却累計額 2,400,000
   (貸) 車両      6,000,000
     固定資産売却益  400,000
(注) 固定資産売却益
4,000,000円(売却代金)-{6,000,000円(取得価額)-2,400,000円(減価償却累計額)}=400,000円
【正しい解説】
1.期中仕訳
(1) 売却時(X1年9月30日)
(借) 減価償却費    600,000
   (貸) 減価償却累計額  600,000
(借) 営業外受取手形 4,000,000
   減価償却累計額 3,000,000
   (貸) 車両      6,000,000
     固定資産売却益 1,000,000
(注1) 減価償却費
6,000,000円÷5年÷12ヵ月×6ヵ月=600,000円

(注2) 固定資産売却益
4,000,000円(売却代金)-{6,000,000円(取得価額)-3,000,000円(減価償却累計額)}=1,000,000円
(省略)
3.P/L減価償却費
600,000円(期中売却分)+280,000円(当期取得分)=880,000円

チェックポイント

通常の営業取引以外から生じた手形上の債権は「営業外受取手形」として,通常の営業取引から生じる「受取手形」とは区別する。また,貸倒損失や貸倒引当金繰入額の損益計算書の表示において,営業債権は販売費,営業外債権は営業外費用と表示箇所が異なるので注意しよう。


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