<直前期集中連載>財表理論 インプット&アウトプット同時マスター講座(第6回)―資産概念


Ⅲ 資産会計①

1.資産概念
12.資産の定義 ★★★

 資産とは,①過去の取引または事象の結果として,報告主体が②支配している経済的資源をいう。ここでいう,③支配とは,④所有権の有無にかかわらず,⑤報告主体が経済的資源を利用し,そこから生み出される便益を享受できる状態をいう。また,⑥経済的資源とは,⑦キャッシュの獲得に貢献する便益の源泉である。

 資産の定義は充足するものの,⑧財務報告の目的の観点から資産に含まれないものの代表例には,いわゆる⑨自己創設のれんがある。

13.年金資産の定義・要件・退職給付債務から控除する理由 ★★
 年金資産とは,①特定の退職給付制度のために,その制度について企業と従業員との契約(退職金規定等)に基づき積み立てられた,次のすべてを満たす特定の資産をいう。
(1) 退職給付以外に②使用できないこと
(2) 事業主及び事業主の債権者から③法的に分離されていること
(3) ④積立超過分を除き,事業主への⑤返還,事業主からの⑥解約・目的外の払出し等が禁止されていること
(4) 資産を事業主の資産と⑦交換できないこと
 この年金資産は⑧退職給付の支払のためのみに使用されることが制度的に担保されていることなどから,これを⑨収益獲得のために保有する一般の資産と同様に企業の貸借対照表に計上することには問題があり,かえって,⑩財務諸表の利用者に誤解を与えるおそれがあると考えられる。…したがって,年金資産の額は退職給付に係る負債の計上額の計算にあたって差し引くこととしている。

14.繰延税金資産の資産性 ★★
 繰延税金資産は,①将来の法人税等の支払額を減額する効果を有し,一般的には法人税等の②前払額に相当するため,資産としての性格を有するものと考えられる。

*自宅学習などで音読可能であれば、ぜひ音読しましょう!


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