――2月23日(日)に第154回日商簿記検定が実施されました。資格の大原さんでは、試験終了後すぐに解答速報、次の日には解説会が行われていましたね。前回の2級は、大変話題となりましたが、今回はいかがだったでしょうか。難しかった、というTweetは見られましたが・・・
前回の2級は第3問の難度が高く、Twitterでも話題となりましたが、今回は特定の問題が極端に難しいということはありませんでした。ただ、第1問が少し難しかったので、そこの「難しい」という印象が試験全体に残ってしまったのかもしれません。
今回は全体としては標準的な難度で、前回悔しい結果であった方もきちんと勉強を継続してきた方は良い手応えを得ることができたのではないでしょうか。
――なるほど。第1問の印象を引きずってしまった方が難しいと感じたのですね。
第1問を引きずってしまい実力を発揮することができなかった方はいらっしゃったかもしれません。
第2問と第3問はボリューム感はあるものの、丁寧に処理を積み上げれば得点を重ねることができる問題でした。試験本番の緊張もありますから満点は難しいものの、今回手応えを感じている方はここで得点を重ねておられることと思います。
――第4問・第5問の工業簿記についてはいかがでしょうか。
こちらも色々な配慮を感じた問題でした。今まで、問1を間違うと、芋づる式に他の問題も間違ってしまうケースがありました。きちんと勉強した方が、芋づる式に失点しないように出来ています。
思考力が要求される問題でもありましたので満点はとりづらいですけれども、最初の問題で失点しても大丈夫な作りは、受験生への優しさを感じました。
――最後に、受験生へのメッセージを。
2級はもともとボリュームが多く、最近はその中で思考力も問われます。制限時間の中で思考する時間を確保するためにも、基本論点での速さと正確さを磨く必要があります。また、アウトプットトレーニングはいわゆるパターン学習で終わるのではなく、改めて基本テキストに戻り、計算手順の根拠や考え方を理解し固めていく必要があり、これが思考力の養成に繋がります。ここで必要になるのは枝葉を追う学習ではなく幹を重視した学習です。
今回、残念ながら手応えが得られず、基礎力や思考力に穴があると感じている方も、これから勉強を始める方も、『大原で合格る 日商簿記2級』シリーズのような、大事なところだけを学べるテキストを使うことをオススメします。
最後に。大変お疲れ様でした。2級に求められる能力が上がっている分、2級と1級とのレベル差が縮まっています。ぜひ、1級にもチャレンジしていただければと思います。