
平林黎(TAC公認会計士講座講師)
【編集部より】
公認会計士業務と英語との関わりが拡大している状況を受けて、令和9年第1回短答式試験(2026年12月実施)から、会計・監査の基本的事項について英語による出題が導入されます。
どのように、どれぐらい準備すべきか? 合格を遠ざけてしまう「やってはいけない勉強法」や受験生が取るべき対応・実際の解答プロセスについて、全3回にわたりTAC公認会計士講座の平林先生に解説いただきます。
※本記事は、2025年1月時点での公表情報に基づきます。
第1回はこちら
英語にどこまで学習時間を割くべきか?
さて、第1回でお話ししたとおり、会計士試験短答式への英語導入が決まっています。
配点の9割は、依然として日本語の出題。
限られた学習時間を英語にどこまで割くべきか?
合否を分ける重要なポイントです。
想定される出題形式を踏まえ、時期ごとの進め方や英語との距離感について解説します。
※本記事は、2025年1月時点での公表情報に基づきます。
出題の具体的なイメージを共有するために、公認会計士・監査審査会の下記HPでサンプル問題が公表されています(実際の問題は、形式等が異なる可能性あり)。
公認会計士試験における英語による出題について
想定される主な出題形式と解法
記述の正誤判断
日本語での出題と同様に、正しい記述を積極的に判断するよりも、誤りの記述を軸として判断を進めましょう。
否定や限定表現(onlyなど)、断定表現、容認規定などに注意です。
サンプル問題では、「neither A nor B」AでもBでもないという言い回しが出題されていました(財務会計論 サンプル問題1)。
管理会計論では、分子/分母という分数式が読めれば明らかな×に気付ける、というサンプル問題もありました(サンプル問題1)。
空欄補充
文章を頭から読むのではなく、空欄前後の記述や選択肢の単語から、必要な箇所だけピンポイントで読み解きましょう。
資料で複数の候補が与えられている場合には、用語同士を比較して、共通点・相違点に着目すると選びやすくなります。
計算問題
計算が得意な方にとっては、理論問題に比べると、比較的取り組みやすい可能性があります。
分類・勘定科目・会計方針の指示(trade date basis 約定日基準など)等を押さえれば、日本語での問題と同様です。
なお、公表されたサンプル問題には、日本語柱書が日本語・資料が英文の問題と、問題文柱書自体が英文の問題もありました。
どう進めるか?
6月の試験範囲公表時点で、英語での重点出題分野が公表される可能性もあります。
12月短答を受験される方向けに、半年前の6月頃までとそれ以降に分けて、英語との距離感を一例として紹介します。
6月頃まで:毎日のタスクには組み込まない
例
・たまに数分、日本語で学習済の単元の英単語を眺めて、クイズ感覚で日本語での意味を考える。
・日本語のテキスト・処理を想起するきっかけと捉える。
・アルファベット順で単語一覧を見て、似ている単語を見比べる。
この時期は、計算の問題演習・定着に大量の時間が必要です。英語に充てられるのは、苦手度合いにもよりますが、週に1%~2%ほどのイメージです。週合計50時間以上自習できる方でも週30分ほど、週30時間ほどの社会人受験生だと週20分以下が目安です。
自習室ではなく、休憩室や電車でたまに取り組む程度がおすすめです。
これは難しいな!という単語はマークや付箋を付して、後で見直せるようにしましょう。まだ覚えようとしなくてok、下準備です。
もし英語が極端に苦手な場合は、3~6月頃にかけて、予備校が用意する講義・教材で基本文法や言い回し(例 according to~:~に基づき、~によると、)を知っておきましょう。
7月以降:答練に合わせて、Aランク英単語から確認
引き続き、英語に対して学習時間は1〜5%程度しか充てられないイメージです。
マークや付箋を貼った箇所を中心に、触れる頻度は徐々に増やしていきましょう。
ポイントは、最初から完璧な暗記は目指さず、あえてざっくり何度も触れること。苦手な単語も、2・3回くらい見ておいて、本試験の1週間前などから1度見直せばokです。重要度Aだけ、という戦略を取る方も多いと考えられます。
扱いに困る場合は、講師にご相談ください。
最終回は、解答プロセスと、英文を読むコツを解説します。
【プロフィール】
平林 黎(ひらばやし・れい)
TAC公認会計士講座講師(フォローチーム主任、学習相談/学習法セミナー/受講生向け公式LINE/財務会計論-理論質問対応)
1986年東京都多摩市生まれ。国際基督教大学教養学部国際関係学科卒業。体調を崩し、公認会計士試験を一度撤退。
2014年独学で保育士資格取得後、公認会計士を再度志す。
2016年論文式試験に合格し、現職。
2020年以降、オンラインでの相談対応・セミナーを開始。
下記SNSで主に受験生に向けた情報発信を行っている。
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