【連載】会計脳を鍛えるミニテスト20＜第15回＞

奥山結紀（公認会計士）

＜連載のねらい＞
簿記検定・会計士・税理士試験をクリアする、また実務を行うには、一定量の知識は必要不可欠です。しかし、レベルアップするほど範囲が広くなり、応用的な論点も増えるため、単なる暗記による知識だけで乗り切ることは難しいでしょう。
では、どうすればよいでしょうか？
本連載では、やさしいレベルではあるものの、「なぜそうなるのか？」を考えなければ解答できないような問題を用意しました。受験・実務を問わず、理解を重視するきっかけにしていただければ幸いです。
・本連載「プロローグ」はコチラ

問題

「商品の購入のために生じた付随費用は、原則として、発生した期の費用とする。」

・〇（正しい）

・✕（誤り）

解答

✕

解説

購入にかかった付随費用は、棚卸資産の取得原価に加算します。そのため、発生した期の費用になるとは限りません。
「しーくりくりしー」の「くりしー」によって、期末に残っている棚卸資産（購入代価＋付随費用）は当期の損益計算書（売上原価など）からは除外され、いったんは貸借対照表に計上し、最終的には実際に販売された期に費用化されることになります。

【執筆者紹介】
奥山結紀（おくやま　ゆうき）

公認会計士
2003年公認会計士第２次試験合格後、約２年の事業会社勤務を経て、大手監査法人勤務。ロンドン駐在やフォレンジック部門（不正調査など）も経験。一般事業会社に転職ののち独立。
X（旧Twitter：@CPA_YukiOkuyama）では、主に会計に関する情報を発信。フォロワーとの交流を楽しんでいる。